皆子山(足尾谷支流谷)


 
皆子山 山頂の雪庇


2012年4月15日(日) 薄曇り 森の旅人M

コース:
足尾谷橋〜林道終点〜くの字橋〜ツボクリ谷出合〜くの字橋〜足尾谷支流谷〜谷三股〜谷二股〜二股中央尾根〜東尾根稜線〜寺谷分岐〜皆子山山頂〜(ピストンで戻る)〜東尾根稜線〜谷三股〜足尾谷出合〜林道終点〜足尾谷橋





 4月に入り北山の残雪も問題ないだろうと昨年同様,今年も最初に向かったのは皆子山,今回はまだ行ったことの無いツボクリ谷源流を目指しました。

 足尾谷橋に着くが先着の車は見当たらない。準備をして林道に入っていく,天気も薄曇りで問題ない。発電所に着くと,いつもと違い魚道から水が溢れ出ているではないか,前日の雨が影響しているようだ。何度も来ているがこれほど溢れ出るのは珍しい。やがて林道終点へ。

水が溢れ出る魚道 林道終点から最初の渡河の橋

 林道終点から最初の渡河になるが,橋は架かっているものの傾いた橋は危なくてとても渡れそうにない。このため別のルートを探すものの結局,下流にある流木に手を掛け,石に足を置いて四つんばいのカニ歩きで渡り終える。

結局,流木使って渡河する 足尾谷支流出合

 足尾谷最初の支流谷を左に見て,今日は本流の上流に向かう。すぐに「くの字」橋,いつ壊れてもおかしくない橋を恐々と通過。本流に沿って続く道を行き,二の谷分岐を通りツボクリ谷出合へ。渡渉箇所は水量が多く当然水位も高い,とても渡れそうも無い。付近を捜すもの水位は深く足場がまったくない,クツを脱いで渡ってもこの先の渡渉も多くあり時間が掛かる。やむを得ず今日の予定を諦める。昨年初めて歩いた林道終点から見て「くの字」橋手前の支流谷を再度遡ることにした。

弱体進む「くの字」橋 ツボクリ谷渡河は諦める

 再び「くの字」橋を渡り,支流谷出合へ戻る。一度歩いているためか,順調に谷の奥に進む。この谷は渡渉が少なく思いの外広く,また辺りは雑木が多いので寺谷,皆子谷とは違う景色を見せてくれる。入谷して右岸の一段高い道を行くと大岩小岩の谷,やがて小滝手前で最初の渡渉,左岸にある山道を行くと両側から大岩が張り出し,この先で右岸に渡渉。杉植林地の高い道を行く。

 道はこのあと続き,見通しのよい本格的な谷の姿を見せる。石積跡を通り,三つ目の渡渉からは左岸となり杉林へ,大木を通り抜けると谷三俣。ここでは中央谷に入り次の二俣で左谷に入る。この先で右手の二俣中央尾根に取り付く。

大岩と小岩の谷 谷中流部から上流
谷三俣中央谷の残雪 谷二俣左谷

 細尾根に取り付いたあとは,アセビが行く先を遮る,通過すると尾根が広くなる。ここから東尾根稜線まで急斜面が続き道が無いので直線的に登っていく。ずり落ちそうになりながら,やがて東尾根稜線の岩が目に入りようやくたどり着く。

尾根上部 東尾根稜線に出る

 皆子山山頂へ向かう。寺谷分岐を通り山頂へ。既に二人の男性が先着していた。内一人は,ツボクリ谷から退却する途中で出会った男性である。聞くと足袋に履き替えて登ってきたとのこと。クツでは無理だと言われる。そうしているうちにもう一人男性が寺谷からやってきて四人となった。

上る途中ほとんど見なかった残雪が,皆子山山頂には雪庇として南側に伸び,末端は2mほどある。青空の天気を期待したが曇りである。しかし,見通しはよく武奈ヶ岳から南にかけて比良山系が目の前に見える。

残雪の皆子山山頂 武奈ヶ岳を望む

 昼食後,それぞれのコース確認をすると,四人のうち福知山と大阪の二人は初めての登頂で共に寺谷から登ってきたので,ツボクリ谷へ下りる予定。しかし,クツが濡れる状況であることが判り行こうか,どうしょうかと迷い結果諦めることに。寺谷を下るのは面白くないと結局,私が帰るピストンコースに同行を求められ了解する。残る一人は寺谷を下る。四人一斉に山頂を後に出発した。

 激下りのコースであることを先に言って,東尾根稜線から支流谷に下る。こんな斜面を下るのかと谷を覗き込む。三人になると気になることは落石である。急斜面を直線的に下るとどうしても可能性はあるのでできる限り大きく折れながら下る,しかし「落石!」の声,こぶし大の石が足元に勢いよく落ちてくる。危ない,危ない。足首で踏ん張りながら下り,アセビの細尾根に入りほっとする。

三人で急斜面を下る 谷中流部

 沢の音が聞こえ出し,少し下ると細尾根から離れ谷に着く。二人とも体力はありそうで問題ないようだ。三俣まで下り休憩を取る。その後は緩やかな谷を下り足尾谷出合へ到着。

 最後はこの先の林道終点への渡河である。二人には一応橋があるので説明をしておく。私が先に橋の下流を渡るため,倒木に手を置いて石に足を置いて渡る。続いて福知山の男性も渡ったものの,二人目の大阪の男性は手を滑らせた後バランスを崩し,下半身が川の中へ。せっかくここまで無事やってきたのに。なんとか濡れながらも渡河を終えて,林道終点に着いた。初めての皆子山で思い出深い山登りとなったと言ってもらえた。二人は平へ戻るため足尾谷橋で別れました。単調なピストン山行になるはずが同行者のおかげでにぎやかな山行になりました。