京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

大文字山北谷彷徨
2024.03.16

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フライパン一式    天の原

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日程:
・2024.3.16(土) 晴れ 18℃ ikomochi

コース:
銀閣寺道バス停~銀閣寺登山口12:30~中尾城址尾根堀切13:00=13:15~中尾の滝~出合い坂尾根分岐13:40=13:50~石積み跡~熊山三叉路14:20~北谷2段の滝の沢~夢見庵~天の原15:40~出合い坂尾根~銀閣寺18:30


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 今冬は天候不順なうえ、諸般忙しかったので思うような山歩きができていない。3月15日の確定申告もやっと終わり、天気予報は4月の陽気の土曜日。かねてより探索したかった大文字北谷の谷に向かう。

 しかし、16歳の老犬がめっきり老け込み、毎朝の散歩(トイレ&うろうろする)と温灸治療と特製温野菜ごはんを待ちわびているので、まずはご機嫌伺。お日様ぽかぽかで気持ちいいのか、庭周辺をよろよろ彷徨っているのを途中で遮るのもなんだかなあと30分ほど見守っていたら、出発の時間がもう10時になってしまった。

 人ごみの出町柳駅、みなさん春到来で明るい顔。わたしもなんだかのんびり気分で、駅のロッテリアに座り込んでバーガーセットなんぞ食べ、それからバス停に向かうと、長徳寺門前の桜が花盛りなので見物に立ち寄り。そんなこんなで、大文字登山道を登り始めたのは12時半だった。

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長徳寺  おかめ桜


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八重桜 お寺の入り口にも春


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蕾膨らむ


 メガネ坂から北谷に向かうつもりでのんびり堀切に着くと、先客2名が休んでいた。時々お会いする常連のおじさんとおばさん。お二人の会話に加わってあれこれ情報交換する。

 大文字山のあちこちに丸太の階段を作っている方のこと、山は自然のままにがいいと その階段を外す人、山鉾や百人一首に川柳と札を下げる人に その札を撤去する人、立ち木のペンキマークを消して回る若者もいるそうで、静かな山の中ではばちばちと熱い闘いが繰り広げられていること。

 幻の滝の谷に花壇を作っているおじさんは、みんなから山の持ち主に許可を得ているのかと攻め立てられ 許可をもらいにいったとか。しかしねえ あの花壇は山の植生ならまだしもそこらの花鉢を持ってきて植えるのはねえ。。。やりすぎだよね。いかがなもの?

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もうすぐ芽吹きか 若草色の森


 「階段作るのはいいけど、琵琶の滝の横の斜面、崩れやすい砂地も考えずに階段を作るからもう崖崩れ状態で怖いですよねー」「最近は水の流れとか階段の向きとかも学習して(造作が)だいぶうまくなったけどなあ。。。」おじさんは北斜面の詳細な地図を持っていて、コピーをくださる。以前のものに書き加えたからと、また地図やら百人一首に川柳の資料もたくさんいただいた。

 北谷から火床へ向かうというおじさんと一緒に中尾の滝に向かう。道中 「あそこの木の陰に〇〇の札があるやろ」「あそこには〇〇」と気づかず歩いてたら見過ごすような札のいろいろを教えてもらった。「中尾の滝は昔は打越の滝というたんや、地名が打越町やから。それで打越の滝と札を作ったけどまた取られるかもなあ」などと教えてもらう。

 ここ最近大文字山界隈は新しい地名が勝手につけられ、その名前が横行しているのにはいかがなものかと思う私だが、昔からの地名による名前ならば歓迎である。もっと地元の歴史を知ってほしい。

 歴史といえば、竹若山の麓の通称石積み跡は、実は牛を飼っていた名残りなんだそうだ。おじさんが古老に教えてもらったそうで、山城の屋敷の跡かと思ったら牛小屋の跡だって」とのこと。幻の滝のあたりにゴルフ場建設が持ち上がって反対したよね とか(わたしもゴルフ場建設騒動は知っている)。時々の人間の思惑にさらされてきた大文字山だが、山中を歩けばその折々の景色や風や匂いに心癒される。

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「石積み」は放牧跡地 ミノハナが香る


 幻の滝方面に向かうおじさんと沢で別れ、私は尾根へと登る。出合い坂の尾根は若葉が芽吹き心地よい。竹若山への分岐で昼食にして、久しぶりの春の日を浴びてほけっと山を眺める。

 さらに尾根を越え谷越え、熊山子熊山の三叉路越えて、すぐの鞍部から谷の源頭部へと下る。ここは草地なので夏場になると藪を分けて歩きにくいかもと 冬枯れの時期を待っていた。下ってみるとすぐに水源の始まりがあり、白砂の細い流れが下っている。動物の足跡がたくさんあり、格好の水場のようだ。

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熊山三叉路
← 子熊山       ↑ 熊山
鞍部を下る


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谷川の始まり部 源流を下る


 V字になった細い谷沿いを進むとすぐに熊山尾根の西側の谷間に合流。谷を下る。途中狭まった谷間に倒木や崩れがあり乗り越えながら進むが、歩けないことはない。東側の子熊山尾根から下ってくるけもの道が幾本かあり、尾根へと登れそうだ。谷を下り始めて20分ほどで、尾根と尾根との先端部が出合う広まった場所に出た。

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谷の本流を下る 玄孫熊山頂からの激下り


 あたりを見回し尾根を見上げ、ここや!と確信。2019年1月に熊山から子熊、孫熊、と辿り玄孫熊山の標識がある尾根の先端に出た。その先の斜面を下れば2段の滝の沢に出るとあったので、落ち葉の積もった斜面を下り始めた。

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2019.1月怖かった激下り(上から)


 上から覗くと傾斜が急なうえ、手掛かりになりそうな小枝も樹もほとんどなく、眼下に見えるのは岩がごろごろした沢。このまま墜落したら怪我必至やなあと足がすくんだ。が、あたりを探しても下れそうな場所はないので、まばらに生えた木を手掛かりに下ってみた。

 分厚く堆積した落ち葉が滑ってさらに怖く、頭から落ちそうになるのをこらえて踏ん張った。大文字だからと、頼りのストックやロープも持ってこなかった。下に降りて見上げたら、急角度の斜面だった。下りた沢には対岸の尾根に登れそうなふみ跡があったので、ここは人が歩いているのだなと、再度確かめに来たかったのです。

 昨今北斜面の地図が出回り、この対岸の尾根は鹿山(という新しいネーミングの)の尾根だとわかった。今回も玄孫熊山の尾根の先端を見上げたが、やっぱり急斜面であまりお勧めできないコースです。

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鹿山尾根への道
左↓ 下ってきた谷      右↑ 鹿山へ
斜面の新道は怖い


 さて、2019年にはまだ道もふみ跡程度だったのが、最近階段作成者がここまで手を伸ばしたようで、細い枝を組み合わせた道が斜面に作られていた。せっかくなので歩いてみたが、砂混じりの崩れやすい地面はしっかり踏みしめないと直ぐに滑りそうだった。

 2019年に通ったときは、こんな斜面じゃなく下の沢沿いを下った。そっちの方がよほど危なくなく時間もかからないと思う。ぶつぶつ言いながら、沢の合流点に下った。沢の傍らに丸太のテーブルセットがあり休憩。

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沢合流地に出る オオルリの道というそうな


 オオルリの写真がかけてあり、オオルリの道というらしい。夏になったらオオルリの囀りが聞こえるのだろうか。聞いてみたい。合流点の南側に尾根の先端に向かって、例の小枝の作道が作ってあった。これがokaokaさんが登った斜面やな。うーん、こんなところに無理やり作る必要があるんやろうか。どうせ大雨が降れば、この道は崩れてしまうだろう。

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いずれ崩落するだろう 上流へ向かう


 メガネ坂の立ち木に、一時期看板がつるしてあった。曰く、「大文字山を歩く人の安全を願って木を伐り苦労してボランティアで階段を作っているのに、その階段を取り外す人がいる。危険なのでやめてほしい」この看板をみてうーんとうなってしまった。

 階段ができてありがたい場所もある。例えば、中尾城址尾根に登る水場の入り口の階段とか。でも、最近は行き過ぎてかえって危険だし、山崩れで自然破壊じゃないのと思う場所が増えた。そして更に道があるからと地図も持たずにずんずん北谷に入り込んで脱出できない遭難事故が増える要因ではないかと、疑問だらけです。

 大文字山をどうするのか どうしたいのか、勝手に好き好きでやっていいのかなあと疑問ですね。時間があれば2段の滝まで足を延ばしたかったが、いかんせんもう3時前なので諦めて、上流へと向かう。新田尾根へは古道があり一度探しに出かけたが、時間切れで途中までしか歩けていない。しかし、その古道らしき跡は盛大に崩れているので、道探しはしばらく時間がかかりそう。

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沢筋を遡っていく 夢見庵


 北谷の最奥の谷なので決して歩きやすいとは言えないが、ふみ跡はちゃんとあり渡渉しながら上流域へ。尾根のすそ野が広く平らな広場は、昨今夢見庵とネーミングされているらしい。確かにここで座って心地よい時が過ごせそう。更に渡渉して上流へ。広葉樹が増え、葉先がほんのり赤み色。若葉のころ気持ちよいだろう。

 大文字山三角点の北に位置する天の原に到着したのが、もう4時前だった。オレンジ色の夕焼け色に染まったこの森が好きだ。町の騒音もここまでは届かない。静まり返った森でやっとこさお茶タイムにして、コーヒーを淹れた。今日は気温が高く多分日中20℃はいっただろう。

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天の原 静寂


 意識せぬ間に汗も?き脱水気味なのか、太ももが攣ってきた。リンゴをかじり、ストレッチ。広場の木の根元に置いてあるフライパン、蓋つきのテフロン加工だからそうそう古くはないのだろうが、いつしかここは別名フライパンと呼ばれ、ひしゃげた薬缶も置いてある。三角点の下の方で、古い昔風の茶碗を拾ったのでそれも仲間に加えたら、さらにどんぶりと水筒が仲間入り。ここで野宿十分にできます。

 藤の木の幹が白く削れている。鹿が角で削ったのだろうか。あちこちの幹が白くむき出しだ。さっきから、森の中でガサッ ガサッと音がする。鹿か小動物がもう出てきたのかな?それにしてもえらい響くなあ。そろそろ帰ろうかと、山道を下っていたら、頭上でパッチーン、バサッ、パッチーン、バサッと賑やかな音が響き、足元を見たら豆の大きな鞘が散乱していた。

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鹿の仕業? 夕焼け色


 そうか 今日は昼間お天気よく気温が上昇したから藤の豆鞘がはじけてるんや。種はないかな と探すも草むらで見つからず。道中あっちの尾根こっちの尾根からパッチーン、バサッと射撃音が響き渡り、愉快。登りはじめの出合い坂尾根の分岐にたどり着き休憩。

 もう16時過ぎだけどお日様がほかほか温かく、気持ちいい。座っていると近くで鹿たちが「キャーッ、キャーン」と騒ぐ。もう夕方やからわたしらの時間やで、はよかえってや と言われているようで、神輿をあげた。夕方の陽が落ち、あたりは薄暗くなっている。

 メガネ坂を下り出口のあたりで、頭上ではパッチン音が激しく鳴り響き、昼にはなかった鞘の山。こんなやったら弾けた豆の一つや二つが頭に直撃してもおかしくないかもと恐る恐る歩いたが、意外に当たらないものです。じゃあ 弾けた豆はどこに飛んでいったんや? 地面を眺めると おおーありました。茶色の平べったい豆。大きいです。平たいから空中を滑空してふわりと着地するんでしょうか?持ち帰り発芽に挑戦予定。

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破裂音の正体は 音の正体 山藤の種


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階段が外されていた


 温かく心地よいのでついついのんびりしてしまい、いつもの百万遍の銭湯に着いたのは7時過ぎ。そして混雑した隣の王将で席に着いたのは8時。注文を待つ間、おじさんにもらった地図で今日のコースを復習していたら、隣席のご夫婦のだんなさんが、「大文字に行ったんか」と声を掛けてきた。地図おじさんもお仲間のようで大文字の常連さんらしく〇〇さんや、話が弾み。とうとう百名山踏破したと写真を披露されることに。

 あそこに行ったか?ここに登ったか?と聞かれるも、私は人混みの山には行かないのでほぼ北山比良です。というと、「あんたなあ そういわんと一度は尾瀬に行かんと。上高地も行ったことないんか?」と写真を広げる。

 高山といえば毎夏の立山縦走と乗鞍、長野の高原を歩いたくらいの私だが、師匠や山仲間が百名山やヒマラヤなど歩いているので耳学問で話にはついていける。だんなさん大喜びで、結局1時間山話に花が咲き、最後は隣の席の若者グループが笑うほどだった。喋りつつ餃子とニラレバ定食とビールを飲み、だんなさんに「さすがや そんだけ食べられれば立派や」とお褒めのの言葉をいただいた。

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今日も完食でした


 大文字山の諍いだが、行きに地図おじさんに教えてもらった表示札のいくつかが帰りには見当たらなかったし、メガネ坂の階段も数か所外されてあった。

 そして教えてもらった道迷い情報によると、三角点に登った母娘が白いテープについて谷方向へ下り、途中で娘さんが行方不明になったと119番通報、幸い携帯が通じ出合い坂でヘリコプター救助となったそうだが、そのテープは京大生のオリエンテーリングのためにつけたものとわかり、警察からテープはつけたら外す、テープには連絡先を記入するように厳重注意を受けたとのこと。

 みんなの大好きな大文字山、でも決して侮れない奥の深い山、安全に楽しくヘリコプター救助の回数も少なくして、そして自然と共存しつつ守っていく、なんかおおらかな取り組みが必要なのかもしれません。



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連絡
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