新春恒例 愛宕三山巡り(NO.11)

 
愛宕山三角点


2012年1月3日 晴れのちくもり  小てつ単独

コース
愛宕寺駐車地稲妻号デポ 7:15 〜 試峠 7:20 〜 清滝金鈴橋 7:30 〜 大杉谷 〜 月輪寺道出会 9:05 〜 ジープ道 9:15 〜 三角点 9:30 〜 地蔵山 10:20 (食)〜 地蔵フェンス 〜 滝谷 11:15 〜 竜の西南ピーク 〜 竜ヶ岳 11:50 〜 東尾根道 〜 首なし地蔵(さかさま峠) 12:30 〜 伐採迂回路 〜 梨木大神 13:00 〜 清滝 13:50 〜 試峠 〜 駐車地 14:10





 ここ数年の恒例となっています「愛宕三山巡り」に、今年も行ってまいりました。

 お正月の初山は、やはり地元の山と言うことで「愛宕山」。それもどうせ行くなら三山ともまわってやろうと欲張りなことから初めたこの三山巡り、今年はどんな様子でしょうか。

 年末年始、遅寝、遅起きが続いていたが、山行きとなるとパッチリ起床できるのが不思議なところで、しっかり朝食も食べて少し明るくなった7時丁度に自宅を出る。稲妻号で10分も走れば清滝トンネル手前の愛宕寺脇の空き地に到着出来る。登山靴にだけ履き替えて歩きはじめる。ワカンも持ってきていたが、途中で眺めた山頂の様子から、車に置いていくことにした。

 車のままトンネルを抜けて清滝の駐車場に置けば良いのだろうけど、駐車場代をケチッている訳ではなく、何故かあそこに置くのは嫌だし(その証拠に水尾の駐車場には置きます)、その先の林道まで突っ込んでいって、路肩のスペースに駐車するのはルール違反と思っているし、いつも愛宕寺脇に置かせてもらっている。

 それに、愛宕登山は落語の「愛宕山」にも出てくるように「試峠」を超えていかなければいけないと思っているからだ。愛宕寺脇に駐車をされている方でも、トンネルを歩いて抜けていく方がいるけど、小てつはあの細くて暗いトンネルを歩くより、峠を超えていくほうを選んでいる。準備運動にもなるし、時間もそんなに変わらない。トンネルの中で下手くそな運転手にひっかけられたりしたら大怪我するし、歩いている途中でバスなんか走ってきたら、恐怖の絶頂だ。

 信心深かったらそれこそ「平野屋」まで戻って、「一の鳥居」をくぐっていくんだろうけど、「二の鳥居」もくぐらず、正月なのに神社にも立ち寄る気がないので正月早々バチ当たりな奴である。

朝の愛宕寺脇 試峠は落ち葉の吹き溜まり

 峠を超えると丁度バスがついたところで、男性2名、御婦人4名のグループ、1組の御夫婦と思われるカップルが降りてこられたところであった。

 駐車場にはまだ数台の駐車しかなく、登山口付近のバイクもまだ2台。まだ登山者は少ないようだ。しかし林道を進んだ「東海自然歩道の看板」辺りで一人の登山者とすれ違う。通常はだいたいこの時間から登る小てつだけれど、いつも数人の下山者と遭遇する。一体この方々は何時から登っているんだ???

 大杉谷ルートの登山口まで来て、上着を脱ぎ、スパッツを付け、いよいよの準備をする。今日は暖かくて、上着ともう一枚シャツも脱いでおいた。最近は吸湿発熱のシャツが各種出回っていて、小てつは薄手と中厚の吸湿発熱のシャツの重ね着をして、温度調節している。この吸湿発熱シャツの重ね着は結構調子いいです。手袋も装備の中で一番薄手のにしておいた。

 そうこうしていると、バスでこられた御夫婦が大杉谷ルートを登っていかれた。結構本格装備のお二人だったが、少し登ったところで立ち止まり、何かゴソゴソ。お先に行かせていただいた。

 一年ぶりの大杉谷ルートだけど、轍にコンクリートの補修がしてあったり、第一ベンチの先が伐採されていたり、少々の変化があり改めてここは林道であることを思う。山道の脇道も踏み跡がはっきりしてきていて探索心をそそるが、「今日は三山巡り優先」とあきらめて先へと急ぐ。

 第一ベンチあたりまでは全く雪がなく残念な限りだ。それでも標高400mを越えたあたりから木の葉の上に雪が乗り、第4,5ベンチあたりで登山道でも雪を踏む。切り返しの登りで二人連れの男性下山者と会い道を譲る。「テントでも担いだはるんか?」と聞かれるが、今日は小てつの通常装備だし、30リットルザックなんやけど愛宕の常連さんには大型ザックに見えたのか?「山で色々悪さをしようとすると、いっぱい担いでこないといけなくて・・」とごまかしておいた。(テントまでは入ってへんけど、ツエルトは入ってるなぁ)

月輪寺道出会いでも雪は少なく ジープ道にも雪はない

 月輪寺道との出会いで単独男性が「滑らんぞー」を装着中であったが、登山道の雪の状態は靴底の型が残るほどで凍っていない、小てつは何もつけずにそのまま登る。ジープ道に到着するも相変わらず雪質はグスッと踏み跡がつくような感じでアイゼンはいらない。今日は市内向きの眺望も霞み、北山方面も奥の方には雲がかかっている。もう少しキーンと冷えないと眺望は望めない。温度計は0度あたり。下界の梨木谷林道と変わらない温度だ、今日は暖かい。

 バチあたり者は、迷いもなくジープ道を右に進み、三角点を目指す。岩ヶ谷分岐には踏み跡はない(当たり前か)。ところが三角点の急坂や、芦見谷方面にも踏み跡が無いのには驚いた。ここで単独男性と出会う。男性は「どうしよう・・・」と思案している。小てつもそうだけど、愛宕山はいろんなルートがあって、来てから行き先を迷うことがしばしばだ。男性は三角点には立ち寄らず、ジープ道を先に進まれた。

本日は小てつが三角点一番乗りかと思いきや、三角点ピークに着くと御夫婦連れがおられた。別ルートであがってこられたようだ。ザックごとポンチョをかぶった「低山雪山仕様」の御主人と少し話す。今日は奥様と一緒なので冒険はせず、これから竜ヶ岳までピストンされるという。小てつの本日のルートを話すと、その他のルートも教えてくださり、愛宕山に精通された方だった。

 それではお気をつけてと別れ、小てつは誰の踏み跡もないベンチの方まで行ってみる。古い資料をひもとけば、今は「三角点ピーク」とかそれこそ「愛宕山ピーク」とか呼ばれているこのピークも、昔は「朝日峰」と言われていたそうで、現在の「朝日峰」は何なの???と思ってしまう。確かに朝日を見るならこっちだなぁと一人思う。

 三角点の降りでもアイゼンがいらないくらいと言えば、雪の状態も解っていただけると思う。そんな感じで次の地蔵山に向けて「ノーアイゼン」、「ノー滑らんぞー」で向かう。地蔵への踏み跡も少ない。

 地蔵に向かう雑木の尾根で「熊棚」を探すが、今年はどこにもない。反射板まで来て、「滝谷」の方をうかがうと、踏み跡がある。今年も先をこされたかと思い、それなら急がなくてもいいやと地蔵ピークに向かう。

わずかに樹氷 地蔵ピーク

 地蔵ピークに着くと、先程の単独男性が一人で地蔵のケルンに腰掛けてパンをかじっていた。ここも雪は少なく、三角点も手で少し雪をはらっただけで出現。頭上の梢の様子をうかがい落雪の「爆弾」が落ちてこないところの雪を踏み固めてスペースを作り、少し早いけどラーメンタイムをとる。ラーメンが炊き上がる間にそこらをうかがうけど、今年の地蔵は人気がないのか、「西向き地蔵」方向からの踏み跡はない。ラーメンを食べ終わっても誰も訪れず、例年にない静かさだ。

 そんなことでラーメンタイムが終わると直ぐに反射板まで戻り、「滝谷ジェットコースター」に挑む。だいたい正月早々こんな場所に踏み込む変態なんて、小てつかTOSHIさんくらいだけど、先行者はストックを使用していないようなのでTOSHIさんじゃないなと思っていると、先行者は途中で引き返したようで、踏み跡が戻っていた。

 この滝谷もテープがびっしりに増えていて、ひどいものである。ロープも各所にはってあって御丁寧なことだけど、こういうたぐいのロープは全く当てにせず、手に取らないのが小てつであって、そこらは信用して手に取ると言われるJOEさんとの違いである。小てつは一生「カニのヨコバイ」とかには無縁な者である。

 小てつが感じるこの「愛宕の滝谷」のような急坂の極意は、常に木を自身の下に置くことで、降りの時も登りの時もズルッといった時の身構えをすることだと思う。ストックではなく2mくらいのスリングでビレイしながら事を運べばより安全か?いずれにせよ、こんな変態場所で足を滑らせボキッとやったり、頭ゴーンで気を失ったりしても、それこそ見つけてもらえないので、細心の注意が必要だ。

 竜ヶ岳側の稜線が見下ろしてきて、「あれをまた登り返さなくては・・」と、降ってきたことを後悔するころに、滝谷の最下部の谷の合流点に着く。右股を遡行すればスキー場跡の先にある芦生杉のところに行き着くし、左股を遡行すると竜ヶ岳分岐の先のうじゃうじゃとしたところに行き着く。谷を降れば、芦見谷林道に行き着く。

 今日は向かいの竜ヶ岳側の斜面に取り付く。落ち葉の上にうっすら雪が乗った状態が一番ズルッといきやすいと思うけど、これだけ傾斜があると落ち葉も残っていなくて足元に不安はない。ここでも相変わらず「ノーアイゼン」。それにこの急坂の登りでもヘバらないのは、温度と湿度が適度だからだろう。ここにきて気づいたが、恐ろしく今年はペースが早い。 (昨年は同じ行程を同じ時間に出発して、竜ヶ岳ピークに12:50着、今年は11:50着。)

 滝谷から直登してくると竜ヶ岳ピークのひとつ西南のピーク(P900)にあがってくることになり、稜線手前で龍ヶ岳ピークに向けて北に転進する。愛宕からの尾根道とは、竜ヶ岳ピーク最後の登り手前通称「竜の広場」で合流する。

 朝のジープ道では竜ヶ岳に向かう踏み跡も少なかったが、ここでは結構な数の踏み跡がある。竜ヶ岳ピーク手前で単独女性に出会い(多分外国人の方)、「竜ヶ岳、もう少しですよ。」と励まされる。ピークに着いて驚いた。何と御夫婦と思われるカップルひと組、単独の男性2名、2名連れの男性と大盛況である。地蔵とえらい違い。

滝谷にも雪無し 竜ヶ岳ピーク

 「こっちも雪ないですね〜」と話かけ、うち女性があんな高いところに山名看板があるとおっしゃるので、「雪が多い時につけたんですよ。」と言うと、そんなに降るんですかと驚かれた。「数年前には、ここに可愛い雪だるまが作ってあって・・」と言うと、私も見ましたと・・。お正月の常連さんですね。

 「それでは皆さん、今年も御安全に。」と皆さんに声をかけピークを後にし、芦見谷方向に降りる。途中で10人ほどのグループに道を譲る。「竜ヶ岳に憧れて来たけど、もうしんどくって・・・」と息を切らせる女性に「愛宕山系で一番しんどいところを登ってるんやから仕方ないですよ。でももう少しですよ。」と答えるが、「さっきから、もう少しもう少しばっかり・・」と喘ぎ喘ぎ。でも足取りは十分お元気でしたよ。

 今のグループにしても、今年は竜ヶ岳大賑わいやなぁ、竜ヶ岳のピークは狭いからあれだけ人数いられるか?などと思いながら降っている時に、ふと気がついた。「そうかなるほど、今年は辰年、ほんで竜か!」

'今頃気づくとは、まるでオメデタイ・・・'

 文中にも書きましたが、雪があったとはいえヘタをしたら夏道よりも早いペースかも知れません。それに1月4日に降雪があり、滝谷の様子も一変している可能性があります。アイゼン、ワカン、細引など十分装備のうえ、雪崩などの恐れがある場合には踏み込まないようにお願いします。


                           【 記: 小てつ 】





帰りは満車