芦生 トロッコ道と七瀬


 
トロッコ道


2012年8月18日(土) 晴れ後雨 森の旅人M

コース:
トロッコ道
芦生須後〜灰野〜カズラ谷〜七瀬〜由良川源流〜七瀬〜ピストンで須後に戻る





 暑さのためか若干疲れが残っている中,水遊びを兼ねて由良川源流に行ってきました。天気予報は午前中晴れ,午後は所により雨で由良川本流の遡上だけに天候を気にしながらの山行です。夜が明け切らぬ早朝,京都市街から花背峠を越えて北に向かうほど青空が見え始めました。

由良川鉄橋 風前のともしび
キンミズヒキ ヤマジノホトトギス

 芦生須後の山の家の駐車場に停めさせてもらいます。駐車台数は私の車以外は2台で夏休の土曜日としては,少ないのかなと思っていました。天気もよく気持ちよく出発です。山間の入り口は陽が当たらないので,まだ少し薄暗く入山手続きを済ませます。

 鉄橋を渡り由良川本流を七瀬まで右岸を歩きます。早速,目立たない小さい花が目に入ります。キンミズヒキ,ヤマジノホトトギスなどが咲いています。今日も時間に余裕のないコースとなっているため少しでも先を急ぎます。しかし,倒木も増えて思いどおりには進みません。以前あった5〜6m丸太の橋があったのですが,崩壊して10m下の川縁に転がっていました。元々,この丸太橋は傾いてとても危険なため私は歩かずにトロッコ道を一段下がって橋の下を歩いていました。

 谷を横切る大きな橋はいずれも以前から崩壊していましたが,残った支柱も風前の灯火状態です。旧小ヨモギ作業小屋近くで休息後,刑部谷付近では大規模な土砂崩れで小山のようにトロッコ道を塞いでいます。この後も倒木が続きます。カズラ谷に到着すると,まず確認することは川の水位です。今日の水位は無理なく渡河できそうな水位で一安心です。以前無かった大木が谷の出口に流れ着いています。

トロッコ道覆う土砂崩れ カズラ谷出合

 カズラ谷から先のトロッコ道も,更に倒木と土砂で道は塞がれている所が多くなります。いつしかトロッコ道のレールも見られなくなり,ここでは珍しいスギ林を通過した先が,終点七瀬になります。来る度に手間取り,時間は長くなります。歩き慣れた私の足でも3時間弱掛かります。もしトロッコ特急があれば,ぜひ乗って見たいものです。

荒れた道 七瀬

 七瀬でトレッキングシューズから渓流靴に履き替えます。準備をしている間に,天候が急変です。晴れ間があった空が急に曇り空となり,遠くで雷の音が聞こえます。今日の予定は大谷までの予定で出発点に立った所です。由良川本流最初の渡河,対岸の七瀬谷に向かいます。深いところでヒザ下まで,30cm位で問題ありません,水もぬるく気持ちいいです。

 トロッコ道の最終基礎の石組みが築かれて広場がありベースキャンプ基地になっていたのでしょう。少し上流先で2回目の渡河で左岸を行きます。川は蛇行しているためショートカットで次の渡河地点に向かいます。先に倒木がありますが,避けて行くと右岸への渡河地点に着きます。

 ところが,ここで先ほどからパラパラ降っていた雨が見る間に強く降なり,川面を叩きます。雷も次第に大きくなります。しばらく自重していても変化はありません。天気予報より早く悪くなってしまった。本流を歩き始めて早々で諦められない。最終目的地に到達するのは無理だが,もう少しだけ先を進んで決めることにした。

 中州が現れ,ここは左岸沿いの川を進む,次の渡河地点へ。雨は止まず逆に本降り模様になってきた。ここも渡河し右岸へ立ちます。せっかく本流を歩き始めたばかりなのにと思いながらも,目の前の雨の降り方は,心を折るのに十分な強いものでした。しばらく居ましたが安全第一で戻ることを決めました。増水など危険な局面は回避しなくてはなりません。

中洲 雨のためここまで

 雨の中を七瀬に戻りました。皮肉にも七瀬に戻ると,小止みになり青空も出てきました。トレッキングシューズに再度履き替えた後は,昼食を摂ります。昼食後も雷の音は聞こえます。カズラ谷に戻る途中に今日初めて男性に会う。男性は大きなバックを背負い,今夜は大谷か岩谷で宿営し本流を通過する予定であることを教えてくれた。

由良川本流 アキチョウジ

 カズラ谷に到着すると,同時に男性4人組みパーティと出会う。先方も休息を取るため休止のようだ。このパーティとは言葉を交わすことは無かった。雨は小雨になり,やがて雷の音とともにまた本降り。トロッコ道の上は樹木のトンネルのようなもので,思っている以上に濡れないが大きな樹木の下で停滞する。この後は降ったり止んだりが続きました。

 復路で目に入ったのがアキチョウジです,早い秋を見つけました。

 須後に戻ると,駐車場は10台以上が止まっておりました。大阪・神戸ナンバーも見られ遠方の人も来ているようでした。今日は,荒れた天候で残念の一言です。トロッコ道をただ歩いただけになり不完全燃焼の疲れが増す帰宅となりました。