小てつのよも山話(NO.78)
okaoka隊、掃除する


特に捜査員Iは、自身の体格と相談しないで
かなり大きい幹のかたずけに挑戦するものだから



2010年4月30日(金)        小てつ








「おかげ様、おかげ様です。」

 少し前のNHKの「ワンダーワンダー」という番組で、北アルプス山岳救助隊の隊長が言ってましたねぇ。富山じゃ、よく口に出される言い回しなんだけど・・・。

 先日の「三国岳」紀行、雪によるものなのか、稜線にあがるにつれ山道に折れた幹、枝が多数あり、掃除をしながらの歩行となった。おかげで予定の歩行時間より1.5倍は時間がかかったものだから、お茶屋跡から「経ヶ岳」のピストンも考えていたのに、それもあきらめての奮闘となったのだった。

 okaokaさんの紀行文では、小てつが一人奮闘のように書いていただいているが、どっこいそうではなく、全員の共同作業であったのだ。特に捜査員Iは、自身の体格と相談しないで、かなり大きい幹のかたずけに挑戦するものだから、見ているほうは気が気じゃなかった。

 その時みんなは何も言わないけれど、何かを感じて奮闘した訳だ。後から訪ねてくる人のために・・・、いやそれだけじゃない。
 実は、山道に小さくても折れた枝などがあれば、ケモノはよけて通る。ケモノは枝を掃除などしないから。ケモノがよけて通ると、山道はそこで別ルートとなってしまう。人間には山道が消えてしまったように見えるだろう。
 山深いところでは特にそうなんじゃないかと思う。訪れる人はかなり少なく、山道を維持させてくれているのはケモノ達のおかげとなっている。つまりは、山道維持のため、ケモノ達のためによっこいしょしていた訳である。
 夏道じゃほとんどわからないかも知れないし、雪のときにでも行ったきりのコースを歩いたんじゃわからないかも知れない。ところが、雪のときにピストンするとおもしろいことがある。
 
 小てつは今年のバーゲンで、念願の「スノーシュー」を手に入れた。しかし今年は雪が少なく、試し歩きもできないかと思っていたら時期はずれに雪が降り、それっとばかりに「ナッチョ」に行った。別の目的もあったんで頂上から北の「三谷峠」までをピストンしたんだが、帰り道のそれはにぎやかなことだった。
 50cmくらいの積雪に、どこかに隠れていたんだろう、お腹の毛のこすれた跡もあったから足の短いケモノらが、ここぞとばかりに小てつのスノーシューの踏み跡を利用してくれていた。きっと雪のない時にでもこんなんで、結構ケモノ達は歩いてくれているんだと思う。
 
 「おかげ様、おかげ様」である。

 また、この「三国岳」の山道は、とてもおもしろい特徴を持っているところであって、今回は、「古屋」からグルリとまわってみたが、「桑原」から、「お茶屋跡」に登り、「経ヶ岳」と「三国岳」をそれぞれピストンしてみれば良くわかるのであるが、「経ヶ岳」側には、数メートル置きにテープがびっしりで、「三国岳」側には、さすがに高島トレイルであって、きれいに撤去されているのだ。

 テープをつけるつけないが良い悪いの論議では無く、実際、一度訪れてみると良いと思う。どちらの山道がきれいで、そしてまた「新しい発見」があるかどうか。木に巻かれたテープを追っかけていたら、足元にひっそり咲いている可憐な花を、見落としてしまうんじゃないかいな。

'okaoka隊は、しっかり春の贈り物を見つけましたよ'

                            という話



                        【 記: 小てつ 】

'okaoka隊は、しっかり春の贈り物を見つけましたよ'
足元にひっそり咲いていたセリバオウレン