三重ヶ嶽 長尾〜ノトマタ 周回(NO.10)

いくらかは咲いていて


平成23年9月11日 くもりのち晴れ   同行者JOEさん 小てつ

コース
河内川林道ゲート前稲妻号デポ 8:50 〜 東屋 9:15 〜 三重ヶ嶽長尾登山口 9:25 〜 P698 10:10 〜 P844 11:00 〜 三重ヶ嶽ピーク 11:40 〜 北の草稜で食事 〜 本谷別れ 13:00 〜 ノトマタ登山口 13:35 〜 林道ゲート 14:00





 6月にJOEさんと「三重ヶ嶽」から「大御影山」を御一緒した際に、河内川林道脇に大量の「北山ブシ」を見つけた。全部の株に花をつけなくても、秋にはすごいことになっているだろうと楽しみにしていた。今年は雪が多かったせいか、どこの花も時期がずれ、例年通りには咲いていないが、もういくらかは咲いているだろうと、訪ねてきました。


 去年の残暑とは違い9月になって朝晩は少し涼しくなり、朝のバス停にはザックを担いだ登山者の姿も見えるようになった。いつもの待ち合わせ場所、烏丸御池の地下鉄出入り口にも、同じように待ち合わせして山行されるグループがあった。7時15分丁度にJOEさんがこられ、「本日もよろしく。」と、出発。

 かなり安全運転の他府県ナンバーの先行車のおかげで、到着は遅れると思っていたが、いつもと変わりなく9時前にはゲート前に到着できた。石田川ダムや河内川林道も台風の影響もなく走れました。

 車で石田川ダムから河内川林道に行こうと計画されている方に情報ですが、石田川ダムの管理舎から奥に入られる際に、管理舎から約100メートルくらい進んだところにパッと見ではわからない段差があります。滝水を流す目的でされているのか、暴走族の侵入防止対策なのかはわかりませんが、「段差注意」等の看板などありませんから注意してください。15cmくらいアスファルトが溝状になっていて普通のスピードで侵入すると、えらいことになります。

 さてゲート前から林道を戻り、東屋に着くと20名くらいのグループがおられ、登山準備をされていた。多分バスをチャーターして来られたのだろう。その中の男性に「今日はどちらへ?」と聞くと、「高島トレイル。詳しいことはリーダーに聞かんとわからん。」と言われる。すぐ近くにリーダーと思われる女性が、「三重ヶ嶽から武奈ヶ岳をまわります。」とおっしゃるので、「林道から入られるのですね?」と言うと、その通りでノトマタから入られると言うので、「最初のとっかかりがわかりにくいので、気を付けてください。テープもありませんし、登山道は登山口から左にありますから・・」 と言っておいたのだが、後で「な〜んや」のこととなる。

ゲート前に先客が一台 長尾登山口

 我々はもう少し車道を戻り、長尾尾根の登山口に向かう。登山口にはりっぱな杭標識がたてられているものの、とっかかりはけもの道のようなものである。 しかし少し登れば、意外にしっかりと踏まれた道となり、地元では「山上ヶ嶽」と呼ばれ、通常はこのルートで登られていたというのもうなずける。

 標高差200mほどの奮闘となるが、途中で「ヤマジノホトトギス」や「ツチアケビ」が足を止めさせてくれ、荒い息を継ぐ。ピークをまいて道が切られていたり、適度にギザが切られていたりで、標高600m付近では、深く掘れた溝の中を歩くことになる。稜線に出れば、河内谷より涼しい風が抜け、尾根に出たことがわかる。

花期の長いヤマジノホトトギス 今年初めて見るツチアケビ

 今日は予定の歩行距離も短いので、ゆっくり行きましょうと二人で決めていたので、ゆっくりと長い尾根を楽しむことにする。雲がすごい勢いで流れていくから、ゆっくり登れば丁度ピークに着くころ晴れるでしょう。と、前回「三重ヶ嶽」から「大御影山」をまわった時に、うまい具合に我々が歩く方歩く方のガスが晴れたことを引き合いに出し、ポジティブに考える。

 この尾根では標高750mくらいでブナが現れ、クマの仕業と思われるひっかき傷が多数の幹に残る。ブナからリョウブに変わり下草が出てくるとピークは近い。と、ここで単独男性と会った。石田川ダムから「武奈ヶ岳」に登り、ここまでまわってこられたという。そういえば神戸ナンバーの車がありましたねと言うと、それですとおっしゃる。今日はここから長尾で降り、車道を石田川ダムまで歩くと言われ、想定の時間を聞かれるので、3時間はかかるでしょうと答えた。では気をつけてと別れて先に行けば、ノトマタとの合流点で、東屋で会ったグループと丁度再会した。いくらこちらがゆっくり来たとはいえ、がんばって登ってこられたんだと感心した。

ブナの幹に傷 丁度晴れた草稜から海

 グループはそのままピークでお昼にするようだ。我々はピークを乗り越し、ひとつ北の草稜の中の空き地で、海をながめながらのラーメンタイムとする。 ピークは目標地点だろうけど、そこで弁当を広げなくても・・と思う。ましてグループならなおさらだ。他に登山者が登ってこられるかもしれないし、少しはずすべきだと思います。なんて話ながら、以前Hさんと御一緒したときに電車の中でピッケルさしたままの大型ザックを担いだままのグループがいたことも話し、「とんでもないグループもいますねぇ」となった。

 ラーメンが炊き上がったころに、JOEさんからうれしい差し入れ、小てつの運転のことを考えてノンアルコールビールである。いつもは本物のビールを担いであがり、頂上でプシュというのを楽しまれているJOEさんも、お付き合いのノンアルコールですみません。それに食後にはコーヒーも入れて下さり、小てつより'マメ'な人間がこの世にいるということを親族が知れば、「京都は恐ろしいところだ。」とみな驚愕するだろう。

 ずいぶんゆっくりお昼をさせていただき、三重ピークの方も静かになり、グループはもう武奈にたっただろうと戻ると、今度は10名ほどの別のグループがおられ、聞けば長尾から登ってこられたと言われる。我々の少しあとから来られたようだった。下山は本谷に降りられると言われた。

 我々は先にピークを後にしたが、ピーク直下の見晴らしの良いところで大御影山や大谷山、乗鞍などの同定をしていると、グループに先を越されてしまった。そこで当初は我々も本谷に降りるべしであったのだが、ノトマタで降りることにし、分岐を右にとる。そう言えば、前回二人は本谷から登ったので、JOEさんもノトマタのルートは初めてとなるから、逆に丁度良かった。

竹生島 大御影山

 ノトマタルートは去年の秋以来で、このルートはシャクナゲが有名だけど、去年の秋にはつぼみも少なく、春の期待はできなかったのだが、今年はたくさんのつぼみをつけていて、来年の春が期待できそうだ。特にここらあたりのシャクナゲは、雪のせいだろう木丈が低く、花を近くで見られるのがすばらしいところだろう。

 と言っても今は何の花もなく、あっと言う間に最後の植林地に降りてくると、何と植林地のギザ道にテープがわんさかあるではないか。去年の秋から今日までの間に、誰かが着けたのだろう。これなら誰も迷わないだろうけど、一応植林なんですけどねぇ。針金よりはマシだろうけど、テープでも樹木の表皮は巻かれたところが腐ってしまい、木にとってはダメージがある。そんな大げさなと思われる方は、一度めくってみるといい。数年経ったテープの下の木の皮は腐ってしまっている。まぁわかりにくいところや、訪れる人が少なくて、すぐにブッシュになって登山道がどこなのかわからなくなるようなところなら、致し方ないのかも知れないけど。

 林道に降り立ち、期待していた「北山ブシ」だったが、ほとんどの株は焼けたように枯れているし、かろうじて残った株もまだつぼみのものが多い。ここの花も2週間は遅れているようだ。それでもいくらか咲き誇った株があり、少しでもあるとないでは大違いと、納得する。

 ゲートに着き、後始末をして、今度は小てつがお返しのサービス、'本物ビール'である。小てつは氷水。

 林道を戻り、石田川ダムに向かう。そう言えば、ピーク手前で会った単独男性はどうなったろう、今頃丁度アスファルト道を歩いているんじゃないかと話していたが、それらしい人影はなく、「まさかもう車に・・」と言うと、JOEさんは「そんなのは'超人バロムワン'ですよ。」と言われる。二人とも、この'超人'と言う言葉には、'バロムワン'がセットな年代であるらしく、うれしくも盛り上がる。

 石田川ダム近くの武奈登山口には、もう既に神戸ナンバーの車は無く、まさしく今回の山行は'超人バロムワン'に遭遇した山行でした。 。


                           【 記: 小てつ 】