京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

上仰木から大原へ
2023.10.21(土)

おごと温泉駅から上仰木集落を望む


日程:
・2023年10月21日(土) 晴れのち曇り 16℃ ikomochi

コース:
・京都駅発湖西線9:56→おごと温泉駅10:16~上仰木集落口11:20~郵便局11:40~元三大師道道標12:20=12:50~滝壺神社13:40~奥山林道~峠下14:30~仰木峠14:50~野村別れ16:20=野村別れバス停発16:35→出町柳



おごと温泉駅~上仰木集落



上仰木集落~仰木峠~野村別れ




 先日の道迷いリベンジで上仰木集落を目指す。雄琴駅から眺めた丘の上の集落が美しく、どんなところか気になったのだ。堅田から上仰木への古い道があるらしいが、とりあえずはおごと温泉駅から車道沿いに集落へ向かう。

おごと温泉駅から比叡の山並を望む

おごと温泉駅からびわ湖の眺め

 駅前から仰木の里の住宅地や学校が広がり、車の往来は多い。緩やかな上り坂を進むと途中にぽっこり小高い林があるので、階段を登ってみる。上にはお社があり、古い木々の下に無数のどんぐり。きっと宅地造成の時に、昔からある地元の鎮守さんを残したのだろう。

県道沿いの祠

 集落の入り口は赤い前垂れのお地蔵さんが幾体も祭られている。先日トラックで運んでもらった車道の分岐を通り過ぎ、勾配がきつくなった登りを進む。車道から眺める琵琶湖と広がる棚田の景色がのどかでいい。道標に小学校→とあるので、さらに坂道を登っていくと、4差路に出て郵便局があった。

上仰木集落入り口のお地蔵さん 棚田が広がる

前回下った尾根を見る トラックでここに到着場所

急こう配の道を登る 登るほどに見晴らしがよくなる

小学校方面へ向かう 近江の農家屋敷

仰木郵便局から集落へ入る

 郵便局から比叡山横川方向に一直線に坂が伸び、上仰木集落のメイン道路ようだ。道の両側には古い近江地方農家造りの立派な家が続く。お寺や神社もこの狭い集落の割には多く、さすが比叡山の麓、信仰厚い村なのだときょろきょろしながら歩く。

お寺が多い 神社も多い

古い家並みが続く

 時折家々の屋根越しに遠く琵琶湖がのぞき、随分と標高があがってきたことがわかる。後ろから小学生の一団がやってきた。どうも先生に引率されて地元の神社やお寺の由来を調べにきたようす。

ゆったりと時が流れる

 わたしも一緒について行って教えて欲しかったけど、途中で道を曲がっていってしまった。お寺のお祭り期間らしく、幔幕で飾られた門の前におばあさん集団が集まっていた。古い習慣が受け継がれているのだろう。静かな集落をのんびり歩いて30分ほどで、村のはずれに建つ元三大師道道標に着いた。

集落のはずれに着いた 元三大師道道標

 ここは標高240m余り、駅から100mは登ってきた。丘の上に広がる畑や民家、眼下に広がる琵琶湖に対岸の山々、背後には比叡の峰。広々とした景色を眺めながら、昼食にした。山頂に白い雲がかかったなあと眺めていたら、急に風が強まり肌寒くなった。慌てて脱いでいた上着を羽織る。

 もう少し座っていたかったが13時前になったので腰をあげ、先へ進む。一度歩いてみたかった仰木峠の道。大原から仰木峠に登り峠道を下ると、この上仰木へと至る古道があったのが林道建設で寸断され、車道歩きはどうもねということで、いつも峠からは比叡山の尾根道へと足が向いていたのだ。一度は来なくてはと気になっていた。

 大師道道標を西へ比叡山の尾根を目指して、棚田続く道を歩く。稲刈り前の黄色く色づいた穂波を楽しみにしていたのだが、丁度男性が作業していたので、このあたりの稲刈りはいつですか?と尋ねたら、なんと「8月には刈ってしまいます」だって。早いですね。

道標から西へ、仰木峠を目指す 刈入の済んだ棚田が続く

 棚田100選には入っていなけれど、日本の里山の原風景と言われる湖西地方。田植えの頃にまた歩きたいものだ。土手に咲く草花たちを眺めながら川沿いの道を登っていくと、鬱蒼とした森の中に鳥居が現れ滝壺神社とあった。道の脇にこじんまりとした池があり、山からの樋から水が流れ落ちている。階段を登るとお社がありまだ新しい。手入れが行き届いていて、地元で大切にあがめられているのだろう。

滝壺神社 滝壺神社の池

 帰宅して調べたら、大津遷都の頃から祭られているという由緒正しいお宮だった。道路脇を流れる川は水量が豊かで、比叡の山に湧く水が流れ下り田畑を潤し、琵琶湖へと注ぐのかと思えば、比叡の神々に守られた地域であるなと、古代へと思いを馳せるのです。

 滝壺神社からはくねくねと森の中を登って歩き、時々脇道があり、新しい作業道がありと道の先を覗き込みながら高度をあげていく。神社から1時間ほどで道の先にチェーンのさがるゲートが見えると、峠下だった。

簡易舗装の林道を登っていく 仰木在郷軍人の墓とある

奥山林道竣工碑 奥山林道ゲートから山道へ

仰木峠登山口

 入り口に標識がぶら下がり、山道が伸びている。尾根の下をじぐざぐで登ると直ぐに峠に出た。比叡山縦走路は広く掘りこまれている。これまでの道中誰にも会わなかったのが、ここに来てどんどん人が歩いている。さすが仰木峠。賑やかな声はトレイルランの一団で、小野山へと走っていった。

山道を登ると横川からの道と合流

仰木峠

 この峠は大原から登ってきたり また大原へと下ったりとよく通ったものだ。このところばったり来なくなって、久々。山道は広く踏み固められ、たくさんの往来を忍ばせる。

 西側の谷から吹き上げる風がとても冷たく、ぶるぶると震え持ってきた薄手のダウンを着込んだ。琵琶湖側は寒さはなかったのだが、やはり京都の山間部は気温が違う。山越えしてきたんやなと実感しながら、大原へと下った。

三千院方面に下山

 道中杉林の道は、あれ?こんな道だったけと途惑いもし、古い朽ちかけた鳥居のある祠や地蔵さんたちも記憶になかったので、この道は長いこと歩かなかっただと思う。S先輩に連れて来てもらったなあと懐かしい。

戸寺道の分岐 峠道は明確です

 森を抜けると害獣柵の扉があり、閂を外して重い扉をよっこらしょとあけ締めして里の方へ出たら、なんのことはない横に簡単なドアがあって出入り口の札がぶら下がっていた。苦労せずに出られたのだ。

古い祠にでます 横の扉が開きます

 村はずれの畑に出たら、今まさに大原三山に夕日が沈む時で、残照に輝く里を見下ろして景色を堪能した。琵琶湖岸の棚田の里から北山の山里へと峠越えの道は、ザ・日本の原風景を尋ねるほっこり旅でした。

ザ 里の秋

ここも元三大師道 野村別れバス停へ




ベンケイソウ?

ミゾソバ? ヤブマメ

ヒヨドリバナ ノコンギク

カタバミ ゲンノショウコ

白い蕾があるけど? 風で揺れてピントが合わず
苦労して撮影した→ ミツマタ

土手に小さな花、なんだろう

ツリガネニンジン

セイタカアワダチソウ ハナニガナ











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