栗原から権現山〜蓬莱山(NO.24)

ホッケ山から蓬莱山


平成24年10月20日(土) 快晴  JOEさん、小てつ

コース
栗原登山口稲妻号デポ〜権現山〜ホッケ山〜小女郎峠〜小女郎池〜蓬莱山〜権現山〜霊仙山〜デポ地





 前回はJOEさんに小てつルートでお付き合いいただきましたが、今回はJOEさんのお薦めルートにお付き合いと言うことで、小てつ後ずさりの比良に行ってきました。

 普段は日曜日に山行の二人ですが、今回は二人とも日曜日の都合が悪いと言うことで土曜日の山行となりました。結果、これが大正解となるのですが、理由は後ほど。

 当初「平」から取り付きと言う案もありましたが、ほぼ植林地の中を歩くと言うことで、稲妻号なら林道奥まで入れるからと「栗原」から取り付くこととしました。

 いつも高島トレイルに行くときに進入する161バイパスの和邇インターを素通りして栗原の村落に向かう。途中は道がややこしいけど、墓地の看板を目がけていくと良くて、新しい橋のところで墓地への道と別れ林道に進入する。途中で単独男性を追い抜き、1台のタクシーと離合する。

 権現山登山口に着き稲妻号をデポし、準備にとりかかる。登山口には軽装のカップルが入念に準備体操をしていた。離合したタクシーでやってきたと思われ、明らかにトレラン仕様。

比良縦走トレランの二人 権現山から愛宕

 「今日はどちらまで?」と聞かれるJOEさんに「天空まで」と答えられ、オォとなる。ほぼ7時間で到達できるとのこと。御夫婦には見えないし、男性は経験済みで女性は比良は初めてのよう、あとでインストラクターと生徒ちゅう感じですかね?とJOEさんと話す。

 軽装で足取りも軽く早いペースで歩いていく二人を見て、やや前日のアルコールが抜け切らない中年おじさん二人連れは、いきなり毒気を抜かれてしまい、 「今日はゆっくり登山で行きますか。」とのっけからお花見登山となる。

 登山口で標高420mほど、しばらくは林道を歩き植林地の中の山道へと進入する。山道はギザをきって登っていくので見た目ほどはしんどくはない。見た目ほどしんどくはないのはわかっていても、比良の山々の稜線をみると後ずさってしまう小てつ。

 植林地を抜け雑木が現れたころ、林道を歩いていた単独男性に追いつかれた。少し話を聞くと何と和邇駅から歩いてきたと言う。ザックは軽そうで足元もスニーカーだが、健脚の方だ。JOEさんは現在時と歩行距離から、JRの電車時間を割り出しておられた。どうやら5時台の電車でこられたみたい。

 最後の100mほどが急勾配でしんどくなるということだったが、その通りで、また足元がダケ道ほどではないにしろ、砂岩のガレ気味ということで歩きにくい。気温は低いが汗が吹き出る。

 それでも登山口から1時間15分ほどで権現山のピークに立つ。ピークでは男性三人のグループが休憩中。時間も早く天気もいいので、今日はゆっくりと眺望を楽しむ。権現山からだとナッチョの山容がよくわかる。

お目当てのリンドウ ホッケ山から草稜

 汗もひいたところで稜線歩きを楽しもうと、まずはホッケ山に向かう。稜線では既にドウダンツツジの紅葉が始まっているが、やや色は悪い。ホッケ山の手前で今日お目当てのリンドウの花を見つけ、旬の花に歓喜する。ツボミもまだ多く、来週まで楽しめるようだ。

 花を楽しみながら歩いてホッケ山ピークに10時前に到着。ここでもゆっくりと眺望を楽しんでいると、今来た権現方向から元気な話し声が聞こえてきて、大学生と見られる男性二人連れが到着する。彼らは明日引率してくるという小学生登山の下見だと言う。彼らの情報によると、明日は大津市主催のチャレンジ登山があり、約400人が参加すると言う。それを聞いた我々はぞっとして、山行を今日にしたことを「何て運がいいんだ」と喜ぶ。

 それを聞いたあとでは、登山道ギリギリに咲く可憐なリンドウを見るたびに、この花は間違いなく踏まれてしまうだろうなと、残念な思いとなる。

 小女郎峠手前のガレ場で、「400人もいたら、一人二人は落ちませんかね?」と冗談にもならないことを言うが、なぜここだけ危ないガレ場の方に道があるのか不思議に思う。稜線の真上の方が安全と思うのだが・・。

 峠に着き、空いているうちにと小女郎池の方を覗きに行く。池の中に足跡が残り、誰か中央部まで入ったみたいだ。何もないのですぐ戻り、蓬莱山ピークに向かう。ピークからはパラグライダーが飛び出していて、今日は吹き上がる風があるのだろう、軽く離陸していく。

武奈方面(紅葉はまだ) お目当てのセンブリ

 11時にピーク到着、ピークには30人ほどの登山者がいた。既に食事のグループもあり、我々も鐘の近くの京都北山が見渡せる場所を陣取り、ラーメンタイムとする。少し風があるものの穏やかな日だ、琵琶湖側はおぼろげだが、京都側はハッキリとしている。朝のトレランの二人は、もう武奈まで行き着いただろうか。

 またまたJOEさんにノンアルコールビールをいただき、食後は本格コーヒーと、フルコース接待を受け、のんびりゆっくりと眺望を満喫する。なんだかんだで、1時間もピークで休憩となる。気がつけば、人は百人ほどに増えており、まだまだ山頂駅から、登山道からと人が増えてきているようだ。

八ヶ峰や長老まで望める

 それではと、張った根を切って復路をとる。行きには見つけられなかった株を見つけるたびに、ピストンの効用と光の角度の不思議さを知らされる。ゆっくり花を楽しみながら、バス組と思われる団体さんと数組すれ違う。と、琵琶湖バレイの腕章をつけたインストラクターが先導するガイドツアー団体の中の一人の女性に見覚えがあった。「Kさん」と声をかけると、まるでお化けかもののけでも見つけたように驚かれる。Kさんと同職場のAさんOさんも参加されており、仲の良い職場だこと。比良は無理やけど、京都北山ならガイドに負けないほど案内出来ますよ、ただし脇道、横道、獣道、踏み跡なしのただの尾根とか歩かされるのは必至ですが・・オホホ。

 でも、インストラクターが結構なペースで引っ張っていたから、ついていくのだけでたいへんそうで、花を見つけるヒマもなさそうな勢い。花のある場所で止まって解説して・・というツアーでもなさそうなので、後日「こんなのが咲いていたんですよ、見つけました?」なんて写真を持って行って、意地悪を言ってやろう。

 復路は霊仙山によって帰ろうと言うことで、ズコノバンと呼ばれる場所の分岐を右手にとり、一旦降って上りにかかる。きれいな三角錐のかたちの霊仙山の登りはやはりしんどくて、先行する団体さんに追いつく。ピークもすぐ近く、追い抜いていくほどもないので、ペースを落として間隔を開け、ついて行く。

ヘリが行ったり来たり デポ場に到着

 霊仙山ピークには、まだミヤマママコナが咲残り、山によってずいぶん植生が違う。我々はそそくさとピークを後にし、珍しく急勾配なのにジグを切っていない植林地の中を降り、ドコモの中継アンテナまで20分かからず降り立つ。中継所のフェンスの中にシカ害から逃れた珍しい花はないだろうかと四方を回ってみると、琵琶湖側が見える場所から運搬用のヘリが、鉄塔の資材を何度も運んでいるのが見えた。

 アスファルト道をデポ場までゆっくりと降る。丁度3時にデポ場に到着し、帰り支度をしていると、団体さんも降りてこられた。恨めしそうにしておられるが、楽に見える車使用でも、利も不利もある。

 いきなり追い越していくのも何なので、少し間を開けるためゆっくりしていると、またもやJOEさんが珍しい花を見つけられた。今日も花の話題はJOEさんにお任せですが、狙いの花にも出会え、秋晴れの一日を満喫した大満足の山行でした。JOEさんありがとうございました。


                           【 記: 小てつ 】