芦生/櫃倉谷から杉尾峠


 
L字のトチノ木


2011年7月16日(土) 快晴  森の旅人M

コース:
須後から櫃倉谷を遡り杉尾峠をピストン
須後〜落合橋〜櫃倉林道〜櫃倉林道終点〜横山峠〜中ノツボ出合〜坂谷出合〜権蔵谷出合〜ロクロ谷出合〜スベリノ谷出合〜杉尾峠上り口〜林道櫃倉谷口〜林道杉尾峠口〜杉尾峠





 今年は例年以上に早い梅雨明けとなり長い夏となっている。暑さを避けて涼しく過ごすため芦生・櫃倉谷に行ってきました。

 駐車場に着くと,1台も止まっていない。珍しい,夏の低山歩きは人気がないのか。そこへ1台入ってくる,夫婦連れでそれも軽装姿で現れてトロッコ道のほうへ歩いていった。山歩きではないようだ。

   研究林に入り,内杉谷林道入り口のチェーンをまたいでスタート。左手の川を見ると明らかに水量が少ない一安心である。林道脇の雑草を見ながら歩くものの花が見当たらない,時期の過ぎたコアジサイが目に付く程度。落合橋に到着,ここから櫃倉林道に入って行く。林道終点に着くと例によって長クツに履き替える。数多い渡渉だが今日の水位だと要らないかも知れない。

   櫃倉谷探索はこの林道終点から始まる,横山峠に向かうため右手の対岸に渡渉する。渡渉後は斜面の細い山道を登っていく,平坦な林道歩きからこの斜面の道はギアの切り替えが必要だ。

櫃倉林道終点 横山峠
中ノツボ谷 坂谷出合

 横山峠では心地よい風が吹き抜ける,そして中ノツボ谷へ下っていく。小広くなった合流部に降り立つと林道歩きの風景から一変,トチノ木の大木も眼に入り深山に入ってきた雰囲気となる。中ノツボ谷上流を見ると谷一杯にテープが張り巡らされている。入谷禁止の札がぶら下がっている。しかし理由は不明だ。櫃倉谷本流に戻り上流に向かい坂谷出合へ。渡渉の連続であるが,良く見ると道は対岸にも付いているが注意の要るところである。やがて標識のある坂谷出合に着く。

 坂谷付近から大岩と共に倒木も多くなる。谷沿は日差しが軟らかく暑さは余り感じない。川にはハヤの群れが見える。さらにアカバラが浅瀬を動き回っている。L字になったトチノ木を見る,この先も渡渉を繰り返す。本流にあるナメ滝を迂回するため谷から離れ谷を高巻きする。そのナメ滝を眼下に見て先に進むと本流に戻る。ここまで来ると権蔵谷はすぐだ。権蔵谷で時間は早いが昼食を摂る。鳥のさえずりだけ聞こえる静かな時間が過ぎる。

 昼食後,遡上を続けると櫃倉谷では珍しい小広い場所に出る。ミズナラが多数見られ落ち着いた風景である。ロクロ谷,そしてスベノ木谷を左に見て先に進むと右手に若い杉林が見える。谷合流部が現れる,地図でも分かり難い位置であるが左手に進む,ここからは谷も狭くなり鬱蒼とした谷筋になる。すぐに左手からの谷を見て,少し歩けば最終谷分岐になる。左の谷に入ってすぐの所が杉尾峠の上り口である。珍しく黄色いテープが掛かっている。

本流ナメ滝 権蔵谷出合上流
櫃倉谷最後の二股 杉尾峠登り口

 今日は,ここで戻るつもりであったが,時間が早いので杉尾峠に向かうことにする。いつも下ってくる杉尾峠への急斜面を初めて登ることにする,直登に近い道を長クツで登ることになった。登り始めるとすぐに汗が吹き出てくる,息も荒れるが快調に林道に飛び出ることができた。目印のポールが立っている。

杉尾峠へ 杉尾峠

 杉尾峠へは林道杉尾・権蔵線を左に向かうと上り口がある。丸太で作られた階段を上ると,尾根に辿り着く。尾根筋の山道に従い進むと杉尾峠に到着する。青空からすっかり曇り空になりヒグラシの大合唱で迎えられる。北側にある杉の植林が伸びて,以前見えていた日本海方面も見ることはできなくなってきた。

 杉尾峠から復路も同じ道で須後に戻るため,林道から急斜面を櫃倉谷へ下る。曇り空から日差しが投げかけられると,明るい森になりヒグラシの合唱も途絶える。ロクロ谷出合手前で胴体がブルーのトンボを見かける,川原の近くの岩に止まったのでカメラに収めようと近づくとすぐに飛び去る。しばらく様子を見ているとまた岩に止まったので慎重に望遠で撮りながら接近する。結構近くまで逃げずにいたので撮ったのがこの写真です。

テンナンショウ ハグロトンボ?

  坂谷出合近くで休憩すると,朝に通ったのに気づかなかった自然の技を見ることができた。目の前の一本の木に倒木が絡まり大きな三角形を作っていた。いろんな自然美を見せてくれる。

大きな三角形 権蔵谷出合から櫃倉谷下流

  横山峠から櫃倉林道終点に戻り,須後までの長い道を歩くが結局,誰一人会うことのない山行でした。駐車場は5台止まっていたが,人出は少ないようでした。