芦生 岩谷峠から岩谷


 
カツラの大木


2011年10月9日(日) 快晴 森の旅人M

コース: 朽木古屋〜倉ヶ谷分岐〜岩谷峠〜岩谷上流〜岩谷由良川出合〜岩谷上流〜岩谷峠〜倉ヶ谷分岐〜朽木古屋





 芦生の由良川支流である岩谷に初めて行ってきました。東の地蔵峠から入林禁止のため,三国峠登山経路である岩谷峠から入谷しました。人が余り入っていないため自然そのものが残っているようでした。

  早朝7時半,朽木古屋は霧の中,村落はまだ寝ているような感じがします。準備をしていると中年の男性が散歩なのか通っていきます,顔があったので頭を下げると,先方も下げて挨拶を返してくれました。

 三国峠登山口から岩谷峠を目指します。辺りの視界を遮っていた霧は林道を10分ほど歩くと晴れてきて快晴の天気になりました。倉ヶ谷分岐で本流の左の谷に入って行きます。すぐの所に水道施設があり,杉の植林地になっている林道が続きます。コンクリート舗装の上を沢水が流れるようになっている箇所が6箇所あります。今日は水量が少なく問題なく渡り終えました。4つ目のコンクリート舗装を通過した先が谷分岐で三国峠への標識が立っている。林道もここまで,左の谷に入って行きます。

霧の三国峠登山口 オームの木

  コンクリート舗装を5つ目,6つ目と続けて通過するとこの先は本格的な山道になり,渡渉を繰り返して次の谷分岐から三国峠への尾根道に乗るため上り坂が始まります。尾根稜線に乗ると上り坂が岩谷峠まで続きます。道は雑木で展望は無い,途中でアキチョウジが目に入りました。変形した「オームの木」があり「一石一字塔」を見る所になると,すぐに岩谷峠だ。

岩谷峠 岩谷へ

 岩谷峠はスギ林の中,岩谷へは三国峠登山道から離れ,道のない谷へ入っていく。複数の倒木があり入谷を拒むかのようだ。道は見当たらないので倒木を迂回するように左手斜面に上がる,続いて根っこからの倒木があり倒木の下を潜り抜ける,その先は通った跡がある急坂を滑るように一直線に下りていく。コアジサイを掴み滑り落ちないように支える。さらに別の根っこの倒木の横を通り下っていく。下りがこれだと上りはもっときついだろうなと思いながらの下降である。

 ようやく一本杉の手前に出て止まる。下方が見通せる状況になる。ここからは右手に移動しながら急斜面を下っていく。滑りそうになりながら約30分掛けて岩谷に到着。思ったより谷は狭い,人が余り入っていないためか落ち着いた雰囲気がある。下りて来た方向を見ると改めてすごい急斜面であることが分かる。

根からの倒木 下ってきた急斜面
岩谷上流部 トチノ木

 ここで谷歩きのため持参した長クツに履き替える。下流に向って歩き始めると,この谷一番のカツラの大木に出会う。真っ直ぐ伸びた大木は自己主張しているようだ。岩があるところは少し高巻き気味に歩く,数箇所左から脇谷が入り込む。芦生で見られる風景だが,トチノ木など大きな樹木と落葉の色合いが落ち着いた深山の雰囲気を醸し出す。緩やかな流れが続き,渡渉を繰り返す,倒木もあるものの無理なく谷は下っていける。やがて谷合流部,支流部を見ると倒木が折り重なり荒れているようだ。ここから由良川本流までは岩に自生した樹木が数箇所見られた。左手から稜線が入り込み狭くなった先が由良川本流出合だった。

脇谷の入り込み 谷塞ぐ倒木
由良川本流出合 対岸から見た岩谷出合

 対岸に目印の岩積みが見える。岩谷から本流への流れ込み地点は深く,とても長クツでも渡れそうにない,下流にある岩から浅瀬へと歩き無事対岸へ渡った。深いところは長クツでもぎりぎりでシューズでは無理でしょう。

 岩谷は大きな四角い広場がありブルーシートのテントが張ってありました。時期遅れのキタヤマブシが咲いています。10時半ですが早い昼食を摂ります。昼食後ゆっくりしたかったのですが,ルート探索に出かけました。一つは中山方面,もう一つは大谷方面の道の確認です。中山方面は,岩谷にせり出している稜線に道がついておりしばらく歩いてみました。高巻き道になっており,川に沿って続いています。太い倒木のあるところまで歩きましたが,逆から来る場合,ここで少し迷いそうです。

岩谷広場 中山への道
アキチョウジ 岩谷にてキタヤマブシ

 岩谷に1時間の滞在ですが,再度岩谷峠を目指し戻ります。対岸に渡り左岸に道があるのを目にしたため,大谷方面の道と思い少し辿ります。道は薄いが先に続いていることを確認し戻りました。次回,機会があれば更に先に進められたらと思いながら由良川本流を離れ岩谷を溯りました。岩谷峠直下までは道を知ったため下りより早く着きました。

 岩谷峠までは,大変でした。急斜面を木の根っこ掴みながら登り,なお滑りながら息を切らせてようやく到着しました。もっと楽な道はないものかと思うばかりですが,この険しい道が逆に入り込みにくいため自然があると思い納得するばかりです。

 後は,しっかりした山道を古屋まで下りました。樹木の紅葉はまだでしたが,古屋のススキの穂も伸びきり秋本番をこれから迎えます。目的の由良川本流まで谷歩きが出来て満足の一日でした。