武奈ヶ岳(坊村発着:奥ノ深谷〜小川新道〜コヤマノ岳)


 
武奈ヶ岳山頂にて


2012年6月10日(日) 晴れ   森の旅人M

コース:
坊村〜牛コバ〜奥ノ深谷〜小川新道〜P931〜P1121〜中峠〜コヤマノ岳〜武奈ヶ岳〜西南稜〜ワサビ峠〜御殿山〜坊村





 今回は比良の武奈ヶ岳へ。坊村からはピストンで何度か行っているため,今日は奥ノ深谷から初めての小川新道を上りP1121の尾根稜線を北上,中峠からコヤマノ岳を通り武奈ヶ岳に向かいます。復路は西南稜,御殿山から坊村のコースです。

 出発時,坊村から見る早朝の御殿山は半分以上ガスで見えない。天気予報の「午後から晴れる」を期待して山行に向かう。

 明王谷には先行のヘルメットを背負った男性が進む。衣服調整をしている間に姿が見えなくなった。奥ノ深谷分岐からは,正面尾根を下って現れた男性二人が牛コバ方面へ歩き出し,その後を追うように進む。樹木の葉も緑の深みを増して季節が進んでいく。

 牛コバから奥ノ深谷に向かう急坂道に入る,男性二人も同じ道のようだ。天気が悪いので山中は暗く日暮れ前のようだ。摺鉢山への分岐地点まで急斜面の九十九折が続く。GWに来ているので2回目の今日は長く感じなかったし,さほどしんどくはない。分岐点からは谷に沿った高巻道,谷側は急斜面の細道でガレ場が数箇所あり慎重に通り過ぎる。水音が大きく聞こえ出すと奥ノ深谷の難所の渡河場所だ。先行の二人が渡河を終えて標識付近で休憩中だ。

明王院入口 奥ノ深谷渡河位置

 入梅直後で,水位を心配した渡渉地点はGWに比べると低い。ロープを伝って渡河しようと思ったが,岩場の跳び越しが必要で止める。上流の倒木地点の水位の低そうな所を,持参したビニール袋に足をシューズごと入れて右岸へ渡河する。水位が低いと言っても,もう少しで水が入ってきそうだ。30cm近く水位はある。クツを脱いで渡河するよりアイデアグッズだ。

 休憩後,大橋方面に進む。雑木からやがてスギ林となり,大橋小屋の手前に小川新道の分岐標識が見える。標識に従い北のスギ林に入っていく,スギの落ち葉で道が不明確で判りづらいところがある。谷に沿って進むと思ったら,東に向きを変え結局,一つ東側の谷に行き着いた。テープが木に付けられている。谷上流のテープが目に入り,谷を登り始める。しかし,次第に急斜面のうえ,更に荒れ谷になりテープも無くなる。とても「新道」とは思えず道を間違えたのかと思う様相になってきた。

小川新道分岐 P931手前谷上流

 谷分岐で左に入り込むと,左右に大岩が迫る。古そうだがテープがあり更に登ると急斜面にロープが掛けられている,それも2連つながっている。ロープ頼りに登りきると,ようやく稜線に出た。石碑があり,以前ここで遭難があり,その遭難碑であることが記してある。

遭難碑 P931

 稜線を左にとり急坂を登っていく,大岩があり更にもう一つ稜線に当たる,ここでも左(北西)に向いしばらく行くとピークP931に,小さい標識が掛かっている。ここからP1121までは急斜面,岩と木の根っこを掴みながらの上りがある。ようやく平坦路になるがガスが濃くて視界が取れない。道がしっかりしているので不安はないが薄いとドキドキである。大岩を左に回り込み上がると平坦路,次の坂道を上りきるとP1121。しかし,標識は全く無い。

P1121 中峠

 P1121を下ると直ぐに中峠。男性が一人,久しぶりに人を見る。コヤマノ岳へ緩やかな坂道を行く,先ほどの男性を追い越して行く。風が強く,ガスを吹き飛ばしてくれるのか楽しみだ。時々木漏れ日が差し込む。山頂も風が強いのではと,樹木で囲われた場所で昼食を摂ることにした。昼食後,コヤマノ岳へ。標識があるが北側の小高いほうが明らかに高いと思うのだが。

コヤマノ岳 武奈−コヤマノ−イブルキ分岐

 緩い下り坂を行くと,武奈ヶ岳−イブルギのコバ−コヤマノ岳分岐。山頂への道は,深いU字道になり,ここで次々と下山者と出会う。そして見た顔の人が目に現れる,一瞬間を置いてお互いを確認,おばさん山登り隊さんではないか。初めて山で出合い,短時間であったが会話ができてよかった。先の無事を約束して別れる。

 武奈ヶ岳山頂に着くが,相変わらずガスが濃くて20m程度しか無い,何も見えない。残念である。20名近い人が昼食や休憩中であるが風が強く少し肌寒い。次々と登山者が増え,にぎやかな山頂になる。天候の急変も期待できそうに無く下山を決める。

武奈ヶ岳山頂 西南稜
御殿山 御殿山のスギ林

 西南稜を下りながら,何度も山頂を振り返るがガスは切れそうも無い。武奈ヶ岳も今日は諦めよう。朱色のレンゲツツジが草原に映える。ベニドウダンも目に入る。御殿山から坊村へ下っていくが,この長く続く急坂にヒザがいつも悲鳴を上げる。ヒザ痛のため何度も休息を取る。休憩していると,後方にいた男性も同じ場所で休憩を取り始めた。何気ない話から男性が東京からの登山者でびっくり。さらに,話を聞いていると「百名山」を登り終え,今日は「二百名山」のため武奈ヶ岳に来たとのこと。

ベニドウダン サラサドウダン
レンゲツツジ タニウツギ

 このあと,二人で明王院まで下りて分かれましたが,すごい人を目にしていろんな人がいるものだと改めて思いました。小川新道には少し期待外れでしたが,比良山系をこれからも歩きたいと思います。