比良山系(坊村発着:烏谷山〜比良岳)


 
烏谷山山頂


2012年4月29日(日) 晴れ 森の旅人M

コース:
坊村〜牛コバ〜奥ノ深谷〜大橋〜南比良峠〜荒川峠〜烏谷山〜葛川越〜比良岳〜木戸峠〜琵琶湖バレー〜汁谷〜夫婦滝口〜白滝谷〜牛コバ〜坊村





 南比良山系にはこれまで足が遠のいていましたが,今回初めて坊村から入山し南比良峠から木戸峠の縦走路を南下,琵琶湖バレーから汁谷を夫婦滝口,そして白滝谷を牛コバまで渓谷を下り坊村に戻る周回コースを歩きました。思っていたより長距離で足にトラブル発生,危険箇所も多く,緊張感あるコースでした。

 坊村の曙橋駐車場に車を止めようと入っていくと,警察官の姿があり何事かと思っているとすぐに判った。スピード違反の取締りである。午前7時過ぎの直線コースでは,次々違反切符を切られている。準備をしていると警察官が近づいてきて登山届けの有無を聞かれてまだであると答えると,用紙を渡され記入して提出を済ます。

 地主神社前を通り,何年ぶりかの明王谷に沿って牛コバを目指し林道歩きとなる。天気もよくそして芽吹き始めた山は新鮮で気持ちよい。通りすがりの山サクラは散りはじめであるが十分まだ楽しめる。白滝山の伊藤新道分岐を通り過ぎてようやく牛コバに到着。

山ザクラ 牛コバ

 奥ノ深谷に向かって入山し急斜面に取り付く,比良山系は山が大きいため平坦路に出るまでの九十九折道の長いこと。途中で男子学生らしき5人組みが早くも下ってくる。この急斜面,かなり足に負担がくる。摺鉢山への分岐地点となる大杉まで急斜面が続いた。楽な平坦路はすぐ終わり,谷に沿った高巻道を進む。しかし,崖崩れの場所がありロープのある少し危険な道である。左の谷は深く滑落すると相当ダメージを受けそうだ。こんな危険箇所が数箇所あり慎重に通り過ぎる。谷が近くになると奥ノ深谷の渡河場所に着いた。

摺鉢山取付 高巻のロープ道

 今日の水量が多いのかよくわからないが,ロープの張ってある場所では,すんなり渡れそうに無い。付近を捜すものの無理と判断。ここでドボンはこの先長く厳しい山行になる,予定外にクツを脱いでの渡河となる。水の冷たいことすぐに足指が痙攣を起こす。 せっかくここまで稼いだ時間が無くなる。足を拭いていると初めて後方からの単独男性が見えた。しばらく渡河場所の様子見のようだ。自分の足を拭き終わり改めて男性を見ると,なんと既に渡河している。この後男性に声を掛けると,岩を飛び移ったとのこと。男性の姿を見るとデイバックは小さく,Tシャツ姿で軽装備である。それにしてもすごい。

奥ノ深谷渡河位置 奥ノ深谷右岸
大橋架橋 南比良峠へ

  この先,右岸の道は杉林を通る。男性は中峠へ向かうため小川新道を登って行った。やがて古ぼけた小屋が建つ大橋小屋に着いた。小屋前の橋を渡り大橋へ。ここから南比良峠は昨年下ってきており赤いペンキの矢印を見ながらの谷遡上となる。水晶小屋を通り更に谷を詰めていくと岩の少ない,なだらかな谷になりやがて南比良峠と荒川峠のT字分岐。荒川峠に向かう。スギ林の中残雪を目にする。この先の尾根稜線に乗る急斜面になるが,一気に上りきれない。後方から男性に追い抜かれる。ようやく稜線に乗り南下を始めると,すぐに荒川峠に到着。

大橋−南比良峠−荒川峠分岐 荒川峠
荒川峠より琵琶湖を望む レスキューポイントから打見山方面

 先ほどの男性が,琵琶湖を望みながらバナナを食べている。早いが琵琶湖を見ながらの昼食とする。少し霞んでいるものの展望は開けている。昼食後,先を急ぐ。レスキューポイントがありそこからは打見山と蓬莱山が近くに見える。大岩を脇に見て,烏谷山手前になったところで20名近い団体と遭遇,次々と下ってくる。縦走路から少し外れて急斜面を上ると烏谷山山頂に到着した。見た目は小さく見える山頂部であるが,摺鉢山方向に尾根が伸びているため広い。360度の展望を楽しんで次の比良岳を目指すため,もう一本の道を下り縦走路に戻る。比良岳手前の葛川越まで下る道は,急斜面と小岩が多く悪路である。

 葛川越からは急斜面の上り返し道,大岩手前で再び20名近い団体と出合い,通り過ぎるのを待つ。急坂を登りきると山頂と思わせるが平坦な尾根が広がっているだけでピークらしいものが無い,歩いていくと比良岳の標識があった。ここで若い単独男性とすれ違う。

 左足アキレス腱辺りに違和感が続いており小休止のため太い枝木に座ると,一気に痙攣が襲ってきた。激痛が続く,ただ収まるのを待つだけ。まだ先は半分以上残っているのに少し不安になる。いつまで経っても痛みは無くならない為仕方なく歩き出す。今日の暑さで汗も出ており水分不足とミネラル不足で足に来てしまった。もっとも日頃,これだけの距離を歩いていないため足が悲鳴を上げたのだろう。木戸峠の標識を見てから,雑木林の中ようやく4体の地蔵がある木戸峠に着く。

比良岳 木戸峠
汁谷口 汁谷を下る

 木戸峠からようやく復路が始まる。一旦琵琶湖バレーのゲレンデに出てリフト乗り場を過ぎて,汁谷・夫婦滝の標識を確認,整備作業所の脇から谷に入っていく。軽装の観光客の姿が見られる。 二つ目の橋を渡り右岸を下っていく。道はやがて岩に張り付いて進むようになる。所々に数箇所に石柱があり滝等の名称が刻んである。彼岸橋でロープに掴まり左岸に移る。しばらく行くと夫婦滝口に出る。夫婦滝には寄らずに,橋を渡り右岸を行くと上り坂,少しの坂も厳しい足の状態である。

 汁谷も白滝谷に名を変えて渓谷も本格化となる。夫婦滝から牛コバまでは更に道は厳しく,岩壁に張り付いた梯子道も増える。ここで飲料水も無くなり湧き水をペットボトルに確保する。谷合流部では大岩がゴロゴロと重なり迫力ある渓谷と成っている。右岸へ渡渉後,大きな岩のスベリ石が目に入った。勢いよく水が落下している。ロープ伝いの岩壁を下った先は谷合流となっており,右手から落差20m近い二本の滝が見られる。この先には橋が流されており,若干クツを濡らしながら左岸へ。しっかりした「くの字」橋を渡るとようやく白滝谷も明王谷の本流と合流し,牛コバに到着して周回を終える。

夫婦滝口 白滝谷

 今日は,距離もありまた危険箇所も多くキツイ周回でした。良い天候に恵まれ無事終わってほっとしてしまいました。多くの登山者に会いました,人気の程が分かるようです。春を告げるシャクナゲは,蕾が2〜3個膨らんだ状態で来週以降が見頃になりそうです。