芦生/櫃倉谷から権蔵坂


 
芦生権蔵坂


2013年5月25日(土) 快晴 森の旅人M

コース:
須後〜研究林入り口〜落合橋〜櫃倉谷林道終点〜横山峠〜中ノツボ出合〜坂谷出合〜権蔵谷出合〜権蔵坂〜須後へ復路はピストン





 盛夏に向けて葉が色濃くしている山々,すっかり夏準備ができているようです。初夏の暑さが続く中,芦生に行ってきました。夏仕様で入山したものの深山のここでは,さすが陽の当たらない林道では涼しいくらいです。

 須後の駐車場には5台ほどが停まっていました。今回は谷歩きのため,最初から長靴です。いつも林道終点でトレッキングシューズから長靴に履き替えていたものの,時間が思いのほか掛かりため,そしてバックも軽くなるので一石二鳥です。

 歩き始めて直ぐにカメラ持参の風景スケッチ姿のおじいさんに出会う,アカショウビンが出るので待っているそうだ。落合橋で林道分岐となっているため左の櫃倉(ひつくら)谷林道に入って行きます。ここからは地道となります,快晴の空の下気持ちよく歩きます。

 あちこちの木に目立つものがあります。フジの花です。市街地ではとっくに時期が過ぎているのですが,丁度満開でその木に垂れ下がった姿は見事です。他には咲き始めのタニウツギにヤブデマリなど,野草の花は少ない。

研究林入口 タニウツギ
ヤブデマリ 満開のフジ

 林道終点では,長靴の靴擦れのため水膨れと痛みが出てきました。テープを貼ってそれ以上悪化しないようにしました。最初からしておけばと反省。横山峠へ渡河すると,直ぐ大木の倒木,乗り越えるには少し無理のようで大回りしてやり過ごします。初めてだと道が判りづらいかも知れない。左手に谷を見ながら急坂道の細道を登って行きます。イワカガミの群生を見ると峠に着きます。ここで咲き始めの花を数輪見つけます。峠を下ると中ノツボ谷に入ります。

 中ノツボ右岸に渡渉してそのまま,櫃倉谷本流に向かい直ぐに右岸へ渡渉,こらから左岸と右岸へと繰り返しの渡渉が始まります。天候の良い日が続いたのか水量も少なく水位も低い,当然清らかな水流である。明るくそして穏やかな谷です。坂谷出合を過ぎてやがてL字の大トチノキを目にします。根元は空洞となり割れています,よく頑張っているなあといつも思います。

横山峠へ渡河 坂谷出合

 谷が大きく右に曲がる所にもフジが咲いています,ここでもカメラに収めます。道は本流ナメ滝を迂回するため巻道に入ります,巻道途中にもナメ滝があり横切って行くと本流ナメ滝を見下ろしながら,ようやく巻道は谷に戻っていきます。崖に沿って歩いた先が権蔵谷出合です。

L字トチノ木 権蔵谷出合

 権蔵谷に入って行きます。この谷は2回目,ただし前回は下りのみで,上りは初めての道である。支流のため最初は細い谷だ,谷の斜面に残った薄い道を寄り添って歩くと倒木が道を塞いでいる。乗り越すと,再び倒木が現れる。

 この谷には道は無い,渡渉も始まる,細谷を適当に上流へ進む。櫃倉谷本流と異なり大きな岩が無く歩きやすい。長靴で谷の川を歩いて行く。トチノ木の大木がある場所に着く辺りから,出合の細谷と比べると一気に広くなっている。上流にナメ滝前に出る,右岸に迂回道を見つける。

目印のトチノ木 谷二股,右側へ

 権蔵坂までに二股の谷が4箇所,地図は必携である。最初の二股手前でまさかの人の姿を目にする。私と同年代の夫婦である。福井側の名田庄から入山してきたそうだ。先方もピストンで戻ってくるので,また会えそうだ。最後の谷二股には目印のトチノ木がある,右手の谷が櫃倉谷の源流である。左の枯れ谷に道を取る。権蔵坂直下には折れた木があり,正に案内してくれているようだ。

ナメ滝を迂回する 権蔵坂の云われ

 権蔵坂は尾根鞍部の変哲の無い場所である。この場所の説明文が立てかけられている。ブナ,スギ,コナラなどに囲まれている。若狭方面が望める。気持ちよい風が通り抜ける。木々の擦れた音と鳥のさえずりが聞こえる。ここで昼食を摂る。

 昼食後は,せっかくなので近くのP695まで上がってみる。尾根道を上り稜線に出る,直登は難しいようだ。そしてもう一段高いピークに上がる。P695で次の東に続く尾根を確認して権蔵坂へ戻る。

 櫃倉谷本流へ戻るため,権蔵谷を下る。ナメ滝を迂回する道から見下ろす谷は少し広いが,すっきりしている。権蔵谷出合に戻ると丁度,例の夫婦と再会。挨拶をして別れる。 

P695 林道に押し出すフジ
先端まで咲いたフジ ミズタビラコ

 谷に咲き誇るフジを堪能するため,近寄ってみる。匂いは余りしてこない。大きく咲き膨らんだ花は満開状態である。坂谷出合,櫃倉谷林道終点と結局,須後に戻るまで福井の夫婦以外,誰にも会わなかった。静かな山行でした。