廃村八丁/コシキ峠から八丁川遡上とトチヤナギ谷下降


 
浅瀬の流れ


2013年6月16日(日) 快晴 森の旅人M

コース:
京北町小塩〜西谷林道駐車〜西谷林道〜コシキ谷〜コシキ峠〜八丁川コシキ峠口〜八丁川遡上〜ババ谷口〜廃村八丁〜トラコシ峠〜トチヤナギ谷下降〜八丁川トチヤナギ谷出合〜八丁川コシキ峠口〜コシキ峠〜コシキ谷〜西谷林道駐車





 空梅雨が続く中,暑さ避けに谷を歩こうと急遽決めたのが八丁川の遡上,前日にしっかり降ったので川の流れが気になりましたが,行くことにしました。

 花背峠を越えて大布施から左折して国道477を京北町へ向かいます,やけに路上駐車が多いなと思っていると鮎釣りの解禁があったのでしょうか,多数の釣り人が河原で竿を出していました。

 京北町井戸から小塩集落に到着,更に西谷林道へ入っていきます。工事車両の出入りが多く狭い林道で鉢合わせになる所ですが,いつもの広場で駐車場所を確保します。家を出発した時は雲空でしたがすっかり青空になり一安心です。

 今回も渡渉が多いので最初から長クツで歩き通します。西谷林道の川沿いではウツギが,山側にはコアジサイが群生しています。他の野草の花は見当たらない。群生している初秋の花ミカエリソウもマツカゼソウもまだ花芽は無い。途中に山椒の木が一本あり丁度実が付いている,二粒取り指先でこねると山椒のいい香りが広がった。

ウツギ 山椒の実

 今回の目的の一つは西谷林道からコシキ峠への道だ。以前ダム工事をしていたが,その後が確認できていない,道が無くなれば西谷林道ルートは使えない。工事中は大変な目をして急斜面を登りダム箇所を迂回したが果たしてどうなっているのか。

西谷林道 コシキ谷口

 コシキ谷口に立つと一目で山道の状況が分かった。砂防ダム脇に丸太の階段が作られている。ダムは三段になっており,山道も脇を通るように造られていた。更にこの整備された道は,結局コシキ峠まで作られていた。以前は荒れ道だったのにとても良い道になっていたことは驚きだ。

コシキ谷丸太階段 コシキ峠直下の広域林道

 八丁川へ下る,前日の雨の影響はなさそうで水量も少なく,水位も心配するほどでもないようです。早速,対岸の右岸へ渡渉が始まります。2度目の八丁川遡上開始です。しばらく上流へ向かうと直ぐに2回目の渡渉,大きな一枚岩が川の中にありそこを足場に左岸へ渡る。

 この後ババ谷口まで30回ほど渡渉を繰り返します。森の中を流れる八丁川は木陰に被われ陽射しはほとんど届かないので涼しい。渡渉時の水位はくるぶしより少し深い程度だ。タツナミソウが目に入る。大きく何度も流れを変えるので大体の位置は注意していると分かるのが八丁川である。大岩も無く浅瀬が続き安心して歩ける,左岸でスギ林を通過した後ノコギリ谷出合に着く。

 大きな谷の流れ込みはこの谷だけなので位置はここで再確認できるだろう。でもここでようやく半分だ。晴天ながら弱冠薄暗いが落ち着いて歩ける。

 大きく回り込んだ河原で早めの昼食を摂る。この後少し川は形状を岩場に変えるところもあるが全体に浅瀬が続く。倒木で塞がれた場所を通過するとまもなくババ谷口に着く。

八丁川コシキ峠口 ゆったりとした八丁川
ノコギリ谷出合 狭くなった場所もある

 廃村八丁の巡視路小屋に着くが人影は無い。巡視小屋ついてSさんの紙が貼ってある。小屋を放棄したことなどが書いてある。玄関と窓は開け放され痛みが目にも分かる,残念ながら風前のともし火でこの目印となる小屋も近々倒壊しそうだ。

風前のともし火巡視小屋 トラゴシ峠

 巡視小屋の西から川を渡りトラゴシ峠に向かう。谷を巻いて稜線に上がり,更に尾根を上ると小広い場所へ,トラゴシ峠に向かう道に入るが少し不明確になっている。標識も立っているので注意すれば分かるだろう。 トラゴシ峠からはトチヤナギ谷に下りそのまま八丁川本流へ下降する。北のスギ林を下っていく。

 ここからは,道は無く荒れてくるが細谷をトチヤナギ谷を見ることのできる手前まで下りて来ることはできる。この谷は最後,ナメ滝となってトチヤナギ谷に落ちている。直下にトチの木がありそこまで下る,そこから上流に少し振ってやれば谷に下りることができる。改めて見上げるナメ滝は迫力がある。

トチヤナギ谷へ トラゴシ峠取付のナメ滝を見上げる

 トチヤナギ谷は,八丁川と違い細谷で岩場と小ナメ滝も多く歩きにくい。倒木に濡れた岩場が続き注意しながらの山行となる。谷合流に到着,この付近で目立つのが例の赤い石(岩)である。左岸の崩壊している岩をよく見るとこれも赤い。この後に湧き水場があり,うがいをするが,よく見ると細かな物が多数浮かんでおり飲むのをやめた。更に下っていくとようやく大きく曲がった八丁川本流に出る。対岸(八丁川左岸)に渡る。この後コシキ峠口に戻りコシキ峠に上がります。整備されたコシキ谷道を下り,西谷林道の駐車場所に戻りました。

赤い石 八丁川トチヤナギ谷出合

 このあと,帰宅準備のため先に左の長クツを脱いで続いて右を脱いだ時,クツ底に何か動くものが見えた。なんとヒルである2匹いる,慌てて先に脱いだ左側のクツ底を覗くとこちらにも2匹いた。両足の出血の有無を確認する,よかった特に異常は無くクツの中のヒルを駆除して無事帰ることができました。とんでもないプレゼントがありましたが,天気に恵まれ落ち着いた山行でした。