「小てつのよも山話 番外編7」
「なかなかやりよる山ア麺二郎」


一躍「行列のできる店」の仲間入りとなっている



2010年4月20日(火)        小てつ








 よも山話番外編第1話で登場のラーメン店「山ア麺二郎」、その後、テレビで
 紹介されたり、ラーメン情報誌の紙面のトップを飾るなど、ありがたい評判
 を受け、一躍「行列のできる店」の仲間入りとなっている。

 小てつとしては、うれし痛しで、味わっている後ろから並ばれたんじゃゆっ
 くりもしていられないから、客足の鈍る雨の日を狙って通ってたりする。
 別段、大将と(小てつ家では、既に御主人から大将に呼び名が変わっている。)
 駄弁る訳でもないけれど、気ぜわしいのはかなわない。

 さてそんな「山ア麺二郎」がこの2月で開店一周年となり、小てつはガラに
 もなくお祝いの花など差し入れたりしたんだが、でっかい花は邪魔になるか
 ら、テーブルの隅っこにでも置いてもらえて、さりげなく気がつきそうな小
 さいものにした。
 開店当初の花は当たり前だけど、一年、二年経ってから祝ってもらえるほう
 が、その地に根を下ろした感じでうれしいだろうと思い差し入れたんだが、
 大将にはどう思ってもらえただろう?
 
 それからひと月あまり、雨と外食のタイミングが合わず、久しぶりに次女と
 二人だけで外食の機会になり、それじゃあと大将の店に足を運んだ。
 いつものように「しょうゆラーメン」「替え麺」「チャーシュー飯」を注文し、
 大将の真剣なラーメン創りを拝見し、「お待ちどう様」と出されたラーメンの
 鉢の中を見ると、何といつもと違う風景があったのだ。二人のラーメンの中
 には、「煮たまご」が乗っていた。

 皆さんは、この「煮たまご」を、どう思われるだろうか?単純に、小てつの
 祝い花に対する「おまけ」ととられるだろうか?
 小てつがその昔ラーメン店にてアルバイトの話は番外編で書いたとおり、普
 通、ラーメン店にて「おまけ」の場合、チャーシュー多めが基本なのだ。
 この「煮たまご」トッピングは、あきらかに異質となる。

(おいしいから、いっぺん食ってみろ・・・)

 口には出ないが、大将の自信の目がそう言っている。
 料理をする人にならわかってもらえるが、簡単な料理ほど奥が深くて難しい。
「煮たまご」なんか特にそうで、おいしくてきれいにつくるのは相当の腕が必
 要になる。

(大将、若いのにやるやんけ・・・)

 小てつの心の声である。この大将、和食の道の修行もやっているとみた。

 で、「おいしく煮てあります。」と言い伝え、お勘定を済ませ、店を出る。
 そんな流れの中、感のするどい次女は、

「パパ、今度から「煮たまご」トッピングせな、おいしくなかったと思ってる
 と思われるで。」

(むむむ、いつもながらするどい。その通りや・・・。
 山ア麺二郎め〜)

 一杯のラーメンの中に、店主と客の真剣勝負、山ア麺二郎やりよるやんけ〜

(そんなたいそうな〜って???)


 しかしながら山ア麺二郎のラーメンには、「大将の思い」も乗っております。
 どうぞよろしく。
                            という続編話


                        【 記: 小てつ 】





この2月で開店一周年となり