鈴鹿山系 雨乞岳(東雨乞岳) 


 
東雨乞岳から御在所岳と鎌ヶ岳


2013年8月9日(金) 曇りのち晴れ 森の旅人M

コース:
武平トンネル駐車場(滋賀県−三重県県境)〜沢谷峠〜コクイ・クラ谷分岐〜七人山分岐〜東雨乞岳〜雨乞岳〜(復路は往路ピストン)





 今年の夏の伊吹山については,いつものメンバーの山行報告が載っていました。実は私も行ったのですが,夫婦連の往復ともマイカーによる登山となったため,投稿は止めることに。そして代わりに急遽行くことにしたのが雨乞岳です。 前回7月に登った鎌ヶ岳・御在所岳の登山口が,同じく雨乞岳の登山口でもあったため今回登ることにしました。

 高速道の新名神「甲賀土山IC」で下りてから,コンビニに入り弁当を買いました。鈴鹿スカイラインに入り武平トンネルの滋賀県側の道路脇の駐車場に入れます。前回と同じ北側の駐車場としましたが,平日のため南側に2台駐車しているだけでさすがに登山者は少ないようです。

 天気予報で晴れの予測を期待して,夏休を取っての登山でしたが薄日の差していた天候はだんだん雲が厚くなり何時一雨あってもおかしくない状況になってしまいました。

 準備を終えて登山口に向かう。登山口はトンネルから滋賀県側に20m程戻った北側にある。標識に登山ポストがある。入り口は背の高い葉が道を覆っていて判り難い。分け入って行くと水路を挟んで先ほど駐車した場所の裏手に出る。スギ植林地に入り少し道が荒れており明確でないが,左手の斜面を登っていく。数箇所雨乞岳の標識が目に入り道を追って行くと次第にしっかりした道になってくる。

雨乞岳登山口 山腹を巻いて進む

 沢谷峠に向かうため御在所岳の南西尾根端の山腹を大きく巻いて平坦路ながらアップダウンを繰り返し進む。武平峠〜雨乞岳までに番号標識がありA番を通過,沢谷峠があるのだが表示する物は無いためいつの間にか通過したようだ。しっかりした道は南西から北へ向かう。細谷をいくつか通過してB番の標識。下り坂になり左手の谷に下りる。大杉2本が谷の両側に立っている所を通る。ここで鹿の姿,直ぐに逃げずに様子を窺っているがやがて急斜面を上って行った。

B番標識 2本杉が左右
谷を渡る C番コクイ・クラ谷分岐

 谷合流部のコクイ谷・クラ谷分岐に出る。C番標識あり。狭い左手の細谷に入っていくとロープが垂れ下がった場所の急斜面をよじ登る。

クラ谷へ クラ谷から急斜面を上がる

 赤いテープのある崩壊した荒れた細谷に下りる。右手に谷を見て,やがて次の谷合流部に着く。右手の谷筋には大石がゴロゴロしている。天気がどんよりとなり暗く怪しくなってきた。 谷筋を上っていく,道にはテープとルート上の石に赤スプレーが塗布してある。D番の標識。渡渉の繰り返しが始まるが,難しい場所は無く無難に進める。

谷には大石がゴロゴロ ヤマジノホトトギス

 E番標識,ここでヤマジノホトトギスを目にする。谷分岐から尾根中央に取り付き,一旦右手の谷から左手の谷上流部に出る,ようやく谷から離れて上がるとF番七人山分岐。ようやく東雨乞岳直下に到着。西の急斜道にG番標識,ササにコナラ・モミジなどの広葉樹道からササだけになるとようやく東雨乞岳に山頂に出た。

F番七人山分岐 東雨乞岳へ
ササ道 東雨乞岳山頂はガスの中

 しかし,山頂は残念ながらガスで四方八方全く視界が利かない。本来近くの雨乞岳に鎌ヶ岳・御在所岳を始め一望できるはずだが山並が全く見えない。そして強風,真夏の登山と思えない涼しさだ。しばらくいても変わりなさそうだ。真っ白な世界で昼食を終える。続いて雨乞岳へ行こうと何も考えずに赤い石の置いてある方向へ進んでいく。最初は平坦だった道が急斜面を下っていく。おかしい!初めて来た山だが地図を確認すると鞍部から直ぐに登り返す山のはずである。ここで方向を確認すると南に下っていたことを知る。安易な行動で時間と体力のロスが発生した。往復30分かかり山頂に戻る。相変わらずガスの中である。山頂で改めて方向を西に確認するとそちらにも赤い石が置かれていた。

雨乞岳へ 雨乞岳山頂

 何も見えない雨乞岳を目指し緩やかな坂を下ると直ぐに鞍部に出た。更に進むとササは背丈ほどになり掻き分けていく,目前に笹原に道が続く先に山頂が見えてきた。坂道を登ると思いの他狭い山頂に着いた。残念ながらこちらでも視界はない。

 せっかくの山頂だが数分で東雨乞岳に戻る。ところが戻る途中からガスが時々切れるようになり,ようやく東雨乞岳が姿を現した。急いで東雨乞岳山頂に戻ると先ほどまでガスで全く見えていなかった周囲の山もはっきりは見えないが薄く見えるようになってきた。見たかった鎌ヶ岳と御在所岳もはっきりでないが見ることができた。山頂に着いて1時間経過していたが,有らぬ方向へ下った時間ロスが逆に無駄でなくなったような気がした。

東雨乞岳が姿を表わす 鎌ヶ岳

 山の天候は気ままで直ぐにガスに覆われて,視界ゼロとなる。来た道を戻ることにする。しばらく下ると天候は完全に回復傾向となり夏の日光が降り注いできた,暑さを感じるが,鎌ヶ岳と御在所岳を見ながら下ることができた。七人山分岐から谷沿いに下り,渡渉を繰り返しコクイ・クラ谷合流点へ,それからようやく登山口に戻りました。

 駐車場には車は2台が停まっていました。平日なのでこんなものなのでしょう。 今回も湯の山温泉に寄ることにして,「湯の山ロッジ」さんの湯船に入りました。汗を流してすっきり気分で帰宅することができました。

 東雨乞岳のルート間違いですが,後で確認すると@地図と違い山頂へは東でなく巻きながら北から登ってきたこと。真っ直ぐ行くと当然南に進む。A東雨乞岳からの分岐は雨乞岳のみと思っていたこと。B一番の原因は方向を確認しなかったことCガスで視界ゼロが痛かった。など重なったのが原因でした。改めて慎重さが求められることになりました。