蓬莱山(サカ谷道)


 
比良山紅葉


2012年11月10日(土) 曇りのち小雨 森の旅人M

コース:
足尾谷橋〜坂下〜サカ谷道登山口〜P964〜小女郎ヶ池〜小女郎峠〜蓬莱山〜復路はピストンで戻る。





 天気予報はお出掛け日和,街の広葉樹も色付き,一段と寒くなる前に山の紅葉を見ようと決めた行き先は蓬莱山。サカ谷道を初めて歩くことにした。10月に行った蓬莱山では急な天気変化で三角点の確認が出来ていないので,忘れ物を取りに行く気持ちで出掛けました。

 今回のルートは坂下からサカ谷道を蓬莱山へ,登った後はホッケ山・権現山と南下して平へ下り国道歩きで坂下に戻る予定で足尾谷橋に駐車しました。坂下へ向かう空は曇り空,そのうちに晴れるだろうと期待しながらの出発です。芦尾谷橋には乗用車が1台停まっていました。皆子山へ向かったのでしょうか。

 国道161号の高架下を通り,坂下へ向かいます。坂下は安曇川沿いの集落でひっそりしていますが,登山口前の家の煙突からは煙が出て落ち着いた雰囲気です。近畿自然歩道の標識を見て川沿いに下って行き,安曇川に掛かる橋を渡ると小女郎ヶ池の標識が小高い所に立っている。サカ谷にはコンクリートの堰堤が三段続きで見えます。左岸には踏跡が見て取れ,谷を遡って行くと更に堰堤が次々と現れ,6つ目の石組みの堰堤で右岸に渡河。丸太を組んだ橋が掛けられ難なく渡河が出来ます。

サカ谷道登山口 サカ谷道へ
右岸へ 倒木の急斜面

 渡河後は,スギ植林地の急坂を尾根稜線まで登りますが,倒木が多く乗越えたり,潜ったりしながら通過します。尾根に乗る当たりに小女郎ヶ池,サカ谷・坂下の標識があり折り返しV字ターンで南東へ上ります。平坦路になりしばらく歩くと二つ目の標識が見えます。この先スギ植林から離れ雑木林に植生が変わり,ようやく紅葉を見ることができます。この辺りは,まだ紅葉が始まったところ。

尾根の標識 広い尾根

 やがて広い尾根に出る,迷いやすいが赤い太いテープがはっきり行き道を導いてくれる。天気が良ければ気持ちの良い雑木林であるが少し厚めの曇り空になりつつある。多数の小石のある青ガレ脇を通ると,道は大きく左へカーブして東へ向かう緩い坂道になる。

 少しの九十九折道の次は,右手に谷を見て東に向かった後は二度目の急斜面。ここでもスギ植林地の急坂を上り,尾根の乗り換えになる。P964につながる尾根から周囲の山を見ると北と西の山は既に時雨れて雲に覆われている。風が強く寒い。左に雑木,右にスギ植林を見て坂道を上る。小ピークを越えてやがてP964の右手(西側)の巻き道を越えると南東に方向を取り尾根を上りきると小ピークとなる。蓬莱山方向は完全に雲の中である。南西の尾根道に行くと緩やかな上りから平坦な道になりササが目立ち始める。南へ下ると小女郎ヶ池の南端に出た。山道が大きく掘り起こされて荒れている。イノシシの荒業であろうか。

落葉の目立つ紅葉 尾根小ピークより小女郎ヶ池
晩秋の小女郎ヶ池 小女郎峠

 流石に早いせいか誰にも会わない。昼食でもと思って小高い所へ上がる,ところが今まで持った天候もついに小雨となり,少しだけ食べて急いで小女郎峠に向かう。薄っすらと琵琶湖が見える。この高度感を楽しみに登ってきたのに残念だ。蓬莱山に近づくにつれて小雨から雨になり,先もよく見えなくなってきた。山頂手前で下りて来る年配女性親子に初めて出合う。聞くと小女郎ヶ池を見に行くとのこと。

煙る琵琶湖 雲で見えない蓬莱山

 山頂にたどり着くと,雨風強く先に三角点を探しに目をやると直ぐに分かった。山頂標識からも近い。山頂付近をカメラに収めていると,小屋らしい前に数人が立っている。トイレ小屋かと思って近づく。小屋前に立つと女性に中に入ったらと声を掛けられすんなり小屋の中へ。知らなかった,小屋でなく比良大神奥宮社だった。祭壇があり山小屋でないことは分かった。風雨を避けて6人が休憩中だった。長いすもあり,ここで昼食の残りを食べよう,良かった。

蓬莱山三角点 比良大神奥宮社

 昼食後,風雨が収めるのを待ったが無理のようだ。出発する時間を決めていると,次々と登山者が入り込んでくる。席を譲ろうと出発する。12時近いので,この悪い天気だが多くの人が山頂に集まってくる。びっくりしたのが半袖の人に出会ったこと,この強風雨で寒いのにと思う。

 再び小女郎峠に向かう。予定外の天気のため権現山への周回も諦めて坂下へ戻る事に決める。途中で,小女郎ヶ池を見に行った年配親子に再会,池では誰にも会わなくてと報告してもらい挨拶して分かれる。小女郎峠では先ほど見えた琵琶湖は全く見えない。小女郎ヶ池に着くと小雨も止みアベックが昼食準備中だった。

 小女郎池を後にしてサカ谷道を戻る。少し天気はましだが晴れそうに無く,納得の全山紅葉の風景を目にしていないし納得の紅葉写真も取れていない。復路は下りで早い,直ぐに小ピークとなり下り始める。落ち葉の絨毯道が続く。P964を巻いて尾根稜線から急斜面を下り広い尾根へ。ここで休憩,予備のおにぎりを食べる。やがて標識が現れ二つ目の標識から倒木の急坂を下るとサカ谷に降り立つ。渡河して堰堤脇を通り登山口の坂下へ無事戻りました。ようやく晴れ間が出てきて足尾谷橋付近から見る比良山の全山紅葉は自然のすばらしさを見せてくれます。

紅葉色 黄金色

 サカ道は長いが,比良山ではやさしい登山道ではないでしょうか。道もしっかりしており体力の負担も少ないように思います。蓬莱山では今回も天気に恵まれず残念でしたが,サカ道を知り紅葉も楽しめた一日となりました。