氷ノ山周回


氷ノ山山頂



2010年9月18日(土) 晴れ  森の旅人M



コース:
養父市福定親水公園〜氷ノ山地蔵小屋〜氷ノ山越避難小屋〜氷ノ山〜神大ヒュッテ〜東尾根休憩小屋〜東尾根登山口〜氷ノ山国際スキー場〜福定親水公園





 今回の登山はこの夏,大阪のスポーツ店で偶然手に入れた氷ノ山登山マップがきっかけになりました。少し遠方のためすぐに行く予定は無かったのですが,ネットで情報を見ているうちに,久しぶりに北山から離れ思い切って行ってきました。

 早い朝立ちで,自宅を午前5時に出発,京都縦貫道の園部で下りると濃霧になっていました。国道9号線では4〜5台の集団で快調に走り福知山へ,ここでトイレ休憩と昼食の確保のためコンビニに入ります。福知山からは霧も晴れ,天気予報どおり良いようです。氷ノ山は兵庫県といえども鳥取県の県境,午前8時半に登山口の養父市福定親水公園に到着しました。すでに10台近い乗用車が駐車しています。

 天気も快晴,寒さ対策にジャケットも持参してきましたが不要のようです。福定親水公園のトイレ脇を通り,登山開始です。トイレの先には屋根付のかまどがありキャンプ場となっているようです。しばらくは川に沿って歩いていきます,砂防ダムについての注意看板で分岐があります。川沿いに進む登山道と急斜面の山道の分岐となっている,山道のほうがしっかりした道になっているので要注意場所である。注意して見ると氷ノ山と書いた小さい標識が置いてあった。野草で見にくくなっている道を川沿いに進む。丸太橋を渡り左岸に移る。野草で目に付いたのがツリフネソウしかし時期遅れで花が落ち始めている。他に同じピンクのゲンノショウコも見える。布滝の標識と山頂まで4.5Kmの標識。さすがによく整備されていることが感じ取れる。

福定親水公園 山頂まで4.5Km

 布滝が樹木の先に少し見えるので,ルートから外れ正面から望める橋まで行き布滝を見る。北山には無いような落差のある大きな滝である。本道に戻り,ここからは急坂が始まり何度も折り返し道が続く。道はしっかり間違えることはなく安心である。不動滝と氷ノ山遭難者への石像と石碑が立っている。ルート沿いには山頂までの標識のほか,ポイントになる名前をつけた標識も多くありサポートしてくれる。さすがに兵庫県一番高い山だけに手入れの良さを感じる。山頂まであと4Kmを過ぎたところで小休止していると後方から単独男性に追い抜かれる。急坂のため休憩と水分補給を取る。この後少し登ると「曲がり坂終わり」の標識。そしてその先は平坦路になり楽になる,スギ林の中に休憩にもってこいの地蔵堂があった。既に休憩をとっているのでここは通過。平坦路も終わり,左手に谷筋を見ながら坂道を登っていく。

氷ノ山遭難冥福願の石仏 地蔵堂

 ブナ林がみられる坂道で二人目の単独男性に抜かれる。「弘法の水」と言われる水場に着くと,先に抜かれた二人が水をペットボトルに詰めたり,顔を洗ったりしていた。更にこの上にも水場があったが,ほとんど水は湧いていなかった。樹木の間からようやく山頂の小屋を目にすることができた。しかし,このあと氷ノ山越の稜線の鞍部までが長く感じられた。 氷ノ山越には避難小屋が建っており稜線の重要ポイントになっている。山頂方面を見上げると小屋が近くに感じた。先行の初老の男性が座っていたので,声を掛けると地元の人で,久しぶりの登山であること,秋の紅葉時期がすばらしいことなど話をしてくれた。

山頂を望む 氷ノ山越避難小屋

 この後,二人は山頂まで一緒となった。氷ノ山越を山頂に向うとすぐに2Kmの標識。平坦路がしばらく続く。山頂まで1.5Km付近にブナ林が広がっている。木の根っこが張った急坂を登り,あと1Kmの標識になると山頂は大きく見える。緩やかな下りの後,上り返す。仙谷口は鳥取側からの合流点。さらに稜線を山頂に進むと「こしき岩」と言われる大岩が目に入る。岩登りをするようで,岩の上に上がれるそうだ。脇を回り込み通過。やがて樹木が無くなり丸太で組んだ階段が現れ上っていくと,最後は山頂への一本道,ここを登りきるとようやく山頂に到着した。

木の根道 山頂へ

 山頂は広場になっている,既に20人近い人が登頂を果たし賑わっていた。三角点より標高1510mと表記した丸太の前がカメラポイントになっている。広場の北端には山頂の顔になっている避難小屋があり,ここからの展望は良く北向かいの鉢伏山とハチ高原スキー場が見える,そして先程上ってきた稜線と氷ノ山越の避難小屋が小さいがはっきり見える。西側も鳥取の山が続く。大山が見えるらしいと聞いたが,多分視界の良い場合だろう。それらしい姿の山は見えなかった。山頂広場の周囲はササが囲み,南と東側にはササが広がるためこの方面は山が見えない。ここまでしんどいが,これだけ展望があれば疲れも吹っ飛ぶ。登山客は次々とやってくる,幼児を連れた家族も東尾根道から上がってきた。

 避難小屋の横にある丸太で昼食を摂る。座るに良い場所が少なく,この周囲にも人が集まる。昼食後,気になる大きな建物が少し離れたササ原にあるので近づいてみるとトイレ小屋だった。衛生面では対策と整備が施されている。2階部には人が上がれるのだろう,グループが陣取っていた。

氷ノ山山頂避難小屋 氷ノ山越避難小屋を眼下に見る
鉢伏山とスキー場 トイレ小屋

 帰路は東尾根から東尾根登山口に下山する。ササ原の中を緩い坂を下っていく。木陰に入る頃,木道が続く。「古生沼」と言われる高山沼であるが沼の姿はない。神大ヒュッテまで歩きやすい道が続いた。神大ヒュッテは森の中にあり感じが良かった。

東尾根ササ道を下る 神大ヒュッテ

 東尾根道はこの先から東北に下って行く,自然林の中,谷筋を渡りやがて急坂を下ると東尾根休憩小屋に着く。すでに山頂も見えず周囲の山も見上げるようになり,かなり下ってきたことが分かる。休憩後,小屋の先から北西の急斜面を折り返して一気に下ると林道に出た。登山口には大きな岩が設置され「氷ノ山東尾根登山口」の石碑がある。氷ノ山国際スキー場東尾根道は前半の楽な道と後半の急斜の下りは余りにも違いが大きい。

東尾根休憩小屋 東尾根登山口

 東尾根登山口から氷ノ山国際スキー場を通過し,福定親水公園まで2.4Kmの林道を歩きました。まだ暑さ残る中でしたが予定どおり無事終えることができました。

 今回の氷ノ山登山は,標高は高いものの出発地点が700m弱で下山口も800mであり実質800m強の標高差しかなく,途中にある長い平坦路が数箇所あり急坂はあるものの難しい山でなくファミリー向きの山と言えるでしょう。

ツリフネソウ ヤマジノホトトギス
キツリフネ 福定親水公園前のススキ

 養父市は幹線沿いに日帰り温泉が3箇所あります。今回は道の駅「ようか但馬蔵」近くの「とがやま温泉:天女の湯」で疲れを流し,今日一日,心身とも充実感を覚えて帰宅することができました。