小てつのよも山話(NO.99)
騙しやがって、この野郎

 
ハナアブの仲間


     2012年7月23日(月)         小てつ







 この時期山歩きで嫌なのは「ヒル」。そして何より「ハチ」。このハチは嫌な
だけでなく、命に関わることがあるから厄介だ。

  毎年クマが出たとか襲われたとかニュースになっても、命までとられたとい
うのは聴かないし、マムシに噛まれても命まではとられない。しかしハチには
毎年全国で10名前後の方が命を落とされているし、山歩きで一番怖いのは、
他ならぬハチではないだろうか。

 一昨年にJOEさんは「岩籠山」でオオスズメバチにキツイ一発を受け、それ
から山行では「エビペン常携帯」となられた。もちろん2回目に刺された時の
過剰抗体反応を抑えるためだけど、薬の有効期限もあり、毎年結構な出費と
なるそうだ。

 でもってこの梅雨明けの時期に、ある山を歩いていた小てつは、一匹の
'ハチ'にまとわりつかれた。じっとしていても、ハチはどうにもしつこくまとわり
ついて離れようとしない。そして何と小てつの肩あたりにとまったのである。

 大きさと色から言って「キイロスズメバチ」と見たが、どうも様子がおかしい。
どうやらそいつは小てつのシャツの汗を吸水しているようなのだ。その場は
とにかく「ハッカ油」にて撃退したのだが、下山して稲妻号脇で帰り支度を
していると、またその「キイロスズメバチ」がやってきた。

 今度は落ち着いて様子をうかがっていると、羽音はハチなんだけど、どうも
飛び方がおかしいと思っていたら、そいつは稲妻号のシートにとまった。そし
てシートについた水分を吸水している。即座に写真をとれば、どうやらそいつ
は'ハチ'ではないようだ。

 「スズキナガハナアブ」に似た、ハチに擬態したハナアブの仲間のようだ。
ハナアブと言う名前だけど、ハエの仲間で、しつこくまとわりつくのは、登山
者の汗に反応しているようだ。もちろん毒針もなく安全な昆虫なんだけど、た
いへん迷惑な虫だ。

 以前のokaokaさんの紀行文2010年7月31日の「小野村割岳」の時にしつ
こくまとわりついてたのも、こいつなんじゃないだろうかと思ったし、今思えば、
去年の小てつの乗鞍岳の時にまとわりついたのも、きっとこいつに違いない。

 鳥に襲われないために擬態しているらしいけど、こっちはびっくりするもの・・、
困った虫もいますんで、皆さんこの時期はお気をつけて


                        【 記: 小てつ 】