湖北武奈ヶ嶽〜三重ヶ嶽(NO.19)
超人バロムワンルート(ズル有り)

 
伊吹をバックに


平成24年6月24日(日)   小てつ

コース
石田川ダム事務所奥、(ワサ谷)武奈ヶ嶽登山口 8:00 〜 武奈ヶ嶽北尾根 9:10 〜 武奈ヶ嶽 9:30 〜 再ワサ谷分岐 9:45 〜 三重ヶ嶽 11:35 (食)出12:45 〜 長尾 〜 落合登山口 14:15 〜 ワサ谷登山口 14:40





 去年の9月、JOEさんと同行した三重ヶ岳ピーク手前にて遭遇した単独男性に聞いたルート取り。「石田川ダム〜武奈ヶ岳〜三重ヶ岳〜長尾(落合)」、石田川ダムへは湖畔の車道を戻るというルート。我々は三重ヶ岳ピークにて歩行時間を推測し、3時間とした。結果その単独登山者は、我々が食事のあと三重ヶ嶽からノトマタルートで降り、林道ゲートからは車で石田川ダム手前の武奈ヶ岳登山口駐車場所に至る以前に下山しており、想定の3時間をはるかに上回る歩きで、驚きの健脚として「超人バロムワン」の称号を受けたのである。

 それから一年、今回小てつがその実証に出かけた訳で、また「小てつからお知らせ」でもあった土砂崩れの「その後」の検証も必要と、いろいろこじつけをして、お気に入りの「高島トレイル」に向かうのであった。

 5月中旬よりのひと月の間、JOEさんと「例の野草探索」に明け暮れ、谷歩きばかりが続いたため、「尾根歩き欠乏症」に陥った小てつは、「尾根歩きたい症候群」にかられ、尾根なら「高島トレイル」、それならついでに、土砂崩れで通れなくなったという石田川ダム湖畔道路の状態も見に行こうと、今回の山行となった。

 いろいろな検証であるのにも関わらず、今回小てつは「仕込み」も入れた。もし湖畔道路が使えなかったら「石田川ダム〜落合間」を「自力で歩く」、使えたらのとき用に稲妻号に「ママチャリ」を仕込んでいったのである。一人の時にはもう「何でもアリ」だ。

 今日は早起きが出来て、6時に家を出れた。途中でいつものコンビニに寄り、大原を抜け、朝はまっすぐの道の方が楽だと和邇から161バイパスに乗る。7時半に「石田川ダム」に着いた。早くもダムのトイレ横の駐車場にひと組のカップルが登山準備をしている。5月の連休には4輪駆動車なら崩れた土砂の上を乗り越して奥まで行けるとのレポを読んだのではあるが、今はすっかり片付けられて湖畔道路が通れたため、小てつは「仕込み」のために、一旦「落合」の長尾登山口まで稲妻号を走らせ、しめしめと「ママチャリ」をガードレールに結んで、元の「ワサ谷」登山口へと稲妻号を戻す。

朝のワサ谷 山道は堰堤のところから

 ここで準備をしていると、一台の車が傍らに止まり登山者らしきカップルが降りてこられた。聞けば彼らも「武奈ヶ嶽」だと言う。そうこうするうちに石田川ダム事務所に駐車したと思われるカップルが湖畔道路を歩いて行かれた。(彼らも武奈かぁ〜)と思いながら、先のカップルと少し話をし、先行の登山者とのタイムラグをつくる。

 ここからの取り付きは初めての小てつ、最初の林道続きにいささか驚き、山道への分岐を見落としたのではと不安になるが、林道を進むのが正解で、林道終点の砂防ダムのところから山道が始まる。登山道は適度にギザをきり、しんどさを感じさせない。また標高差100mくらいごとに平坦なところがあって、息を継げる。高島トレイルの稜線に出るまで、一度も立ち止まることがなかったことは、当日の歩き始めということを差し引いても、楽に歩ける道と言える。

ツルアリドオシ サルトリイバラは実に

 「京都北山」の地図にある標準歩行時間は、数人の「担当者」がいたのかバラバラで、ほとんどアテにはできないが、高島トレイルの詳細マップにある標準歩行時間はアテにでき信用しているが、ここの歩行時間1時間50分は多く見積もりすぎだと思う。

 結局1時間少しで高島トレイルの稜線に合流し、時間も早いし武奈ピークにもよっていこうと南に向かう。ここまで花らしい花には会わなかったが、武奈ピークの少し手前で、ふた株だけ咲残りのレンゲツツジを見る。

 登山道の途中のような武奈ヶ嶽のピークを踏み北に転進して元きた方に戻る。ワサ谷の分岐まで戻ってきても、後続していると思われるカップルは登ってこないので、ゆっくりされているみたいだ。それにしても登山道に踏み跡は無く、クモの巣も残っていることから、今日ここを歩くのは小てつが最初と思われた。じゃあ湖畔道路を先行したカップルはどこに行ったんじゃ??

 P674でザックをおろして飲水休憩をとる。ここのピークにはヤマボウシが数本ある。ここのヤマボウシの実は美味しいのかな?哲郎さんに味比べをしていただかないといけない。

 このルートは去年にも歩いているが、いやにトリカブトが目立つようになっている。河内川林道といい、山に毒草しか残っていないみたいだ。シカの足跡はそう多くはないが、ここらにはたくさんいるんだろう。春先には河内谷のダムから東屋までの間で雪崩のせいか、餓死なのか、4頭死んでいたそうだ。

ここは卵塊がいっぱい 威嚇するアカゲラ

 標高820m付近、三重ヶ嶽まで1.3kmのところにある池には、今年もモリアオガエルの卵塊が多数ぶら下がっている。ところが池を覗いてみてもオタマジャクシの姿が見当たらない。いるのはマツモ虫とイモリだけで、まだ卵からかえっていないのかと思ったら、池の北側にそれこそウジャウジャと、もう手も足もでた子ガエルが固まっていた。ぶら下がっている卵塊はまだ新しいのがあるのに??種類の違うカエルなのだろうか??

 ピークに近づいた頃にエゾハルゼミが鳴き出した。でも、大合唱という訳ではなく、2匹が交互に鳴いているだけ。と、今度は鳥が激しく鳴き出す。どうやら近くに巣があるのか、威嚇しているようだ。50mほどは追いかけてきてやっと静かになる。何枚か写真を撮ると、珍しくピントのあったのが撮れた。

 三重ヶ嶽ピーク手前の日陰でひと組のカップルがお昼休憩をされていた。と、ピークに記憶にあるカップルがおられる。ダム駐車場に車を置かれていた最初にお見かけしたカップルだった。聞けば湖畔道路を落合まで歩いて長尾のルートで登ってきたと。で、武奈ヶ嶽に向かうという。朝のワサ谷のスタートがほとんど一緒だから、ずいぶん頑張って登ってこられたんだ。

 去年JOEさんと長尾を登った時に、花の観察をしながらゆっくり登って落合から2時間20分で登っている。このカップルが去年の我々並みで登ってこられていたとしてワサ谷から3時間30分と言うことで、やはり湖畔道路は1時間程度で歩けることになる。とすれば・・と考えながらカップルと雑談。

 ここでお昼にするというカップルに、北側に少し行けば海の見えるところがありますよと去年のラーメン場所に案内する。この時期にしては、今日は海が良く見える。

今日は上等品 ナナカマドは山の線香花火

 今日のラーメンは「マルタイラーメン」、でも普通のじゃなくてちょっと上等。 スーパーには置いていなくて、近所のドラッグストアの「キリン堂」で見つけた。変わったのは変わったところにあるのだ。

 カップルは仲むつまじくひとつシートでお弁当を食べている。服はほとんどモンベル星人でザックはマムート、お揃いの色違いでそろえられていて、まるでokaoka御夫妻のようでほほえましい。あんまり仲がよさそうなので「御夫婦ですか?」と改めて聞いたら怪訝そうな顔をされ、「そうですが・・」と答えられる。小てつの周りには、Hさんを代表して'山ではお構い無し'の方が多数いらっしゃり・・・。

 旦那さんの一眼レフカメラの話題から、山の話、花の話、ついつい長話になってしまって申し訳なかったが、またどこかの山で再会をと武奈ヶ嶽への分岐で別れる。

 ここまで特別花は無かったが、長尾にもやはりこれといって何も無く、ただ黙々と降っていく。結局降りチンタラの小てつでも、長尾は1時間30分で降りてこられ、降りの鬼のJOEさんならもっと早いから、三重ヶ嶽ピークからワサ谷までトータル2時間30分を切るのは難しいことではないようだ。どうやら超人にならずとも予想よりは早くこのルートは歩けるようだ・・けど。

あるのはコナスビばかり 湖畔道路にはギボウシ

 でも車で走っても長く感じる湖畔道路を歩くのはしんどいだろうなぁと考えながら、仕込んだママチャリに乗り、崖の野草を探しながら走っていると、朝も確認した路肩の崩壊した場所を見て驚いた。車で通過の際にはわからなかったが、改めて見るとアスファルトの下はかなり深くえぐれている。直に通行止めになるんじゃないだろうか?

 ワサ谷に朝のカップルの車はすでに無く、後片付けをして荷台にママチャリを乗せ帰路につく。ダム駐車場にはまだ長尾のカップルの車があった。(無事に降りてきいや)と心で思ってダムをあとにする。

 カップル、カップルって、良く考えたら今日出会った登山者は3組で、3組ともカップル!今日は熱々登山やなぁ。


                           【 記: 小てつ 】