初心者親父二年ぶりに戻って来ました劔岳
親父の山歩き報告(NO.49) |
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山頂での写真はいつも自動シャッターですが、今回は頼む人に迷うほど |
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2012年 5月24日〜28日 洛西オヤジ
コース: ▼5月24日(木) 夕方から車で立山駅前に向かいます、22時前に到着、車中泊。 ▼5月25日(金) 朝一番のケーブルで美女平、バスで室堂、室堂出発9時、一の越山荘経由 雄山11時ー尾根を大汝山に向かうも途中で雪、風、激しくなり雄山に引き返す、その後室堂に戻り、みくりが池温泉に宿泊。 ▼5月26日(土) みくりが池温泉から雷鳥沢経由、御前小屋通過、劔沢小屋12時着、宿泊。 ▼5月27日(日) 朝5時出発、劔沢を下り平蔵谷出会い、平蔵谷、平蔵のコル 蟹のヨコバイ、劔山頂、同じコース取りで15時劔沢小屋に帰還。 ▼5月28日(月) 小屋出発6時過ぎ御前小屋経由雷鳥沢、室堂、バス、ケーブルにて立山に戻る9時50分、その後善峰温泉立ち寄り、北陸道立山インターから京都に戻って来ました。 毎度の事ながら時間も大雑把オヤジ自身が把握していません。歩く速度も平均より遅くそのあたりは参考程度にしてください。(誰も信じてへん) ![]() ![]() ![]() こんにちは洛西オヤジです、今まで何回も書いていますが、昨年の4月の事故で残念ながら昨年は劔沢小屋の皆さんのお顔拝見できませんでした。今年も5月のゴールデンウイークが過ぎ春山の本格的なシーズン、冬の間ジーと冬眠していたオヤジ、この劔岳に登るために4月の声を聞くとボチボチ動き出し、何とか一昨年までのパターンで歩いて来ました。 劔行きに関しては毎回同じような報告になりますが、ただ今年は天候が不順でいろいろ怖い目にもあい、予定より一日滞在が伸びてしまいました。ドジなオヤジにお付き合いいただいている気分で、見ていただけたら嬉しいです。
◆5月24日(木)
▼5月25日(金)
さて室堂、前回はトイレでカメラを忘れエライ出足でつまずきました。今回は気合いをいれて9時頃出発、天気イマイチ、そういえば今日の天気の把握していません。マーええか尾根を見上げると雪の見えない所もあるし、と尾根コースで行く事に。
一の越山荘に到着、すぐに目の前の雄山の急斜面に向かいますが、一旦アイゼンを外します、みんな邪魔くさいので迷うところです。今回は展望悪く薬師方面はガスの彼方、なんだか少し雨が降って来ました、イヤ〜な予感がしますが、とにかく急いで登ります。
案の定、上はガスがかかり神社もガスの中、雪に埋もれています。時間は11時、とにかく神社直下の難所(雪が吹き溜まっています)いつもアイゼン再装着、で尾根に取り付き進みます。
しかし進む事30分、雪が霰交じりでひどくなり、風も激しくなって来ました。何度かこのコースは経験がありますが、今までとは様相が違います。尾根の一本道ですが、踏み跡は消えヤバイ感じ、決定的なのは自分の踏み跡が消えだしたのを見て、ためらわず引き返す事に。神社の社務所に戻ったのが12時丁度、冷たくなったパンとオニギリで食事、たまたまご夫婦がおられてシヤッターを頼みます。 初めて来られたみたいで、展望のないのを残念がっておられました。さあこの上は室堂に早く戻ります、室堂に着いて、先ず劔沢小屋に連絡、今から雷鳥沢経由で小屋に向かうか迷っていたところ、みくりが池温泉にでも浸かって明日ユックリ登ってきてください、とのアドバイス、はいそうします。幸い雪も止みユックリみくりが池温泉に向かいます、予定変更の連絡、家にもいれ急に気分が落ち着きます、やはり初心者はこれでなくっちゃ。
みくりが池温泉は、いつも前を通過して一度寄ってみたいな〜と思っていました。唯下山時はどうしても早く立山に戻って、それから温泉にとゆう気持ちが働き、なかなか寄れませんでした。今回初めて宿泊、結果はエエナ〜ええやんか、温泉最高源泉かけ流し、白濁して雰囲気バツグン、食事良し、従業員が沢山おられますが、皆さん親切、料金普通の山小屋並み、頼めばもっと優雅に食事も部屋も、グレードアップした泊まりも出来そうです。 此処なら家族と来られそうですが、混むのやろなあ〜、オヤジはもちろん通常の山小屋風の部屋で、三人泊まりでもちろんユックリ、後の二人は室堂の近辺を歩いて明日帰られるとの事でした。オヤジは当日二回、翌朝もう一回温泉に浸かってルンルンでした。
「すみませんー、シャッターお願いします」なんちゃって、余裕かましてエッチラです。雷鳥沢の登坂は土曜日とゆうこともあり踏み跡バッチリ、ただしんどいのは仕方ないですが、スキー履いて上る人はもっとしんどいでしょう、脱帽。やがて這い松が多くなり御前小屋の乗り越しに到着、同じなら早く劔沢小屋に着いてラーメン焚きましょう、先を急ぎます。
チンタラチンタラ上った割には早く、12時過ぎには劔沢小屋に到着、息子さんが受付、お父さんお昼寝、お母さんご無沙汰しています、嬉しい事に覚えてもらっていました。まあなんとなくでしょうが、「明日はどうされます」「はい劔山頂、ンー長次郎といいたいところですが、今回もヘタレで平蔵往復にします」「はいはい」ちょっとホットした雰囲気、 そりゃそうでしょう、素人のオッチャン、まして単独、心配されて当然です。「すみません、今日は土曜日でこの時期としては、珍しく多いので相部屋4人でお願いします」とのこと、その上「外国人のガイドと女の方二人です。外国の方はおそらく下で無いと無理だと思います」と先に着いたオヤジも下に入りました、 この時期の劔沢小屋としては珍しく食事も早番、遅番の二回得にガイドさんが三人付いたツアーのグループ10人ほどがおられて混雑していました。相部屋の3人は、国際山岳ガイドのオーストリア人の男性、身長2m以上のえらい迫力あるガイドさん日本語はまあ、まあ、OK、女性は若い30代かな〜間違っていたらゴメン、の二人で、実はこの3人グループ翌日エライコースを行きます。
天気は今日登頂された人達は満足満足、明日も今のところOKですが、はたして、明日登頂組みはほとんどが3時起きの為早く寝る態勢、(それだけハードなコースを歩く為)同室の三人にいたっては、素人のオヤジが想像も出来ないハードなコース、長次郎谷の右俣から尾根を越えて、池の谷ガリーに降りて上り返し、なんやかんや、素人のオヤジにはわかりません、まあこんな華奢な女性が行けるんかいな〜、初心者オヤジは4時起き、5時出発を目指します、お休みなさい。
▼5月27日(日)
予定どうり5時出発、結構寒いです、ヨタヨタと劔沢を下って行きます。ありがたいことにトレースが何本も、あの三人組みのでしょうか、何回かの経験で平蔵の出合い、最下部には行かず斜面を歩き谷に向かいます。まあそんなに違わないと思うのですが、気分的に得したーとゆう感じです。 谷に入った所で今までとはチョット違った感じが、俗にゆうところのデブリとゆうやつでしょうか、ごろごろ雪の塊があります、後で知ったのですが、5月に降った雪が流れ落ちて、このようになったとのこと歩き難い感じですが、まあそれほど辛くはありません。
やはり前日に相当歩かれているようで、トレースは大きいものでバケツの穴ぐらいあります。もういつもの調子でヨレヨレ、バテバテで平蔵コルに取り付く直前、上の方から大きな声が聞こえます。見上げるとカニのタテバイの斜面に4〜5名ロープを使って上る姿が、いずれも若者達で後で聞いたのですが、国立登山研修所の訓練中だとか、ここしばらくは大学生の指導者を養成する訓練中との事で、この後山頂でもその道筋でも何班にも別れて訓練するグループに遭いました。 指導者がいてピー短波で連絡取りあって、まあなかなか厳しい訓練が伺われます。これも後で立山の掲示板で知ったのですが、現在は春山の訓練そのほか女性や、高齢者対象の研修も行われているようです。まあ以前はなかったことです。オヤジはもちろんヨコバイをヨタヨタと登ります、まあこれだけ人がいる劔山頂はオヤジは知りません、それにしてもスキーの板担いでよく上ってきたものです。
天気は最高、んーしかしなんとなく崩れそうな気配を感じるのですが、まあ初心者のオヤジには判りませんが、写真パチパチ撮って早速下りに掛かります。
相当まとめて写真載せましたが、今さらたいした写真ありませんね〜。平蔵のコルに戻ってラーメン炊いてお食事タイム、一体ラーメン何食もってきているのや〜、平蔵の谷を下るオヤジの横を研修の若者が、指導者を先頭に追い越して行きます。若さ溢れる歩きで、オヤジには望めない躍動感です。ア〜ア〜ボチボチ引退やな〜、相変わらずヨレヨレになって15時頃、劔小屋に帰還、お母さんがお帰りと待っていてくれました。いつもこの時が充実感で満たされるのです。さあ又ヘタクソ写真少しまとめてみてください。
夕景の山の上の雲が気になるのですが、予感が的中してしまいました、とゆうのは同室の例の外国人ガイドの三人組の帰還が遅れているのです。ご主人も気になるのか、劔沢を平蔵の出会いぐらいまで見通せる所まで見に行かれますが、どうもまだ谷には人影が見えません。もう薄暗くなって19時を回ってしまいました。 こんな時に当たらなくてよいのに心配した雨混じりの雪が、心なしか遠くでカミナリも聞こえる気がします。日曜日の夜は、さすがに宿泊者も少なくなって、オヤジは別の部屋を一人だけで使わせてもらうことになりましたが、やはり気に成ります。何度か小屋の前に出てみるのですが、真っ暗な谷の雪渓にライトは見えません。 部屋で横になってウトウトしだした時に、「すみません。遅くなりましたー」と外国人男性の声、オヤジも飛び起きて玄関へ、大きなロープの塊をドサと置いて、小屋の人に状況を説明しています。女性二人はもう少し後になるとの事、ただもう劔沢谷には入っているので大丈夫との事でした。 大丈夫なのかな〜と心配しましたが、先に一人、さらに10分ほど送れてもう一人帰って来ました。よかったよかった、です。ただ小屋の方から救助隊に状況のTELをしてあったので、又その後の無事帰還報告で大変だったみたいです、三人とも平あやまりで女性は涙ぐんでおられましたが、小屋の皆さんはよかったよかった、良い良い、無事ならそれでよいからと慰めて、おられました。映画のワンショットを見るようでした。 やはり相当きついコースで、しかも途中から雪が降り視界も悪く予定を変更して、又長次郎に戻っての帰還だったみたいです。詳しくは聞いていないのですが、女性の指先は血がにじみ痛々しい感じでした。まあそれにしても大変なスタミナです。この時期に来る人は本来は、これだけの体力がある人達なんです。それにしてもよかったよかった。安心してお休みなさいです。
▼5月28日(月)
そそくさと御前小屋を通り過ぎ雷鳥沢を下りますが、ゴロゴロ、ピカーウワー来たーどないすんのん、戻るか御前小屋に戻る時間と下りる時間とどちらが早いか、周りはショボイ這い松だけ、擂鉢の中にオヤジが立っている状況。しかもピッケル、カラビナ、ストック、金気いっぱい、またピカー段々近い、真上にカミナリ雲があるのです。アワワ、アワワ、必死で下りるしかないがな。2回ほど頭からもんどりうってこけましたが、もう必死で顔も雪だらけ、首筋に雪がはいってきたのもかまわず、とにかく必死で降りました。 丁度雷鳥沢を下りきった頃、一旦カミナリが遠ざかったように思えたのですが、雷鳥荘に向かう最後の斜面を登っている時に又来ました。しかもピカーとゴロゴロの間隔が短く、恐怖感は倍増、前方を見ると男性が這い松の陰にうずくまり、カミナリがなるとすぐに少し走るように進んでいます。やはり誰でもこの状況は怖いです。 やっと地獄谷近辺の周遊道にたどり着きました。周りに少しだけ建物がありますが、皮肉なもので、カミナリは遠ざかって遠くでゴロゴロ音がしています。結局一番きつい、危険な状況の中雷鳥沢を下り室堂に帰ってきたわけで、無事に戻れてよかったー、なにか今回は初日と最終日が大変な天候になり、予定も一日伸びてしまいました。
室堂発10時のバスにギリギリ間に合いましたが、荷物がまとまりません。アイゼン外して手に持ち、そのほかストックもしまわず、もたもたしていると先のカミナリを避けもって歩いていた青年(向こうも私のことを見ていたみたいで)持ちましょうと、ゴチャゴチャしたものを持ってくれました、何とかバスに乗り込み、青年が席を取ってくれて話しながら、美女平に戻って来ました。まあお互いカミナリの恐怖を実感してきた訳で、同胞感が倍増しているのでしょう、話は弾み、アッとゆうまに美女平に着きました、青年は岡山の倉敷から来ているとの事でした。
美女平は人がいっぱい、アナウンスでカミナリの為ケーブルの運行をストップしていると事です。まあ岡山の青年も私も車なんで焦る事はないのですが、待つこと15分ほどやっと動いたケーブルで立山に戻りました。オヤジはお腹が減ったので、食事をしてから出発しますと青年と別れました、又どこかでお会いしましょう、とそのはずがなんと帰る途中にいつも拠るグリーンパーク吉峰温泉によったところ、やはり皆考えるのは同じで岡山の青年と会いました。おまけにもっとビックリしたのは、例の国際山岳ガイドのオーストリアの男性が、先に入っていたのにはビックリしました。 なんでそんな事になんるのか推理小説みたいですが、7時過ぎに劔沢小屋を出発、やはりカミナリの洗礼を受けたのですが、何とか10時45分のバスで美女平に戻ってケーブルで立山に、すぐに車でこの温泉に来たとの事。なるほどオヤジたちは、ケーブルがカミナリで停まっていたので、時間がそこで短縮、そのあとオヤジが蕎麦食っている間に彼のほうが先に温泉に到着していたわけでした。 まあ判ってみればなあ〜んだとゆうことですが。それにしても今回も沢山の人と出会い、又劔沢小屋の皆さんにもお会いできました。怖い目にも会いましたが、来年も必ず又この時期にきたいなあ〜、いや来るぞー 今年も感謝感謝の劔岳でした。 【洛西オヤジ記】 ![]() ![]() ![]() |
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