小てつのよも山話(NO.81)
三国岳集中講座


またまた「三国岳」である



  2010年5月26日(水)        小てつ








 またまた「三国岳」である。
 去年の「八丁詣で」に引き続き、どうもこの時期、この季節になると一極
 集中の山行になる癖がついてしまったのか、今年は「三国岳」を度々訪れる
 こととなっている。

 元はと言えば、去年の11月に「桑原〜経ヶ岳ピストン〜三国〜岩谷峠〜桑
 原」のループを一人でやって、その時のことを皆さんに話したら、それじゃ
 あ皆でと前回の「okaoka隊掃除する山行」になった訳で、武庫川のHさんな
 どは、「じゃあ二人で車二台出して、佐々里峠〜三国岳の縦走やろうよ。」
 など言い出すほどで、ここらあたりはやっぱり皆注目の山域だったという訳
 だ。

 縦走となってくると、とっかかりに一番しんどくないコース取りをしなけれ
 ばならないということで、あっちゃこっちゃからのアプローチ探索も兼ねて
 の「三国詣で」になっている。3月20日にokaoka隊で訪れ、5月4日に仕
 事仲間のYさんと訪れ、またまた5月15日にokaoka御夫妻と訪れと・・。

 余談であるが、仕事仲間のYさんは、今回が初めての山行だった。仕事場で、
 あまりに小てつが山の話をするもんだから、「いっぺん連れてって」となった
 んだが、本来なら小てつはこの「いっぺん連れてって」の時には、「竜ヶ岳」
 に連れていくのが恒例になっている。それもわざわざ「くびなし地蔵」の雲
 心寺駐車場まで車であがって、
「ほら愛宕神社すぐそこやろ。でも、いきなり行ったんじゃ味気ないしなぁ。」
 とか騙くらかして、竜の小屋方向に連れて行き「竜ヶ岳東面」に御案内さし
 あげるのである。
 大体ここを味わっていただくと、その先は二手に分かれて、二度と連れてっ
 てと言わなくなるか、はまってしまうか、どちらかになるので手っ取り早い。

 はまってしまったのが二人いて、修学院のNさんと日野のKさんなんだが、
 日野のKさんは「一息で登れんかった。」と悔しがり、その後も「城丹尾根」
 やあちこち御一緒するほどはまり込んでいたのだが、最近膝を痛めて自重中
 である。早くの復帰が待ち遠しい。
 Yさんはそんなふるいにかけられず、最初から「三国岳」というのは幸か不
 幸か?

 さて話しは戻って「三国岳」、しかしながら今回okaokaさんと御一緒の
 コースは少々荒っぽい。縦走のコース調べの探索ではなくて、去年の夏に
 捜査員Iと御一緒して、かなりエライ目にあった時のリベンジだったのだ。
 リベンジだったはずの当の捜査員Iは直前キャンセルとなり、小てつのみの
 リベンジとなったが、okaokaさんに同行していただきコース検証いただいた
 訳である。

 行動範囲は広がっているとは言え、まだまだ若輩者の小てつ、okaokaさんと
 の山行はすごい勉強になる。それに荒っぽいコースのため、哲郎さんも本気
 モードである。

 小てつの年代では、仕事であれ遊びであれ、「人の技は見て盗む」が鉄則であ
 って、あれこれいきなり聞いてしまうのは道理に反する。今回もいろいろと
 盗み見る訳なんだが・・。

 たどたどしい記憶の小てつの2万5千分の1地図には、ただ色違いのマーカ
 ーで尾根と谷のしるしをなぞってはいるが、こっそり盗み見た哲郎さんの地
 図には谷分岐、コースが曲がるところなど、あらかじめ標高がびっしり書き
 入れられていた。哲郎さんは事前に予習されていたのだ。

 去年はかなり天狗分岐に近い、稜線が高いところを登ってしまったようで、
 それでかなり無駄にエライ目をしたようだった。哲郎さんのコース取りは、
 もちろん的確で、そうか山の予習はこうするんかと、感心しきりである。

「ほらっ、膝をついちゃいかん。」
 と、小滝の直登は無理と見て、側面のザレ場を登っている道子さんに、哲郎
 さんの激が飛ぶ。
(そうか、膝をつくと靴の部分にかかるトラクションが抜けて、すべりやすく
 なるわなぁ。)

 さて稜線に登りつめ、どこがピークかわかりにくい「天狗峠」にも足を運び、
 あとは「三国岳」と進む途中で飲水休憩をとったあと、踏み跡が薄いと言え
 ど、またまた違う尾根に進みかけた小てつに、哲郎さんが待ったをかける。

「調子良く歩いているときはいいんですが、ザックを降ろして休憩するとやら
 かすんですよね〜。」

 と、頭をかく小てつに、今度は道子さんが、

「じゃ今度から、休憩するときは、進行方向を向いて休憩するといいね。」

 とのお言葉が・・・。
 違う人から同じ言葉をかけられたら、「何をおちょくっとるねん。」になり
 そうなことでも、道子さんに言われると、「そやな〜。」と妙に納得してしま
 うから不思議だ。これは道子さんの人柄であり、人徳だと思う。

 さてまた10日前に来た「三国岳」のピークを踏み、賢いワンちゃんとも別
 れを告げて、最後の探索ルートだった「久多ルート」に降りる。しかし、こ
 のルートも桑原側の「下壷口ルート」と同じ坂道一辺倒の、登りには使いた
 くないルートだった。やはり登りに使うなら、途中でひと息入る「お茶屋跡
 ルート」が一番だろうと「久多の演習林小屋」の林道に降り立ち考えている
 と、林道脇にあった切株を利用して作られた看板を見ていた哲郎さんから声
 がかかる。

「これは参考になるから、写真を撮っておいたほうがいい。」

 見てみれば、なるほど地図には載っていない道の名前やら書いてある。

「小てつさん、お茶屋跡を乗り越して、道があったように書いてある。
 今度、探索してみたら・・・。」

(げげっ、それってもしかして・・・・。)

 地図を見れば等高線の幅はなんとか行けそうな。


 哲郎先生の三国集中講座にて、エライ宿題もろてしもた〜   という話



                        【 記: 小てつ 】

切株を利用して作られた看板