新春恒例 愛宕三山巡り(NO.27)

 
真っ黒な愛宕山


平成25年1月3日 晴れ 小てつ単独

コース
愛宕寺横デポ場7:15〜試峠〜金鈴橋〜大杉谷8:10〜月輪寺道出会い9:05〜愛宕山三角点9:25〜地蔵山10:15‐10:30〜滝谷〜竜ヶ岳11:20〜首なし地蔵12:00〜梨の木谷本谷〜梨の木大神12:30〜デポ場13:45





 今年も恒例の愛宕山系三山巡りに行ってきました。今年は先月12月2日に一度愛宕山が真っ白になるくらいの積雪が有り、しめしめと期待したものの以後は全然降らずで、どうなっていますやら。

 例年通りに朝は丁度7時に家を出る。朝は丸太町通りも空いていて10分で愛宕寺脇の駐車地に着く。登山靴にだけ履き替えて、あとの準備は大杉谷の登山口でしようと試峠に向かう。

 今日は冷え込んでいるので、試峠の清滝側が凍っていないかと慎重に降りていく。ここは落ち葉がふきだまり、また車の通行量も少ないので、アスファルトの表面はコケが生えたようになっていてもとから滑りやすいのと、風の通り道になるのだろう、冬の朝一番は凍っていることが多く、気をつけなければいけない。

朝の鶏羽 登山者はみな表参道に

 清滝の駐車場にはまだ4,5台の駐車しかない。バイクもまだ一台だけ。数人の登山者は皆表参道に向かわれる。林道に行くのは小てつ一人のようだ。

 大杉谷登山口でスパッツをつけストックを伸ばし、上着を脱いで登りの準備をする。ここでの気温はマイナス2℃。大杉谷は去年と変わらない様子で、順調に高度をかせぐ。第一ベンチまでに単独男性2名とすれ違う。多分御来光見物帰りだろう。

 ところがどうだろう、第三ベンチを過ぎても雪が無い。つづら折れのところで面白い形の霜柱を見るが、雪は全く残っていない。月輪寺道と合流しても雪は無く、ジープ道にのっても地道のまま。寒いから凍ってはいるものの、残雪は無い。夕べザックの中に入れておくアイゼンを、6本爪にするか10本爪のにするのか迷っていたのがバカみたい。ノーアイゼン、ノースベランゾーでジープ道を三角点に向かう。風が強くてとても寒い、ここで気温はマイナス5℃。

大杉谷の霜柱 雪の無いジープ道

 三角点につき市内向きの写真を撮るが、手前の松の枝に雪がのっていない写真なんて、ここ数年ではないことだ。三角点に人気は無く、ベンチに座っておにぎりをひとつパクつく。三角点を後にする時に単独男性とすれ違う。

 急坂を降り、ジープ道を地蔵山に向かう。北山を見渡せる場所から見ると、比良のあたりにだけ雲がかぶさり、北山の山並みにも雪はないようだ。地蔵山への道は、スキー場跡の看板を過ぎ、掘れた山道から左に行けばジープ道、右に行けば地蔵山、正面に芦生杉のところの分岐場所の踏み跡がわかりにくくなっている。目印だった杉が折れてしまったためだろう。

全く雪の無い三角点 地蔵山ピークの防獣ネット

 あとはしっかりとした踏み跡があり、例年通り。地蔵山名物になってきた感があるアセビの花芽は、日当たりのいい株にはたくさんついているものの、全体的には少ない感じ。クマ棚も今年は見当たらない。

 地蔵山ピーク手前から、シキミ原側に新しい防獣ネットを見るようになる。地蔵山ピークに着くと、一人の先行者がおられた。見覚えのある方で、先方もそのような感じ。「樟葉の・・」と伺うと、「前に御一緒した・・」。そう2011年2月20日に白髭神社から地蔵山まで御一緒した「樟葉マダム」だった。

 ご挨拶をし、今日のコース取りなど話す。小てつの行っていない神社では、マイナス8℃だったそうだ。お互い雪が無かったことを残念がり、今日はこれから大杉谷で降りますと言われるマダムに、つづら折れに面白い形の霜柱があったことを伝え、「今日はここでラーメンを食べてから竜に向かいます。」と、お別れする。

 山で知り合いになったTOSHIさんや樟葉マダム、再び山で出会い、数言葉交わしてまた別れるだけだけど、こうして再会できれば大変うれしく思う。またどこかでお会いしましょう。

地蔵山ピーク

 地蔵ピークの日当たりのいい場所でラーメンタイムとする。今日は定番のサッポロ一番みそラーメン。ラーメンが炊き上がるまでそこらを見回ると、先ほどの防獣ネットはピークをかすめて西向き地蔵の方に伸びている。防獣ネットを引っ張っているロープが、肩ぐらいの微妙な高さで雑木に繋いである。ロープは登山道上をまたいでいて、普段でももちろん、積雪があると相当邪魔なことになる。今後雪山シーズンに、地蔵山に芦見峠から登ろうと計画の方々には、特にピーク手前で足を引っ掛けないように注意していただきたい。

 ラーメンを食べ終わり、反射板まで戻る。例年通り竜ヶ岳への近道である滝谷に降りていく。一度ジープ道まで戻って尾根続きで竜ヶ岳まで歩いて、どれほど時間差があるのかも試してみたいけど、今年は例年通り。

 例年同じコースを歩いて、コースタイムも載せさせていただいている。「コースタイムを載せるのは、どうかと思う・・」と哲郎さんと話すことがあるのだが、同じ人間が同じコースを歩いて、登山道の状況で、どれだけ踏破時間が変わるのか、参考になればとこのコースに限っては載せさせていただこうと思う。

 去年、一昨年と同じコースを歩いて、大きな違いは地蔵山から竜ヶ岳の間のここ滝谷を降り登りしている区間だけが変わっている。去年と今年では約30分も違う。他の区間では雪のあるなし関係無く、ほとんど変わらない。やはり滝谷のような難所で、時間がかわってくるのだ。

 滝谷を無事に降り登ってくる。ビブラム底の靴跡が竜から来る方向にひとつ、竜に向かう方向にひとつ残っていたから、正月早々小てつ同様に三山巡りに滝谷を利用した変態が何人かいたんだと思う。

竜ヶ岳ピーク

 竜の広場の尾根道出会いあたりで、単独登山者が尾根道の方を歩いていくのが見えた。ピークの登りで追いつきそうだったが、間隔を保ってついて行く。ピークで出会うと、女性だった。「雪が無くて残念ですね」と言うと、「雪があったほうがいいですか?」と聞かれるので、何とも返答に困る。

 今年は巳年なのでか竜ヶ岳ピークも去年ほどの人気は無く、そそくさと芦見谷方向、北東に向け降りていく。

 それでも途中で単独男性、家族連れの3名の登山者とすれ違う。家族連れ3名は、お父さんと中学生、小学生と見える男の子二人。正月3日に山に連れ出してくれるお父さんがいて、幸せな子供達である。おとうちゃん昼間からビールかっくらってコタツでダウン、その横で子供らがゲーム機で遊んでいるよう景色でも不思議な絵じゃ無いけど、エラい違いだと思う。「もうちょっとやで、ガンバって」と声をかけ別れる。

 芦見谷に降り立ち、首なし地蔵に向かう。竜の小屋に人影は無く、焚き火も無い。首なし地蔵の日当たりのいいところで御夫婦が食事中。駐車地には十台くらいの車で、案外少ない。今日は雪も無く、湿り気も少なそうだから、伐採時の迂回路では無く、本谷を降ってみようと、そのまま谷に降りる。ところが三歩降りてみて、降りたことを後悔する。いきなり靴底に赤土が高下駄状態になり、ここまでそう汚れなかった靴、スパッツがむごいことになってしまった。もう仕方がないので、そのまま降りる。

 本谷に降りたのは、湿り気が少なそうと思っただけでなく、昨夏の豪雨被害の状況を確かめたかったこともあった。朝の大杉谷はさほど影響はなかったようだし、月輪寺は承知の通り、梨の木の林道もゲートが吹っ飛びその先の林道が半分以上崩れていることは知っているが、その先の状態は確認できていない。

梨の木林道終点あたり 帰りにはほぼ満車

 本谷は記憶とは違う谷になっていた。中程にある山小屋は原型をとどめていたが、谷幅は広がり、流された倒木は大岩に溜まったまま、すさまじいことになっていた。被害の大きさが最も激しかったのは、林道終点の伐採時の迂回路分岐あたりで、橋ごと流されて場所が変わっているし、コンクリート舗装はめくれて流され、林道が川になったようにえぐれている。その後も林道がえぐれた場所や林道に岩が散乱しているところ、5月の連休に家族で歩いた時とは全く違ったことになってしまっている。

 それでも徒歩ならなんとかなって、鉄の橋あたりまで降ってくると落ち着いてくる。林道で単独男性とすれ違う。「今からですか?」と尋ねると、「は〜い」と返ってくる。今からじゃどこへ行っても帰りは真っ暗だろう。

 大杉谷分岐までくると丁度家族4人連れが降りてきたところで、抜いていくのも気がひけて、間隔をとってついていく。途中でお嬢ちゃんが靴紐を結びなおすのを見て、脇を抜けそこからは自分のペースで歩く。

 帰りの試峠で毎年なっているサルトリイバラを探すが、今年は実をつけていないようだ。去年はサルトリイバラもヤマボウシも不作だったんだ。今年はたくさん実のなる年になればいいですね。


                           【 記: 小てつ 】