愛宕山〜竜ヶ岳(NO.22)

 
保津川下りも再開


平成24年8月5日(日) 終日くもり  小てつ単独

コース
JR保津挟 〜 水尾 〜 神社裏道 〜 三角点 〜 竜ヶ岳(尾根道) 〜 芦見谷 〜 芦見谷遡行 〜 三角点分岐 〜 ツツジ尾根 〜 JR保津挟





 散々「森の迷い人」にされた前回の山行から、今回は鉄板の「愛宕山」に行ってきました。

 先月の大雨により、新聞にも月輪寺の悲惨な状況が載ったりしていました。ボランティアの方々の手にもよって、とりあえずの片付けができたとか・・。 少しだけ時間ができたので、2輪ベンツで梨の木の林道の様子を見に行くと、ゲートは吹っ飛んでいるわ、林道は半分崩れているわ、ひどい状況でした。

梨の木林道の状況

 あの夜は午前2時頃から1時間ほど、1時間ほど弱まったと思ったら、また30分ほど。九州地方の豪雨が「経験の無い」と言われるけれど、あの雨の状況も、小てつには経験のない状況でした。


 いつもは一度眠ったら、だいたい朝まで起きない小てつ、目が覚めても床から起きだしてなんてことは無いけれど、あの夜は違って、ただ事では無い雨音に起き出し、屋上から見る景色は、凄まじいものでした。


 よく夕立の時など、膝丈くらいまで水しぶきがあがり、霧のようになっていることがあるが、それが建物の2階あたりまであがっていて、あたり一面モヤのようになっていた。


 次の日のニュースでは、1時間あたり90mmの雨量だったそうで、一般の方は御存知無いだろうが、京都市の予想最大降雨量は1時間あたり55mmの想定となっていて、河川や下水道の太さ、勾配は全てその想定の計算によって設定されている。想定の2倍近い雨量が降ったのだから、被害の出ない訳が無く、被害を受けた方々には申し訳無い言い方になるが、よくこれで済んだと思うほど。地下鉄や地下街にまで被害が出ていてもおかしくなかった雨量だったのだ。雨の降った時間が短かったことが救いだったのだろう。

 そんなことで、上の方の状況はと気になって、ぐるっとまわってきました。

 今回はある計画を思いつき、JRのお世話になって保津挟に降り立つ、そんなにバタバタしてなかったのに7時14分着で着けた。もちろんホームには小てつだけ。もう少しゆっくりして、水尾のバス8時05分のに乗れば、この時間から歩くのとほぼ変わらない時間に水尾に着けるだろう。

 朝の涼しいうちに、また日陰のうちにとツツジ尾根や中尾根を避け、旧道で水尾に向かう。旧道にも少し被害があり、2ヶ所崩れたところがあった。水道施設で飲水休憩し、神社裏道に向かう。水尾と言えど朝でも暑く、汗が吹き出る。650mで25℃を下回り、やっと涼風が吹く。それでも登りではやっぱり暑く、休み休みで冬場より15分遅くかかってしまう。

旧道の崩れたところ 水尾の民家 ユリをつっかえ

 それでも何とか日陰のうちに表参道に合流すると、千日参りの祭りのあとの静けさか、人影は少ない。そのかわり参道横のドラム缶で燃やされているゴミの量が半端ではなかった。いつものように神社を素通りし、三角点に向かう。三角点にも人影は無し。

 竜の分岐まできてスパッツをつける。普通の道を歩いていると足元は汚れないものだ。(靴もキズいきませんねぇ)今年はやはり竜ヶ岳を訪れる方が多いのか、尾根道もハッキリしている感じだ。鳥にやられたのかオオミズアオの羽が落ちている。

 竜のピーク近くに来たとき(10時38分頃)消防局のジェットヘリが飛んできた。また怪我か急病かと思いきや、ホバリングすることも無く、マイクで話すこともなく、3度北側の方から愛宕神社ピークに近づいたところで南に向かって帰って行った。きっと焚き火が大きすぎたんだろう。

オオミズアオの羽 鶏羽にヘリ

 竜のピークに着いて、今日はお楽しみ「マルタイラーメン長崎味」と洒落込む。表記の通り、アゴ出汁が効いて絶品!(先週はそれどころやなかったもんな〜)

 この間からマルタイラーメンの高級品について、「キリン堂」にあると書きましたが、実は最近京都でチェーン展開しだした「酒のやまや」に、九州ラーメンシリーズがあるのを見つけました。マルタイラーメン好きは是非。

 夏場にマルタイラーメンがいいのは、ストレート麺の喉通りがいいからでしょうか・・。どちらにしても、スープを飲み干すのに時間がかかるのですが。

今日の新メニュー オオルリ??

 ラーメンを食べ終わる頃に二人の単独登山者が次々とピークに到着。うち一人は何と地蔵山から滝谷を降り登りでやってきたと言う。この暑い時期にようやるわと思ってしまう。2万5千分の1地形図を持って登っているようだったが、こと愛宕にかかっては、地形図では難しいと思うし、尾根や谷の名前で言っても通じないので、困ったもんだ。「詳細地図」を持ってきておけば良かった。

 愛宕にはそう詳しくなさそうなその男性は、「あの三つのコブは双ヶ丘ですかね?」と聞くので、そうですよと答えると、「私はH高校出身でよく山岳部の練習で双ヶ丘登りましたよ。」と言う。H高校山岳部、どこで練習しとるねんと思ってしまう。

 お二人と話し、結構長居をしてしまったピークを別れて芦見谷に降りる。竜の尾根もそう被害は無いようだ。芦見谷に降り立ち、ここから谷を遡行して三角点分岐に向かう。夏の谷筋の歩きは心地よい。火照れば谷水で顔を洗いながら、何箇所か倒木のダム跡はあるものの、ほぼ被害の無い芦見谷に安堵する。

 三角点の水場までくると、一人の先客がおられた。見たことのあるザックと見たことのあるレキのダブルストック。大きめに「こんにちは〜」と挨拶をし、すぐさま「TOSHIさんでしょ?」と伺うと、(何で???)という不思議そうな顔。「小てつですよ」と言うと、途端に懐かしい満面の笑顔をくださった。愛宕に来るたびに会いたいと思っていたTOSHIさんだった。

 御無沙汰ですね〜。と何年ぶりかの再開に喜び、また山中での出会いに不思議がる。「5分違えば、会わなかったですよ」と。TOSHIさんも今日は、夏場の定番で谷歩きを楽しまれていると言われ、猪ヶ谷を遡行して岩ヶ谷を降りると言われる。いつもの2輪ベンツを取り付きのカーブミラーの所にデポしてあるそうで、そこはやはり愛宕通。

三角点水場 岩ヶ谷に消えるTOSHIさん

 最近出歩き状況など話しながら岩ヶ谷の分岐まできて、「じゃあ元気でまた」と別れる。丁度、夫婦連れと思われる登山者が地図を片手に怪訝そうな動き。「三角点ですか?」と小てつが聞くと。「はい」と言われるので、そこを登ると分岐があるんで、右に曲がってまた登りきったところですと言うと、「ありがとうございます」と言いつつTOSHIさんの向かわれる方を見てまだ不思議そうにされているので、「あぁ、あっちは岩ヶ谷という道で、異常な人が歩く道です」と言うと、TOSHIさんは「異常じゃない、異常じゃない」と笑いながら降りていかれた。

 しまった、岩ヶ谷を御一緒して、水尾から米買道でツツジ尾根ちゅう手もあったなと思いつつジープ道を戻る。月輪寺分岐で今度は真面目そうな若者カップルが、「何て読むのかな?月・・」と言っているので、やめときゃいいのにお節介で「月輪寺です」「清滝に降りれますか?」と聞くので、「降りられますよ。でも、月輪寺道は今悲惨な状況らしいので、途中に大杉谷と分岐の標識がありますから、そちらに行かれた方が良いかも知れません」と言うと、「ありがとうございます」と降りて行かれた。

 ここでも、しまったつづら折れまで一緒に降りて、スカイラインで水尾別れまで行けば、表参道歩かんで済んだのにと思ってしまうが、これは野暮な話。

 2度もしまったがあるんだから、今日は超久々に表参道を歩きなさいと言うことだろうと、思い起こせば13年ぶりに黒門をくぐる。相変わらず表参道はすごいことになっていて、サンダル履きのカップルはいるわ、今すぐ新京極でもOKな女性グループはいるわ、ギャップがすごい。そんな中で、上から下まで山ガール、山ボーイの三人連れが先行していて、「こんなん絶対迷わへん」とか「何でこんな道で迷う人がいるんやろ」など話ながら歩いている。まだ登ってくる人達を見て、「駐車場6時までって書いてあったのに、間に合うんやろか」など余計な心配まで・・。おかしくっておかしくって。

地蔵辻のお地蔵さんも衣替え 十三年ぶりの黒門

 小てつの気配を察して先行させてくれるのだけど、ツツジ尾根に入っていく小てつを見て、しばらく立ち止まっている。(まぁ君たちガンバって。山にはいろいろあるんよ)そんなときにメールが届く。武奈に行かれているJOEさんからだった。「今、金糞峠まで降りてきました。比良駅に向かいます」ということだった。「了解、御苦労様」と返し、こちらも長いツツジ尾根を降る。

 このツツジ尾根はシキミ尾根に改名するべきと思いながら、増えたシキミを見る。ここも降りるのは5年ぶりくらいか。長坂峠では、米買道の落合側は相当荒れていて、あまり歩かれていないようだ。

 晴れ続きでツツジ尾根もいやらしいところは無く、最後の嫌な急坂を降り車道に降り立つ。今日は一日くもり空で風もあり、尾根歩きでも暑さに苦しむことも無かったなと思いながら、一本電車を見送り、駅のトイレで着替えをし、手洗いの水で体を拭く。

 次の電車時間にはまだあるが、風のとおるホームに乗れば、再開された保津川降りの船がやってきた。水辺にも数組の家族連れがデイキャンプをしている。もうあの大雨もいつのことやら・・。

 そんな時に、またメールの着信が・・。JOEさんだ。「今、比良駅到着・・・」 おいおい、ツツジ尾根〜保津挟と金糞峠〜比良駅とが、ほぼ同タイムって・・・、JOEさん本当に降りは飛んでるんちゃうやろなぁ???

 帰り道、このために稲妻号を使わなかった理由の「王将」に寄り、餃子とビールで一人祝杯?をあげる小てつでした。(Yさん、こんな '自分にご褒美' 教えるから!!)

マルタイラーメン九州シリーズ (「酒のやまや」にて)


                           【 記: 小てつ 】