醍醐・天下峰から宇治・喜撰山へ




平成23年1月22日(土) 晴  長岡山人 (山歩きグループ7人)

コース:
JR六地蔵8:03発−日野薬師−方丈石−供水峠−天下峰−炭山−笠取第2小学校−関電巡視路−養鶏場−喜撰山ダム湖−喜撰山−仙郷林道−天ヶ瀬森林公園−天ヶ瀬ダム−白虹橋−興聖寺−JR宇治駅16:40




 北山の雪を避け、グループでおしゃべりしながら、1日かけて歩くのには良いコースである。JR六地蔵を8時過ぎに下車。一人なら地下鉄に乗り換え、日野まで一駅乗るのだが、グループなのでタクシーで日野薬師(法界寺)まで行った。外からお参りし、その後ろにある日野誕生院(親鸞聖人の誕生の地)もお参り。おりしも京都新聞で五木寛之の連載小説が始まったことから、ひとしきり親鸞の話題になる。

日野誕生院(親鸞聖人の誕生の地) 長明方丈石石碑

日野誕生院の前の道を北に30mほど行くと道路が交差し、東南角に「方丈石」の標柱が立つ。右折し登っていく。森の中の道に入るとすぐ「京都市日野野外活動施設」がある。前に付近の登山地図掲示板がかけられ、網の目のような登山道の手入れに努めておられるようだ。

少し行くと道は分かれ、「方丈石」の案内板に導かれて登っていく。中腹に、鴨長明が庵を結んだ跡という「方丈石」という巨岩がある。しかし庵を結ぶにはあまりにも山奥の感じがするとおしゃべりする。稜線に出る手前の平地に、多数の石仏が並んでいる。よく観察すると、左の方に1体、ちょんまげを結った石像がある。(石仏ではないな。渡辺歩京さんの『北山の道3』(供水峠)に教えてもらった。)

 そこを過ぎるとまもなく供水峠(こうずいとうげ)である。9時40分。(そこから北に5分登ると日野岳であるが、展望はないので行かなかった) そこから南に稜線をたどる。道は良く踏まれ歩きやすい。まもなく天下峰に着く。天下を取った秀吉が桃山城から毎日眺めたとか。北峰と南峰が続く。南峰を過ぎると急な下りになる。下った鞍部から道は左方に山腹を巻いていき、南南東に伸びる尾根に乗っていく。

 道は府道242号の峠部分に降りていく。府道を歩くのが嫌だったので、降りる直前に左(東方)にのびる尾根に乗った。府道に並行している。途中までは踏み跡があるが、すぐなくなる。しかし下生えは少なく、歩きやすい所を選んで尾根に忠実に降りていくと、道路が三叉路になったところに降り着く。

 そこは炭山地区で、陶芸村となっている。手前には炭山工芸村という連棟式の工房がある。窓越しに作陶風景も見られる。展示コーナーを設けている家もあるので覗かせてもらう。その下には、袋小路の両側に陶房が並ぶ協同組合炭山陶芸がある。入口にお店があるので覗かせてもらうが、こちらは作家さんが多く、やや値段が高くなる。メンバーには焼き物を趣味にしている人もいて、しばらく時間を使う。

 炭山集落の南端の橋を渡って、笠取第2小学校の方に登っていく。小学校の裾に、風が防げるかっこうの日だまりがあったので、11時10分とやや早かったが昼食にした。小学校を過ぎると、右手に小屋がある。その小屋のやや上手の山すそに、関電巡視路の矢印表示板がかすかに見える。ここがポイントである。そこに向かって田の畦を渡り、巡視路に取り付く。

 道は良い。しばらく進むと急登になる。しかし5分少々で平坦な作業道に出、それを南に進む。上には送電線が見える。左にカーブして峠状の地点にさしかかり、越えると道が分かれる。巡視路は右上方に進んでいくが、ここは左を取る。左は道を倒木がふさいでいるが乗り越えて進む。まもなく右下には養鶏場が見える。その先で舗装道路に出、喜撰山ダム湖が見えてくる。橋を渡って、ダム湖に沿って進む。

 道がダム湖を離れて下る手前を、フェンスに沿って進み、山に取り付く。そこが喜撰山の登り口で、急なのでゆっくりと登っていく。山頂手前で、右に別れる水平道がある。これは喜撰法師の像がある喜撰洞(小さい)への道である。(道はあまり良くない。喜撰洞を過ぎると道は尾根に続き、喜撰山への急登となる。今回は喜撰洞へは省略した。)

 先ほどの喜撰洞分岐を直進するとすぐに山頂である。ちょうど13時。三角点は416mで本日の最高地点である。展望はない。山頂から20mも進むと、天ヶ瀬森林公園への道と喜撰洞への道の分岐がある。ここは左の森林公園への道を進む。

 道なりに進んでいくと、道路に降り立つ。そこは三叉路になっており、右は宇治市の産業廃棄物処理場へ降りていく。左は喜撰山ダムへの関電の道だが扉でふさがれている。左斜め前の地道が仙郷林道である。表示もある。林道は(最新の)二万五千分の一の地図に記入されている。道はゆるやかに登っていく。途中、右下方に、宇治市の産廃処分場が見える。

天ヶ瀬森林公園 天ヶ瀬ダム

 14時に宇治市が整備した天ヶ瀬森林公園に着く。入口にはチェーンが張られ、ここで林道と別れて園路を歩む。園路掲示板があるので、展望台を経由する道を選んで進む。展望台は本日一番の展望である。大阪、六甲、北摂から西山、愛宕から北山連峰が一望できる。眼下には京都の西半分から大阪に続く市街地が。竹林の道、野鳥観察地から馬の背の道を通って公園入口に降りる。

 公園入口には、天ヶ瀬ダムに降りる階段があるのでそれを降りる。巨大なダムを目の前にする。提体上部を渡る通路にはダムの効果について多数の解説版がある。喜撰山ダムを使った揚水発電の仕組みは確かに自然エネルギーの有利な引き出し方だ。洪水防止効果もある。ただ、全国的にはあまりにもダムの乱造が目立つのはいかがか。

 ダムからは宇治川に降りていき、白虹橋を渡る。15時10分。ここからは宇治川右岸をゆっくりと歩く。興聖寺を拝観する。紅葉の季節はベストだろうなあ。

朝日焼きの窯元も見学させてもらう。いただいた煎茶が抜群に美味しかった。しかし焼き物の値段には手が出ない。申し訳なかった。福寿園のお店が誘致され、合体してきれいに再整備されている。

平等院 JRの宇治駅

朝日焼きの前にある朝霧橋を塔の島に渡り、橘橋を渡って平等院の前に出る。茶団子を食べながら、ぶらぶらと市街地を歩き、JRの宇治駅に16時40分に着く。

 名所旧跡、焼き物、森林公園、ダム、茶団子がミックスされた、楽しく歩けるコースであった。18キロとやや長いが、デコボコは少なく、話し声は絶えなかった。



(登山道の写真や地図がないかわりに、ネットに出てくる同じコースを歩いた報告をリンクしておきます)。 http://www.sam.hi-ho.ne.jp/uji-kimura/19kenkou.pdf


                              【 記: 長岡山人 】