小てつのよも山話(NO.97)
出町柳のナイスガイ

そんなナイスガイもいる出町柳のバス停だけど


     2012年6月19日(火)         小てつ







 いつもは「稲妻号」で山行の小てつ。それでも冬の武奈や雲取にアタックの
時には出町柳からバスを利用した。冬の便が無くなったのは寂しいかぎりだが、
いつも見かけた'ナイスガイ'の姿に会えなくなるのも寂しい。

 いつも誰よりも早くに来て、有無を言わさず先頭にならばれているJOEさん、
もちろんそのスタイルは男前には間違いないのだけれど、そのナイスガイは早
くにきても列にはならぼうとはせず、少し離れてくつろがれている。バスが停留
所に入ってきても、まだ慌てずにみんなの様子をうかがっていて、最後に乗り込
んでこられる。どうやら最初から最後に乗り込むことにされているようだ。

 見かけは華奢な体つきをされているのだが、気骨は太い方だろう。自分のペ
ースがあるんだきっと。坊村に着くや、チンタラ用意をしている他の人を尻目に
山中に消えていく。カッコいいじゃないか。


 そんなナイスガイもいる出町柳のバス停だけど、最近妙にバス関連でマナー
違反の話を聴く。少し前のokaokaさんのボーイスカウトの荷物にしても、ひと
昔前には考えられないことだと思う。ボーイスカウトの団員なんて、他の乗客
よりも統率がとれていて、バスの乗り方の見本のような乗り方をするんじゃな
かったのかと思い出す。

 また今回、小野村割岳に向かわれようとする「おばさん山歩き隊のTさん」
が、乗車の際に団体の割り込みにあわれたと言う。

 どうせ団体にしてみれば、「誰か先着のものが番を取っていた」みたいにおも
っているのだろうけど、'山のルール'はそんなもんじゃない。山は'平等'が
ルール。

 団体であれなんであれ、同行者がいようが来た順番でならび、その順で乗り
込むのがルール。かかった費用は割りカン。とっていいのは写真だけ、残して
いいのは足跡だけ(思い出だけちゅうのもあったなぁ。それにどこでも踏み荒
らしていいちゅうもんじゃない)。テープ付けもやめて欲しいし、木を枯らすよう
なギュウギュウ針金の看板なんてもっての他なのだ。
 山はあったまま、次に訪ねてこられるだろう登山者に引き継ぐのがいいと思う。

 Tさんの話では、「花背高原で団体は降り、団体はその団体だけだった」と言
われる。少し調べたら、すぐにその「団体」が浮かんできた。丁度その日に雲取
に行った22人の団体があったのだ。結構前から活動しているようだけど、ずい
ぶんお行儀が悪いようだ。

 Tさんは自分が座りたいから注意したのではなく、順番にならぶのが山のルー
ルだから注意したのだ。そんな大先輩の注意を無視したそうで、JOEさんとも
そんな連中の解析を行うのだけれど、多分、毎日が日曜日になってから山を始
めたルールも知らない連中だろうと話している。仕事をしていた頃には、'生き馬
の目を抜く'ような抜け駆けの毎日をおくっていたのだろうけど、その癖が抜けな
いのだろうと・・・。おばちゃん達も、スーパーの特売やバーゲンセールの陳列棚
へのダッシュじゃないんだから・・・。


 山行きの朝一番に気持ちいいのと、胸くそ悪いのじゃ、その日一日全然違い
ますから、他人の山を邪魔せんように自分の山を歩きましょう。

 「自分の山を持つ」と言う金久氏の言葉の意味はどういうことなのか、山に
入るたび考える小てつでありました。         
                           という話


                        【 記: 小てつ 】

山に入るたび考える小てつでありました