高島トレイル 赤坂山(NO.20)

 
赤坂ピーク


平成24年7月1日(日)  JOEさん、小てつ

コース
黒河林道ゲート前土砂置き場 〜 黒河峠 〜 明王の禿 〜 赤坂山 
(帰りに三国山も寄りましたが、) ピストン。





 昨年の7月17日、高島トレイル完歩を目指し、黒河峠から赤坂山に向かっていた小てつ。赤坂山のピークにもう少しという急坂で、見覚えのある山姿の単独男性に出会った。何とJOEさん。

 小てつはただ単に踏破順で赤坂山になったのであるが、JOEさんは「ある花狙い」で赤坂山を訪れておられた。小てつも見たその花は、7月17日では旬を過ぎていて、たったふた株のみの花を見るしかなかった。

 ネットで調べれば、旬の時期に訪れることができれば、一面黄色の花園に会えるという。今年は何としてでもと意気込む小てつに、JOEさんは7月1日の山行を約束してくださっていた。

 でもっての今回の山行、天気予報は全く芳しくないが、そこは「全天候型」の二人、雨音も花園に向かうマーチさながらに、稲妻号で黒河林道を駆け上がるのでした。

 黒河林道を黒河峠まで、そのまま上がっておられる方もおられるが、小てつは一般車進入禁止のところは進入しないのが一応のルールであって、ここはゲート手前の土砂置き場に稲妻号をデポして準備をする。実はこれが大正解で、林道はゲートからほんの200mほど進んだ所で雨水によるものなのか、雪どけ水か、中央部が崩壊し全く通行不可能になっていた。これでは4輪駆動車でも無理で、重機のキャタピラでしか通行は無理と思われた。

ゲート手前土砂置き場にデポ 林道は崩壊

 しばらく林道を進むと、道が崩壊した原因がわかった。林道の下に埋め込まれた大きな水路が何かの訳で土砂が詰まってしまい、滝水が道の表面を流れたせいと判明。改めて水の力の強大さに二人で驚く。

 ですので、黒河峠には滋賀県側からの到達は無理です。どうしてもの方は、福井県側からなら到達出来ると思われますが、事前に関係機関に問い合わせて山行計画をたててください。

 黒河峠で一旦ザックを下ろして飲水し、ストックを伸ばして本格的に準備する。どうせ同じところに出るからと林道を進み、赤坂山の登山口を目指す。それにしても林道脇には、ヤマボウシのガクが白やピンクのきれいなままで、タニウツギのピンクはあるわ、エゴノキの白はあるわ、山アジサイ、小アジサイが咲いていて、いったい季節はいつなんやと思ってしまう。

 雨は依然降り続くが、かえって蒸し蒸しせず快適だと、どこまでもポジティブな二人は先へと進む、いつものJOEさんの食事処「イルカ岩」に来ても、ガスで何も見えず。そんな中、ギザを切る登山道の脇に一輪の本命花を見つける。良くこんな所に一輪だけと思うが、咲いていることを確認し、喜び勇んで先へと向かう。

ヤマボウシの白やピンクは依然鮮やか 本命花キンコウカ

 木道によって保護された場所に着けば、去年とは違いたくさん咲いていて感激する小てつ。残念ながら今年は逆に少し早くて黄色一面の満開とは言えないが、見渡せばひと目200株、全部で千株はありそうな群生地である。

 花の名前は「キンコウカ」、JOEさんのお話では何と氷河期からの生き残りだとか。トレイルの真ん中に、こんな群生地があるなんて、高島トレイル万歳だと思う。木道で保護されているからこんなに残っているんだ。ゴッソリやられたこともあっただろうに、今こうして姿を残していてくれていることに感謝だ。ここを訪れる方がおられたら、どうぞ木道から外れることなく群生地に踏み込まないようにしていただきたい。あなたの撮る数枚の写真のために、足元で次に咲く花がダメになってしまいます。あなたのいっときの喜びのために何年もかかって咲く花がダメになってしまいます。次に訪れるだろう何百、何千もの人たちに、つなごうと思います、この感激を。

群生地にて ギボウシ

 てなことで、今回一番の目的をはたした二人は、一応行っときますかと赤坂山へと進む。実はJOEさん、先週体調を崩され、山行を自重されていたのだ。来週には少しハードな山行の計画があり、体を動かしておかなくてはという訳だ。だから、いつもは前を歩かせていただいている小てつだけど、今日は最初からJOEさんのペースでついて行っている。

 明王の禿も強風で、ザックカバーが吹き飛びそう、奇岩も何も見えず。赤坂ピークに立つも、ガスって何も見えず。寒風までピストンしますか?と言われるJOEさん。このガスと強風の中で、その言葉が出るようなら、一汗かいて体調は完全に復活されたと安堵する。ここからはずっと尾根になるので、この強風じゃ楽しくないですよとなだめ、ここからピストンで帰ることにする。

 帰りの明王の禿の登山道脇で、あったらいいなと話していたササユリを見つけ、改めてピストンの効用を喜ぶ。行きには完全に見落としていたもの・・。

ひっそりとササユリ 何故かベニドウダン

 その後も次々と、ササユリ、ギボウシ、ドウダンツツジ、ベニドウダン、レンゲツツジと咲残りとも思えない赤やピンクや紫の旬を見つけ、一体この山はどうなっているんや??と思ってしまう。

 大満足で林道を降りる二人、今日は誰とも会わず(当たり前じゃ)貸切りの赤坂山を満喫したのでした。


                           【 記: 小てつ 】