奥比良(イクワタ峠から蛇谷ヶ峰)


 
イクワタ峠より蛇谷ヶ峰


2012年9月2日(日) 晴れ時々曇り 森の旅人M

コース:
栃生(とちゅう)〜イクワタ峠〜地蔵山〜ヨコタニ峠〜ボボフダ峠(須川峠)〜蛇谷ヶ峰〜アンテナ板〜猪の馬場〜桑野橋〜(国道367号)〜栃生





 今年集中して山行している比良山系ですが,南北比良が共に未踏破となっている。今回は奥比良を目指しました。天候が相変わらず不安定で雨も予想される中を歩き始めました。

 釣瓶岳の登山口でもある栃生から今回は,稜線のイクワタ峠から北に見える蛇谷ヶ岳へ北上します。一度登っている栃生の道はしっかりしており地蔵峠分岐,笹峠分岐を見て過ぎて無難にP923のイクワタ峠に着きました。青空で天候も良く,北に蛇谷ヶ峰そして琵琶湖には沖ノ島が浮かび,南には釣瓶岳が目前にあります。琵琶湖側にシダが広がり,ほぼ360度視界を遮らないイクワタ峠は気持ちよいポイントです。

釣瓶岳へ 笹峠−釣瓶岳分岐
イクワタ峠より釣瓶岳 イクワタ峠

 イクワタ峠から蛇谷ヶ峰への分岐はシダ道で,北西へ下って行きます。琵琶湖を見納めて雑木の中へ,小ピークを通り過ぎると,稜線を東へ一気に下ります。広々していた尾根と異なり深い雑木林です。道は若干荒れているものの,はっきりしています。さらに下って行きます。いつ東から北向きになるのか少し不安ながら進むと,ようやく平坦な所で北に転向になる。先に進むと,標識があり笹峠に着いた。

笹峠 笹峠林道出合

 その先は林道が変則Y字分岐道になり縦走路と出合う。要注意の場所らしい,林道をそのまま横切り対面の道に入る。道は少し薄くなっているが,林道を左下に見ながら山道を進む。林道沿いはスギ林になっているが,山道は雑木である,一部不明確なところも出てくる。一旦林道に出てまた山道へ,テープ頼りにやがて地蔵山。展望は一部しかない。ここでも直ぐ下には林道が見える。下ると地蔵峠の標識,林道と接している。お地蔵様が一体枯れ松の下で祭られている。ここから蛇谷まで4.5kmと先は長い。結局,笹峠から地蔵峠まで林道が付いており無理して山道を歩くことも無い。

地蔵山 地蔵峠

 蛇谷−村井−釣瓶の分岐が現れ東へ下る。林道が大きくターンして戻ってくる所へ下って行く。テープが多数ある。少し尾根が広がりを見せてくる,道が時々不明確となるためテープ頼りに進む。地蔵峠から踏跡が薄くなっているのではと感じる。尾根分岐らしき所に出る。踏跡は薄い,右手に下っていくとテープがあり鞍部に出た。さらに進んでいくと鞍部にあるヨコタニ峠,薄暗いなかに標識が立っている。というより天気も下り坂か青空はまったく見えない。

尾根が広がる ヨコタニ峠

 スギとヒノキ林を行くが途中,尾根が広がりモミの木がある場所を北に向かう。杉林の細道を行くとアラ谷峠着。さらに北上すると右手の谷沿いに,りっぱなモミの木が目に入る。アップダウンをしてボボフダ峠,標識には須川峠と手書きがしてある。ここも薄暗く深い森の中である,風があり涼しく汗もかかない。

りっぱなモミの木 ボボフダ峠

 ここからが蛇谷への登り口となる。上り下りが続き蛇谷への標識,分岐点になっているのか,ここで東から北へ転向。続く道は,はっきりした尾根道となり左手に谷の源流部が見て取れる。やがて先では左の谷と右手からの谷が接する鞍部に入る。そのまま直進し坂を上がる。一旦急坂になるものの平坦路に変わる。心配した天気は薄日が差し回復してきた。

蛇谷へ転向 左手に谷源流部

 次に現れた急坂が蛇谷への道であった。今回のコースで一番の急坂である。登りきった上方で小岩群を目にする頃,急坂は終わるものの山頂はまだ先らしい。小さいピークで北西に取り,シダ道を行くと人の声がする。そしてようやく蛇谷ヶ峰の山頂に出た。栃生から5時間弱です。この間誰にも会いませんでした。全体に地味なコースで印象に残るものが少ないようです。

蛇谷への急坂 蛇谷ヶ峰山頂

 蛇谷山頂は360度の展望が開け北琵琶湖から少し遠く武奈ヶ岳を見ることができます。山頂では1家族と若いペアが昼食中で少し寂しい,西の芝生広場は単独の男女が別々に休憩中です。私も隅に陣取り昼食を摂ります。徐々に人が増えにぎやかになってきます。私の近くにも中年ペアがシートを広げて昼食のようです。昼食後,しばらくごろ寝で休息を取ります。山頂でこんなにゆっくり出来るところは余り無い。

 復路は国道桑野橋へ下ります。まずアンテナ板のある西峰目指して一旦鞍部へ下ります。この辺りもシダが多く広がっています。道の真ん中にヤマジノホトトギス,大丈夫かなと思いつつ通り過ぎます。アンテナ板で単独男性に会います,結局復路もこの男性に会った後,誰にも会いませんでした。道はしっかりしているものの,場所では薄いところもあり注意しながらの下山です。蛇谷の登山口である猪の馬場まで一気に下りました。きのこ研究所なるものを右手に見て,道はコンクリートの舗装道になります。いつものヒザの痛みをこらえて急坂の折り返し道を下ります。ようやく車の姿を見ると国道近くです。桑野バス停への標識を左折し,民家を通り過ぎると桑野バス停に到着です。

アンテナ板 公衆トイレ

 栃生で確認済みでしたが,今から2時間近くバスはありません。結局,炎天下の国道を栃生まで歩くことになりました。山道に比べて平坦ですが,盛夏を過ぎたと言ってもまだ9月になったばかりで,暑い太陽の下を歩くことは思いの外厳しいものです。大野で旧道に入り山水を引いた溜め桶で顔を洗い,濡れタオルを浸し首に巻いて気持ちを入れ替えて栃生を目指します。国道沿いの公衆トイレでは,近くに川遊び場があり人の出入りが盛んなようです。国道はスピードを出す車が次々と通り過ぎます。バス停はいくつ通り過ぎたでしょうか,約1時間かけてようやく栃生のバス停に着きました。今日の駐車地はバス停向かいの集会所駐車場を借りました。いつも以上に疲労感の多い山行でした。

 奥比良コースは森の中を歩くため地味でしたが,蛇谷まで線が繋がったことに満足感を覚え帰宅しました。比良の縦走路は南比良を残すだけとなりました。