三国岳 (NO.15)

三国ピーク


平成24年4月1日(日) 雪  小てつ単独

コース
桑原 8:00 〜 お茶屋跡鞍部 9:25 〜 三国岳 10:35 〜 林道 12:40 〜 桑原駐車地 12:50





 先月の武奈以来、まともに山行出来なくて、悶々たる日々を送っていましたが、やっと山に行ける段取りとなり、それでは早春の花は咲いているかと三国岳を訪れてきました。

 天気予報では南部でも昼までは雲が多く、北部では雨か雪という日曜日、起きがけに北山方面を見ると結構遠望がきくので大丈夫だろうと、いつものように7時少し前に自宅を出る。

 花折峠あたりまでは晴れ間ものぞいていたのだけど、坊村あたりから曇空となる。川は葛川も針畑川も雪解け水が混じり、釣り好きにはたまらない「うぐいす色」となっている。

 小川の集落を過ぎたあたりから路肩に雪も残り出し、到着した桑原の集落では田んぼも一面雪だ。

 「じゅうべえ」さんの横の林道ゲートのクサリが外されていたので、そのまま入り、丁度3台分くらい除雪がされた空き地に駐車する。

林道空き地に駐車 バイカオウレンは咲いていて

 カッパのズボンをはくまでもないだろうと、冬用のスパッツだけつけて登山口に向かう、用水路を渡りシイタケのホダ木が並んだ取り付きは、いきなりの残雪の塊で、ズボズボと膝まで踏み抜き最初の植林地の登りへと取り付く。

 植林地を抜け尾根に乗ると登山道に雪はなく、順調にP622のいったん平坦になる息継ぎ場所まで進めた。途中でお目当ての早春の妖精とも思える「バイカオウレン」の姿を見てホッとする。

 9時少し前に細かいアラレみたいな雪が降り出した。そんなに寒くも無いが、顔に当たって痛いので、ネックカバーを付け頬まで隠す。確か2年前の3月20日に訪れた時には、花粉か黄砂かで喉が変になったことを思い出し、それよりはいいなとポジ側に考え、雪は降り出したが、腕時計の高度が激変しないので気圧の変化はマシだから、天候の急変はないだろうと予測する。

 標高700mからは雪道となり、アイゼンを付ける。実は先月の武奈でアイゼンのスノーガードの取付部が裂けてしまい、山屋さんに仕入れに行ってるヒマもなかったので、要は雪面とアイゼンの鉄部との「縁」が切れたらいいんだろうと、アイゼン本体のフレーム部に仕事で使う「コーキング」を塗っておいた。今年は使用試験が出来るかいな?と思っていたが、早くも試験が実現できた。

 結果、調子は良かった。雪の温度なども関係するだろうけど、今回に限っては高下駄状態には一度もならなかった。コーキングが剥がれるトラブルも無く、これなら取付部の強度に不安のある市販のスノーガードより安心できる。

アイゼンコーキング加工 お茶屋跡の標識まで残雪

 お茶屋跡の鞍部のすぐ手前まで、出来るだけ尾根をたどって歩く。尾根には50cm位の雪が残り、右手の谷は木の幹周りから見て、残雪は1mを越していそうだ。

 お茶屋跡あたりまできて谷へと降りてみる。雪の表面が幾分凍っていて何んとか歩けるが、2度、股まで踏み抜く。いつもは目線の高さの「お茶屋跡の標識」がギリギリでているので、120cmくらいの残雪か?

 とにかく鞍部まで行って、雪の状態では引き返すしかないなと、ワカンもスノーシューも持って来なかったことを後悔するが、今更遅い。ただ鞍部に着き、稜線に出てみると期待通りに雪は凍っていて踏み抜きそうなことはなく、アイゼンも良く効いて順調に歩ける。

鞍部の標識は埋まる P885近くの標識は出ている

 雪面に亀裂もシワも無く、見える限りの所にも雪崩た跡は無い。これなら三国ピークまで歩けそうだ。今日は三国ピークから下壺口に降りようと思っていた。降りた林道脇に早咲きの野草がないか探索したかったのだ。

 お茶屋跡の鞍部から三国ピークまでの稜線は、急坂も無く広い一本尾根なので迷う心配も無い。雪は降り続くが逆に幻想的で、深い雪の中稜線でがんばっている大きなブナの木を見ると、「今日、今、ここに来て良かった」と心底思えるのだった。

滋賀ピーク かわいらしい雪庇

 極端にブナと芦生杉が太くなるのが滋賀側ピークで、はぼ夏道と変わらないペースで歩けた。滋賀ピークと三国ピークの間に、わずかに雪庇らしきものができている。いつもはここで急坂を登るのだが、今日はピークの北側に回り込んで傾斜のゆるいところからピークを踏む。ピークの標識は出ていて、三角点もわずかに覗いていた。

 そそくさとピークを後にして、少し降りたところの太い杉の、「根開き」という幹周りの溶けた雪穴で風を避け、ラーメンタイムとする。今日はマルちゃんの「正麺みそ味」だ。

 役所広司がCM出演しているやつで、嘘か本当か美味しくて撮影時に21杯食べたというらしい。確かにインスタントラーメンにしては破格に麺が美味しい。小てつの感想としては、麺は及第点でも「醤油味」のスープが頼りなく、ここはやはりインスタントと思ってしまう。その点「みそ味」はスープが濃い分誤魔化しがきくのか、従来のインスタントとは別物だと思う。

 また、製法の秘訣らしく麺が丸くまとまっているので、丸いコッヘルにスッポリはまり、荷物のカサ減らしに便利だ。ただ出来上がりに4分かかり、普通のインスタントよりも長い。地上で4分なら上では5分以上かかるので、この点は不利。

 さて、お楽しみのラーメンタイムも終わり、下壺口に降りようと、滋賀ピークから岩谷峠方面にしばらく降りる。ここのブナはまた幻想的だ。「桑原へ」の標識は埋没していて、下壺口への夏道も埋没している。まともに夏道を追って歩くのは、何義しそうだ。

正麺はスッポリ シャクナゲのつぼみは多し

 それならば!と、地図を見れば東北東に伸びるP686の尾根がずっとゆるやかで、それをたどればどうだろうと方向を変え、東に降って尾根に乗る。右手にずっと二つおとなりの「お林谷の尾根」が見えるので安心して降っていくが、ずっとショッキングピンクのテープがついている。この色は林業用の色なので、何かの印だろうと意に介さず尾根の背中だけたどって降りていくのだけれど、結局は最後の林道まで、このテープは続いていて???となる。

降りてきたところの堰堤 林道の奥は雪で埋まる

 降りたところは林道が90度カーブする堰堤のあるところで、林道は残雪で埋まっている。凍っていなくて膝までのツボ足で歩かねばならず、結果的に下壺口に降りていれば、かなりの距離このツボ足が強いられたことを考えるとオーライであった。野草探索などまだ全然ダメで、雪の溶けた田んぼのあぜ道にまだ堅いツボミのフキノトウを見つけ、今年の春は遅いなと感じてしまう。


                           【 記: 小てつ 】

桑原のフキノトウはまだ堅いツボミ