皆子山(足尾谷〜ツボクリ谷)


 
崩壊した林道


2013年11月16日(土) 晴のち曇り 森の旅人M

コース:
足尾谷橋〜林道終点〜ツボクリ谷出合〜ツボクリ分岐〜皆子山〜東尾根道〜足尾谷支流谷〜足尾谷〜林道終点〜足尾谷橋





 今回の山行は,皆子山へ行くことにしました。市街も紅葉が進んでいるため,山では少し遅い紅葉狩になりそうです。花折峠を出ると,途端に濃霧で視界が100m程になり心配したものの,足尾谷橋に着くと晴れ間が見られて,濃霧の影響はありませんでした。

 林道入口に大阪ナンバーの乗用車が停まっていました。出発して発電所手前に来ると小岩の落石があります。谷の水量確認するため発電所の魚道を見ると少し溢れ出ています,前日の雨のためか,やはり水量は多いようです。今日の足元はこれを見越しての渡渉対策として長クツで登ります。林道を進むと何と大きく林道がえぐられている,林道が無くなっている。100m近く崩落しており以前の面影は全く見当たらない。

 前方から老夫婦がやってきた,事情を聞くと大阪ナンバーの人であった。初めての皆子山であるが道が判らないので戻ってきたとのこと。何回も来ている私もこの状況は初めてのことで,道が無くなっていることを伝えると,直ぐに撤退を決めて戻って行かれた。大きく川に岸がえぐられて壊れている。一旦谷に下りて荒れた岩場を進む。しばらく行くと2箇所目の崩壊である。こちらは50m程の林道が無くなりコンクリートの護岸が倒壊している。ようやく林道終点。まさか,林道歩きでこんなに時間がかかるとは。

崩壊した林道1箇所目 崩壊した林道2箇所目

 対岸に渡るための丸太の半割橋が掛けてあったが,下流に流れていた。浅瀬から対岸に渡ろうとするが,30センチの深さがあり長クツでなければ渡渉できない気がする。対岸のスギ林を通ると最初の谷出合。先に進むと「くの字橋」を渡り左岸に渡る場所であるが,「くの字橋」が見当たらない。まさかの完全に流出だ。無ければ先に進めない大事な橋だったのに。対岸に渡るため,下流の浅瀬と岩を足場伝い何とか左岸に渡る。ここもトレッキングシューズでは無理だ,長クツを履いてきた値打ちがあった。

流出した林道終点の架橋 無くなった「くの字橋」
流出した「くの字橋」(上流から) 崖崩れで山道無くなる

 ようやく芦火小屋,晴れ間が見えて周囲の紅葉も赤と黄色と映えて見える。二の谷分岐からツボクリ谷・二の谷合流への渡渉も手を焼く場所である。ここも水位が深い,なんとか渡渉して,ようやくツボクリ谷に入る。

 勢いよく流れる小滝群を見ながら上がっていく,大雨の影響は無いのかと思っていると右岸の崖崩れにより従来の道が消えている,崖上の急斜に上がり先に進む。更にその先の小ナメ滝前では,大きな岩が谷に転がっている。確かにこんな岩は無かった。右岸へ渡渉してから急斜面を登り小ナメ滝を迂回する。他にもツボクリ谷では珍しい倒木による迂回もあり通過するのに時間が掛かる。続いて「一の滝」と付近も大きく崩れて変わり滝が無くなっている,左岸へロープのある急斜面をよじ登る,その先にある「二の滝」下も大岩が転がっている。左岸へ岩場を上る。少し開けた谷沿いでは,晴れ間の陽射しを受けて紅葉が映えている。

崩壊した「一の滝」 「二の滝」下流部も荒れている
谷沿いの紅葉 青空と紅葉

 その先は道が薄いものの,大きく変わった場所はないが荒れて歩きにくい。モミの木を通り,トチの木の大木の脇を通りようやくツボクリ谷出合に到着。予定時間より遅れている,急斜面が続く皆子山へ歩を進める。

ツボクリ谷分岐 ナメ滝の細谷へ

 山頂までの上流付近は,思ったより荒れてはいないようだ。この先の谷出合3箇所は全て右の谷に入って行く,最後の細谷を上り詰めれば山頂である。小ナメ滝であるが問題なく上れる。但し,急斜面が続き,しんどい。急斜面にあるロープ道であるが,この下が少し崩れて辿りにくくなっている。山頂に出ると男性が一人食事中であった。聞くと東尾根からの登頂と言う。彼は直ぐに撤退準備に取り掛かり行ってしまった。その後単独男性が二人登ってきた。共に東尾根から来たと言う。寺谷コースは橋が流出して渡れないそうだ。

ロープ道下は荒れている 皆子山山頂
武奈ヶ岳遠望 東尾根から急斜面を下る

 昼食は湯を沸かしてカップラーメンとおにぎり,少し寒いので暖かい食事でほっとする。復路は東尾根の途中から谷へ下る「マイコース」を取る。目の前に武奈ヶ岳を見ながら下る。陽が射せば残る紅葉が映えるところが,曇ってしまい残念である。急斜面を下り細尾根から無事谷に降り立つが,長クツのため途中で足首をひねってしまい,少し痛む。この谷も崖崩れが数箇所あり,道が無くなり安全確認して下る。人が入らない谷で歩き辛い。谷合流の三又に出る,ここからは作業道があり順調に下るものの,大きな崖崩れ箇所があり高巻きとなる。途中からは,道が無くなった箇所もあり時間を掛けて足尾谷出合へ。林道終点に戻るといつもならほっこりするのだが,今日は崩壊した林道があるので気を緩められないまま,足尾谷橋に戻りました。

右岸の崖崩れ 足尾谷出合

 皆子山には毎年通っていますが,こんなに荒れた皆子山は初めてです。「くの字橋」が流出したのは痛いです,更に何箇所も道が無くなり難しい山になっています。山の被害報告になりましたが,足尾谷に入る方は,十分気をつけていただきたいと思います。