オヤジなんとかこたつから這い出て
奈良の高見山樹氷見学


親父の山歩き報告 (NO.44)


山頂です、寒いです
周りは人がラッシュ時の梅田みたいです(表現が大層すぎる)



2011年 1月29日(土)  洛西オヤジ




(コース)
杉谷登山口−小峠−大峠−山頂−平野登山口分岐−小峠−杉谷登山口
▼所用時間は4時間半ほどですが、例に拠ってドジな事が重なり、余り参考になりません。



 大変ご無沙汰しておりました、洛西オヤジでございます。昨年の秋、南アルプス甲斐駒ヶ岳で、山頂目前意識がなくなると結うアクシデントで、リタイアの報告して以来でございます。最近オヤジ報告しよらんなー、さすがにリタイアして隠退しよったか、と安堵(?)されている方もおられたと思います。まあそれに等しい状態ではありますが、なにぶんもともと冬山は寒いし、怖いし、しんどいし、とビビッて歩かないオヤジです。

 このコーナーも新しい方が寄稿され、又師匠はじめ従来の先輩方が、雪山に敢然と挑戦されているのを見て、すごいなあー、さすがやなーと思いつつ、、猫がコタツで丸くなるごとく、ジーとコタツにちじこまっているオヤジですが、しかしたまにはゴソゴソ這い出てドテラ(若い人は、何のコッチャわからないでしょうが、”ちゃんちゃんこ”のようなもの)着てチビッたサンダル履いて、近所をよたよた徘徊するのはカーチャンに「みっともないカッコして、ウロウロせんといて」と怒られながらも、まだ少しは歩かんとアカンと結う意識があるからでしょうか。

 やっと今回「このままではアカン、OKAOKAのみんなに見放される」とゆう思いで、関西では樹氷で有名な奈良の高見山に行く事にしました。北山や比良などと結う皆さんが行かれる豪雪の山はとても無理で、有名な高見山なら(しかも土曜日なら)沢山の人が行かれるので、迷う事もなく雪が深くても新雪をラッセルする事も無く、行けるやろーと結うマイナーな発想です。

 さてさて、久しぶりの山支度、アイゼンなどどこやったかな〜と、戸惑いつつ準備してまだ暗いうちから、奈良に車を走らせます。しかしこの時点でさすがはオヤジ、大チョンボをしていました、地図を持っていないのです。現地に着けば、何とか他の登山者について行けば登れると思うのですが、問題は登山口がわからないのです。

 もちろん高見山は初めてで、ズボラなオヤジは、余り前日に地図を下見するなどしない性格(信じられんわアホや)特に単純に樹氷観に行こう、と結う発想なので、おまけに今回は雪道があるだろうと、ナビのない軽四ロールスベンツ(四駆が自慢)高見山て奈良の何処やったかいなあ〜と結う有様、どないするねん。確か以前奈良の池木屋山に行った時に、高見山登山口とか結うのを見た記憶があり、伊勢街道の松坂の標識があったのを、薄っすら覚えていました。

杉谷登山口バス停 沢山の車が道路に並んでいます
駐禁は大丈夫みたいです(うれしいなあ〜)

 そんなエエかげんな記憶を頼りに、登山口に向かいました。案の定、迷った迷った、人に聞くにも朝早く人がいない田舎(失礼)で伊勢街道と行ってもいろいろなルートがあり、369号の伊勢本街道でウロウロ。やっと道路工事に来たおじちゃんに聞いてみると「ああそらここ違う、166号の杉谷の方や」と教えてもらい、何とか166号に向かい杉谷登山口到着。もうすでに沢山の車が止まっています、そらそうや9時をとっくに回ってます。

 あんまり雪ないな〜、近くにいた若いご夫婦に「すんません、はじめてなんですが、アイゼンとかワカンとか、いるのでしょうか」と聞くオヤジ、「そうですね〜アイゼンはいると思いますが、ワカンまではいらないと思います。沢山の人が登りますので、アイゼンがあれば大丈夫だと思います」とのこと、ホットするオヤジです。モタモタ準備しているオヤジを見て心配されたのか、「アイゼン、持っておられますか。」オヤジ「はい、もってきています」「履かれて、登られたことありますか」「はい何回か経験はあります」「そうですかじゃー大丈夫ですねー」とお二人で先に行かれました。

 「有り難うございます」とお辞儀するオヤジ、親切にアドバイスしてもらうと、やはり初心者オヤジは嬉しいのです。特に若いご夫婦が、仲良く山歩きをされるのは嬉しくなるのです。さてオヤジもやっと準備を整え歩き出します。予定より(何の予定や、もともとあらへんやろう)大分送れて9時30分丁度に登山口に取り付きました。

登山口です
バス亭から少し西に戻ったところでした
昔を偲ばせますね〜

 例に拠ってヨタヨタと登り出します、山道に入るとすぐに雪が現れ、凍てて歩き難くなります。どうしょうかな〜アイゼンつけようかな〜と思いつつ、邪魔くさいのでそのままヨタヨタと先に進むオヤジ、途中に古市跡なる案内が出て来ました。このコースは、やはりハイキングコースなんでしょうか、この後もいろんな案内の表示(なんとか岩と結うのが多かったです)がありました。

 やはり伊勢街道の一部だったようです、伊勢街道と結うのも、北山の鯖街道と同じように、いろんなコースがあったのでしょう。一番有名なのは、朝から迷った369号の伊勢本街道でしょうか。それはともかく昔も雪は降ったでしょうし、やはり大変なおもいをして、旅をしていたんだな〜と昔に想いをめぐらすオヤジです。(芭蕉の心境です、え、なんです、なにいちびったことゆうてんね、すんません)

昔のひとも雪は大変だったでしょう
小峠から大峠に向かう途中の伊勢古道
小峠、前方の神社の方に行けばよいと思う
のですがこんなときに限って誰も前後に
いないのです

 やがて、大きな林道に出て来ました、案内に小峠とあります。たまたま此処で前後に誰もいない状態、こんな分岐で誰もいないなんてどないしよう、地図もないし、樹氷見物思い立った時、チラと見た地図覚えてへんし、(このごろ、2〜3時間前の事もすぐ忘れる)

 前方の斜面に鳥居があり、その下に林道の方向に、高見山山頂と案内がありました。踏み跡もそちらに向かっています、但しその鳥居の斜面にもあります、一体どっちが正解やー、まあオヤジは案内表示のとうり林道を下がります。こんなとき楽そうなコースを取るのはオヤジの習性です。まあ、結論からゆうと、どちらも山頂に行けるコースで、鳥居をくぐって行くのは直接山頂に向かうコースで、林道を下がるのは大峠と結う所を経由して、山頂に向かうコースだったみたいです。

林道を下ってくると踏み跡が左の斜面に向かっています テープも巻いてあります 樹氷見るだけやったらここまで車で来たら
楽チンそうやなあ〜

 杉谷からだと、普通は直接斜面に取り付いて向かうらしいのですが、知らないオヤジは大峠経由で行く事になりました。(ええんかい、信じられへんな〜)林道を下がると、すぐにテープが沢山巻いてある斜面に踏み跡がついています。それも相当な踏み跡です、よしよし此処らしいな〜と進むオヤジ。この時点でまだアイゼンはつけていないオヤジです。30分も斜面を巻いたでしょうか、大峠の駐車場の上部に出ました。な〜んや此処まで車で来られるのや、そやけどものすごい雪やなあ〜。

 やはり沢山の人が足元の準備をしています、もう下りてきた人もいます。さて、オヤジもアイゼンつけて斜面に向かいますが、何処を登るのか5〜6人の人が同じ所で、イマイチわからないコース取りに迷っています。普通は問題なく判るのでしょうが、やはり雪ではっきりしないのです。

 もちろん踏み跡はあちこちについています、一人のオッチャンが登り出しましたので、皆がなんとなくその後をゾロゾロ。信じられない事なんですが、後をついて登った人が、ほとんどこのコースは初めてだったみたいで、まさか、こんな人がゾロゾロいる所でコースから外れるとは、積雪時の怖いところです。先頭を行く人が、アカンおかしい、踏み跡がないと言い出しました。

 どうも踏み跡は引き返しているみたいです、その時点でオヤジが後ろを見ると、女性も含めて10人近い人が、ゾロゾロついてきています、集団心理と結うのでしょうか、恐ろしいものですね〜。もっとも、それほど駐車場上部から離れているわけは無いので、戻ればよいわけですが、「大丈夫や、雪で見えないだけで方向は合ってる。」とGPSなるものを持っているオッチャンが、先陣をきってラッセルして進みます。みんなも、その跡を後ろからゾロゾロ、股の下辺りまで、雪があるのでラッセルも大変です。オヤジはもちろん先頭には立たず、2〜3番手でよたよたついていきます、

 しかしなんでかね〜、まさかこんなコースでラッセルとは、思わず苦笑いがこみあげますが、まあ余裕があります。しばらく交代しながら漕いで行くと稜線です。突然左の方から二人連れの老夫婦が、(夫婦は、二人に決まってるやろ)「あらまー直登されてきたんですか」とそのご夫婦はあきれておられます、「ああ雪の無い時はよく皆さんいかれますが、本来は左に巻いてくるのが楽ですよ」とのこと。稜線は踏み固められた状態で、後ろから来た人達も、「なんやあー」と拍子抜けのため息と安堵の表情、しかし集団心理の怖さを体験しました。こんな公園みたいな(ナメテいる訳ではないですが)山でもやはり冬山は怖いものです。

山頂神社です これが皆さんワイワイいわれる
エビの尻尾らしいです

 それから30分ほど、よたよた登ったでしょうか、山頂の神社に到着、さすがに樹氷のメッカ、風が冷たく痛いほどです。しかしその中、沢山の人が食事をしています。山頂の神社の周りは狭く、風を避けるのはほんの一部でサル団子状態です。神社のすぐ下に避難小屋があるのですが、中はもちろんエライ事になっています。オヤジはシャッターを近くにいたオバチャンに頼み、エビの尻尾なる樹氷の鑑賞もそこそこに、寒い山頂からそそくさと退散です。(なにしにきたんやー)

 避難小屋の前で車の所で、親切に教えてもらった若夫婦に出会いました。登って来た方角と反対の方に下りて行かれるので、「あのーそこからも下りられるのですか」と聞くと「えー、何処から登ってこられたのですか」「はい大峠の駐車場の、上部の方からきました」とオヤジ。「ああなるほど、こちらを下りると小峠に出られます」との事、それで小峠の分岐の踏み跡が納得出来ました。まあ山歩きの雰囲気を味わうなら小峠から直登、ハイキング気分なら大峠からでしょうか。もちろん雪の時はどちらも大変ですが(特に今回のような事もあります)まあなにぶんにも人気のコースです。

折角ですのでもう一枚、これが皆さんワイワイいわれるエビの尻尾らしいです 寒そうでしょ
コタツに入っているほうがええわー

 小峠に向かって下りて行くと、二組の団体さんがゾロゾロとどちらも50人ぐらい、おまけに最後尾にガイドらしき男性も、いやーマイッタ、マイッタ、あの山頂の状態にアレだけの人数が到着したら一体どないなるのやろ、と心配になります。山頂で食べられなかった食事を、コースから外れて雪にもぐり込んで、さあーラーメン炊いてユックリ食べようー「あれーミネラルウオーターない、コンビニで買ってきたのにー、車に忘れたー」相変わらずです。今さら雪溶かして炊くのもめんどくさいので、オニギリだけ「冷たいな〜」と食べるオヤジ、「コタツでテレビ見てるほうがええわー」(ほなくるなー)

 食事を終えて小峠からもと来たコースを登山口まで、ヨタヨタ戻るオヤジ。下りてきた登山口には、高見山樹氷見学ツアーの張り紙のある観光バスが、何台か停まっていました。なるほど、なるほど、結構なことです。しかし日本海側の豪雪被害にあってる人が見たら「なにしてんのやー」と怒らはるやろなーすんません。そんなしゅうしょうな事を思いつつ、ウラハラに東吉野温泉に寄って帰って来ました。奈良の山に来た時の楽しみなんですね〜、温泉は、感謝感謝。

               【 記: 洛西オヤジ 】

奈良山々奥駆けの方面