2010年2月17日(水) 小てつ
「先生、たんぽぽの花が咲いていたよ。」
「ウソウソ、○○ちゃん、こんなに寒いのに、たんぽぽが咲いている訳ないわ。
たんぽぽは春に咲くのよ。」
これは小てつが仕事で出入りしている、耳の不自由な子達が通う学校の
校内で小耳にはさんだ会話。まだ1月の頃の話。
実は小てつは「たんぽぽ」に関してだけは、同定などできたりするほど思い
入れがあったりして、狭い屋上に野菜用プランターで栽培していたりする。
満開に咲くたんぽぽの横で、いつでも昼寝ができるんじゃ?と、始めた栽培
だったけど、「日本たんぽぽ」にこだわって栽培したものだから、花期が短く、
また、一斉に咲くと思っていたのが、実は順々に咲くこともわかり、何より、
晴れた日中にしか花を広げないので、
晴れ+休み+短い花期
の組み合わせで、満開の時期に昼寝が実現できたのは、ここ十年ないんじゃ
ないかという始末。
たんぽぽに思い入れのある人は結構いるらしく、東京のある大学教授が、
それこそ家中たんぽぽにしようと、外壁に植え込んだのだそうだ。
結果は、小てつ同様、一斉に咲くことなくガッカリだったそうだが、何とも
夢のある話じゃないかと思う。
十数年前に、まだ「水尾小学校」があった頃、それも仕事に行っていて、
当時の管理用務員の方と話した思い出がある。
「ここは日本のたんぽぽの聖域や。
西洋たんぽぽも、まだここまでは上がってこれん。」
その当時の管理用務員さんは、大変花好きで、保津峡からの車道の脇にも
所々に花壇を作られていたりして、たんぽぽにも知識を持った方だった。
その「聖域」も、もうしばらく前に、旧道と車道の分かれ道に、ごっつい
西洋たんぽぽの株を見つけてしまった。
柊野のある場所に、あぜ道の東西に分かれて東には西洋たんぽぽ、西に関西
たんぽぽと、くっきり分かれて咲いていた場所があったが、不思議な光景だ
った。今はどうなっているだろう。
関西以東出身の方に、たんぽぽの花の色を聞くと、「黄色」と答えるそうで、
以西の方に聞くと「白」と答える。四国、九州地方は「白花たんぽぽ」が多
いからだそうで、この「白花たんぽぽ」は、それよりもっと白い、「対馬たん
ぽぽ」と「関西たんぽぽ」のハイブリッドだそうなので、たんぽぽの交配事
情も複雑だ。
たんぽぽの綿毛による「永久綿毛造り」も、去年、極一部の間でブームと
なった。小てつが発祥で、そこらに伝授したにも関わらず、喫茶店のおかみ
さんには、すごく上手に造られてしまい、本家は顔なしだった。
さて、話は最初に戻ります。
そんな事情と元来の性格から、黙っていられない小てつ、すかさず先生に、
「先生、本当ですよ。日当りの良い場所なら、冬でも花をつけるんですよ・・・。」
先生には、「なんじゃ、このオヤジ・・・・」と、また思われたか知れないが、
○○ちゃんは、小てつの口を読んで、にっこり笑ってくれました。
たんぽぽの話
【 記: 小てつ 】
|
周山 2010.1.30撮影
|
|