大見町〜P822〜P877〜小野谷峠 周回


小ぶりのも大ぶりなのも美しい



2011年4月17日 (日)快晴        小てつ

コース
大見町 尾越への三叉路手前の空き地に稲妻号デポ〜蛇谷〜P822〜林道出会い〜大見尾根〜P877〜P771〜小野谷峠〜デポ場






 震災の後、表向きには変わりなく山行されている方、ブログもしばらくストップされた方、感じ方表し方は人それぞれだろう。小てつはどうやらあまりのことに固まってしまったようで、仕事の忙しさは今年の5倍だった去年ですら、この時期幾度かは山行していたのも関わらず、今年はこのひと月の間、山には入れず、入る気にもならず。

 何もなしでは夜中に目覚めてしまうので、朝までバタンキューのためについつい深酒になり、量が増えると安酒となるため体には二重に悪く、そんな肝臓の毒が頭までまわったのか、気分もさらに沈んでいた。

 そのような中、近所の真弓出身の方の奥方と立ち話の中、彼女は実はとある病院の看護師長をされており、部下に○○適齢期ギリチョン?の女性が多数いて、小てつの知り合いに誰かお相手適任者はいないだろうか?という話が出た。

 ふと思いつけば、軽トラ救出劇の際に4駆軽トラを借りた植木屋の息子さんが、男前でやさしい子であったから、かたっ苦しい「お見合い」じゃなんだから、「合コン山行」を企てようとなったのだ。

 そうなれば山の案内は当然小てつがする訳だが、案内役がフラフラじゃどうにもならんということで、決行前に体も頭もリハビリと、うってつけの場所に行ってきました。

 前置きが長くなってしまいましたがこの「大見のお鉢まわりコース」、地図で見るより超難解。特に花背峠から大見町に至る「鯖街道」の林道より東側の尾根には、全く道も踏み跡もありません。ピークも尾根もわかりにくいため、「山の頭」に戻すためのリハビリのコース取りです。

 久々の山行ということで興奮していたのか、6時前には目が覚めてゴソゴソ起きだし7時前に家を出る。いつも立ち寄るコンビニでおにぎりを仕入れ、いざ大原方面に。今日は朝から快晴で、おかげで冷え込みが厳しく、大原の道路温度表示は1℃と出ている。

 大原を抜け百井方面に新しくできた信号を折れる。ナッチョの登山口の入山禁止の看板はそのまま、シャクナゲ尾根の登山口の林道進入口に何やらカラーコーンで通せんぼがしてあるが、帰りに確認することにして先へと急ぐ。

 前ヶ畑峠には傍らに雪が残り、百井の村落に着けば田んぼの様子が変貌している。あぜ道に車が入れるように農道が整備されたようだ。ナッチョを蓑谷から取り付くのに、またあぜ道のルート取りを見つけなければいけない。

百井の農道 人気のない大見の村落

 7時40分には人気のない大見の村落に到着できた。人気はなくても、いつもの「登山者です・・・。」のカードをダッシュボードに置いて、いよいよ歩き出す。

 三叉路手前の空き地から分校跡に向かってしばらく戻り、分校と反対側のロープで通せんぼしてある道に入らせていただき、橋を渡る。大見川沿いに下流に向かい、小さな流れ込みが合流してくるところが「蛇谷」である。「蛇谷」となっているが別段蛇が多い訳でもなく、小てつはここで蛇を見かけたことはない。

 地図で見れば、最初から尾根に乗れば良さそうだが、実際は結構急峻なところなので、これまた地図で見るよりは傾斜の緩い、「蛇谷」をつめたP822手前の鞍部を目指して谷を遡行する。また蛇谷には、「キコリの道」らしきものがところどころ残っているので、まだ歩ける谷だからということもある。

 本当に今日は'抜けるような'と表現するのが適当なほどの青空で、昨日の土曜日に山行された方々には申し訳ないと思うほどだ。そのような青空に、「タムシバの花」はよく映る。そう、実はこのコース「タムシバお楽しみコース」でもある。以前グループで訪れた時に、取り付きを間違って往生したのだが、間違ったおかげで、この山域にはタムシバが非常に多いところだということを知ったのだ。

 いくつかある右手の谷の出会いを伺い、つめれそうな谷を探す。地図でいけばP822の北の広い鞍部のところがドンピシャなのだが、そうはいかず、いつももうひとつ北の鞍部に出てしまう。何度か来ていて、いつも途中で気付くのだが、ええわいと稜線まで登り、小さいピークをひとつ乗り越す。

抜けるような青空に タムシバの白 飛行機雲の白

 ここらへんの稜線には、木に赤ペンキが吹きつけてあったりするが、どうやら登山者がつけたものではないようだし、途中でなくなるから全く信用してはいけない。自分の目だけ頼ることだ。とにかく一番高いところを目指せばP822に到達できるので、がんばって登る。

 P822に着き小休憩、例によっておにぎりをひとつパクつく。ナッチョも皆子もまだ少し雪を持っている。でもって、南方面、陸地谷を見れば「タムシバの桃源郷」である。多分京都北山では、ここが一番多いところではないだろうか?と思う。あいにくP822は開けた場所がないから、写したデジカメ写真はこずえの間からのばかりで、適当なのがないのが残念だけど、どうせコンデジ写真じゃその凄さは伝わらないわからない。

 少し前のNHKで、奈良の吉野の桜をパラ飛行機で低空撮影したのを放送していたが、桜よりタムシバの方が、花が大型の分、鮮やかに山を染めていると思う。とにかくここは凄い。

ヤドリギも多いです 当然 熊棚もあり

 そんな陸地谷の景色に見とれてか、たどる尾根をふたつほど間違って、北方向にトラバースにつぐトラバースとなる。全く似たような景色、同じような尾根のくだりかた、広がりをしているので、うっかり降りすぎて気づくというのを繰り返し、どうにか林道にたどり着く。

 まだ11時だったけど陽も当たり、お腹もそこそこすいていたのでラーメンをつくり食す。まだ「サッポロ一番みそラーメン」がおいしいのは寒い証拠、例年ならこの時期「出前一丁」か「マルタイラーメン」にするか悩む時期だ。

 さて、今度は大見尾根へと取り付く。向かいの掘れた昔の道の脇の崖によじ登り、谷にジープの捨てられた、「ヌタ場」と呼ばれる林道のドタドタのカーブを見下ろして一旦P845まで行って北に転進、尾根をたどる。

林道の様子 もう4輪じゃ走れない? 小野谷峠には残雪多し

 P877までは比較的迷わないところだろう。見下ろせば花背の町も見えるところがあるし、雲取山の稜線が見えるから安心である。問題はP877から先、厳密にはピークの二つ目。ショッキングピンクの林業のテープが北に向かっている。つられないように北西の広い尾根に降りなければならない。

 P771付近からは桑谷山がはっきりわかるようになり、送電鉄塔を見て、先は「原発」と複雑な気分に・・・。

 P771から小野谷峠までは、テープよりずっと信用のおけるプラスチックの赤い境界杭が道案内をしてくれる。最後ドンピシャで小野谷峠に降りるのは急坂なので大見側の傾斜の緩いところを選んだほうが良いだろう。小野谷峠には、たくさんのテープが残る。

湿地帯

 峠からデポ場まで広がる湿地やカヤ場の景色を楽しみながら歩く。「八丁平」も昔はこんなんだったんだろう。今じゃこっちのほうが希少生物いそうだけど・・・。途中の水たまりでは、もうおたまじゃくしが泳ぎ、カエルの産卵と孵化は去年より早い。峠から40分弱でデポ場に到着。

 今日の歩きは大見三叉路デポ場 出AM7:50 着14:10 (途中は進路がずれたり、修正したりで参考にならず。)

 帰り支度を整えて大見の村落を後に、途中の水場で持っていた容器の分だけ湧水を汲み、百井を抜けシャクナゲ尾根の取り付きの様子をうかがおうとすると、丁度一人の男性単独登山者が降りてこられたところでした。話をうかがえば、シャクナゲ尾根自体は歩けるそうで、林道の奥のほうの伐採が行われているため、その旨を伝えるカラーコーンの通せんぼでした。ただ残念ながら、今年はシャクナゲ尾根につぼみは少なかったそうです。

 ついでですからとその男性を稲妻号にお乗せし、いろいろと山の話をしながら出町柳までお送りしました。



                          小てつレポ