地蔵山、愛宕山 (小てつ NO.40)


 
地蔵ピーク


平成25年8月4日(日)  曇り時々晴れ  小てつ単独

コース:
◆水尾共同駐車場稲妻号デポ(駐車料金¥500)〜猪ヶ谷〜ジープ道地蔵山分岐点〜地蔵山〜愛宕三角点〜岩ヶ谷〜デポ地





 連日猛暑日が続き、来週の仕事予定も結構ハードになりそうなので、そう無理も出来ず、かと言って仕事で流す汗と山でかく汗は種類が違うのか、やはり週に一度は歩きに行かないと調子が狂ってしまう。

 そんなことで、どこかええとこはないかいなと思案してると、ふと去年の今頃に愛宕三角点下の水場で会ったtoshiさんのルートを思い出した。水尾の先の猪ヶ谷を登って岩ヶ谷で降りるルート。Toshiさんは反射ミラーのところまで2輪ベンツであがったと言われたが、小てつは結局稲妻号で水尾の共同駐車場を利用させてもらうことにしました。

 

 朝方はどんよりとした曇り空、市内から見る愛宕山にはガスがかかっている。7時少し前に家を出てコンビニに寄り、丸太町通りを西進、清滝のトンネルの手前を鋭角に曲がり、平野屋の前の一の鳥居を曲がって六丁峠を越える。

 去年の豪雨の影響で、トロッコ保津峡と新JR保津峡駅の間で道路の崩落箇所が有り、未だに工事が続いている。上から土砂が落ちてきたのではなく、道路自体が崩れたようだ。

 それでも通行できるので、水尾には7時20分に到着。駐車場には村の男衆が集まっておられ、草刈の準備をされている。早くから御苦労様です。丁度車庫からバスを出してこられた運転手さんに、待機所のドアに500円玉を入れるのを現認してもらって、靴だけ履き替えて取り付きへと歩き出す。

保津峡駅近く、崩落箇所 デポ場

 六丁峠の温度表示は22度だったので、水尾はそれより涼しいはずなのに、歩き出すとうっすら汗が出だす。村落を抜けたところにある冬イチゴは、まだまだ赤い実には程遠く、やはり岩籠山のは異質だと思う。

 ブラブラと歩き20分ほどで猪ヶ谷と岩ヶ谷の取り付きであるカーブミラーのところに到着。ここでスパッツを付け、ストックを伸ばして準備をする。水尾まであがってくる途中で追い抜いてきたマウンテンバイクの二人連れがあがってきて「おはようございま〜す」と声をかけていき、彼らは神明峠の方に走って行く。

フユイチゴの実はまだまだ 猪ヶ谷、岩ヶ谷の取り付き

 猪ヶ谷の取り付きは、林道みたいなのができていて、クサリのゲートをまたいですぐに左に進めば良いのだけれど、昔にあった古道か作業道かがなくなっていて、林道みたいなのが沢に突き当たって終わるところから沢沿いに進んだのが失敗で、もっと良く古道を探せば良かったのに、最初の滝の脇を苦労して登る。ふと上を見ると立派な石組みの道が有り、やっぱり〜!と思う。

 しかし古道に乗っても、間伐材やら植林の枝やらが雨で流されたのが道上に散らばっていて、歩きにくい。両側の斜面の植林地の中の間伐採材もそのままほったらかしの状態で、林業に手間をかけていられないのだろう。でもどこの山でもどうにかならないものか。

 風のない谷道はそう暑くなくても汗が吹き出る。風のあるときなら尾根でも良いが、今日は尾根でも風はなさそう。ならば暑くなったらすぐに涼のとれる沢登りの方がいいかと、もくもくと登る。

 だいたい'熱中症にならないために、こまめに水分をとりましょう'と言うのもまわりくどいと思っている。つまりは、暑いと汗をかく、汗をかくと体の水分が減るので水分をとりましょうと言ってるんだろうけど、なぜ汗をかくかと言えば、汗が蒸発するときの気化熱で体を冷やそうとしている自分がいるわけで、それなら水分とりましょうじゃなくて、体を冷やしましょうの方がストレートだ。現に沢水にしばらく手を浸しただけで、スゥ〜と汗がひいていくのがわかる。

植林地は間伐採材でグシャグシャ 割れた瓦のような場所

 そんなことをしながら標高500mくらいで道は消え、割れた瓦のような砥石のなりそこないのような石の上を歩かされる。沢の水も一旦砥石の下に消えるが標高600mほどで元通りの沢となり、猪ヶ谷ではジープ道に合流するほんの手前まで水がある。

 休み休みで登ってきたが、取り付きからは1時間半ほどでジープ道の地蔵山分岐、スキー場跡まで200mの標識のところに出てくる。まだ早いので地蔵山まで行ってみることにして左に進む。

再び沢が現れる ジープ道出合い

 ここまで花らしい花は全くなかったが、オヤッと思ったのはアセビの若木の新芽だった。あったのはリョウブの花くらい。

 地蔵山に向かうと後方に一瞬だけ二人の登山者がいることに気づき、初老の男性と中学生くらいの男の子と思ったが、すぐにいなくなったのでどこへ行ったのかと思っていた。稜線に出ても風は無く、振り返る愛宕の鶏羽にもガスがかかっている。

 地蔵ピークに到着し、飲水。まだ早いので、ジェル飲料を補給していると、初老の男性が登ってこられ、続いてこられたのは何と「樟葉マダム」だった。中学生と思ったのは、「樟葉マダム」だった。(だって格好若い、若すぎるもの〜!)

 お正月以来ですね〜と再会を喜ぶが、小てつは正月以来愛宕山系には来ていないので、100パーセントの出会い確率となる。曜日も違えば、時間も違うのに、よく会いますね〜、よっぽど因縁があるんちゃいます?などと話し、しばし休憩。

 マダムは初老の男性ともお知り合いで、地蔵ピークにある座り心地の良い丸太は、この男性の製作だそうです。マダムと男性に今日のコースを話す。お二人とも、馴染みのないコース取りだそうで、一応興味は持たれたようだ。

花かと思えば・・ あるのはリョウブの花だけ

 マダムのコースも聞くが、何とマダムは保津峡からツツジ尾根で愛宕神社までまず登り、地蔵までピストンして大杉谷で清滝まで降りて、バスで帰られると言われる。小てつなら、ツツジ尾根の最初の20mで終わってしまいますよと話す。この季節に、朝ツツジ尾根から取り付くのは、太陽と競争になるんだろうか?とにかく暑いと思うけど・・・。

 じゃ立ちましょうとなって、三人で愛宕方向に戻る。色々とお話しながら三角点分岐まできて、「自分は三角点に寄っていきますので」と別れる。これでお会いするのは三回目だけど、だんだん若くなっていかれるみたいに思う。(格好だけじゃなくて、足の運びとかが・・)「樟葉マダム」またお会いしましょう。

 三角点広場には先客が二名で、それぞれ単独男性。三角点で市内向きの写真を撮り、すぐにベンチに陣取ってラーメンタイムとする。今日もチキンラーメン。

 ラーメンを食べている最中に、先客は立たれ、代わりに女性二人連れが登ってこられる。入念に日よけの帽子なのかなんなのか側面からもガードをして、広場に着くなり、「日陰は、日陰は・・」と探し、北尾根方向の日陰で休憩されたようだった。今日はかなり曇っているので、それほど神経質にならなくても・・と思うが、女性は何かと大変だ。

愛宕三角点 岩ヶ谷は右へ

 ラーメンも食べ終わり、三角点を後にし、少しだけ水を汲んで行こうと水場へ降りる。空いた1リットルのペットボトルに水を詰め、再びジープ道へあがると、出会いのところで男性と可愛らしいお嬢さんが人待ちげな様子をしているので話しかけると、越畑から地蔵に登ってきたが、仲間がまだ来ず待っていると言われる。逆に小てつが今登ってきた方向に何があるのかと聞いてくるので、「愛宕山系で一番美味しい水が出ている場所があります」と言うと、興味津々な様子なので、「見ておいてあげますから行ってきたら・・」と言うと、それじゃあと向かわれた。

 そう待たずに他のメンバーが来られ、訳を話すと4人中3人の方が向かわれ、残られたメンバーのリーダーと思われる方と話す。何でもリーダーの男性以外は、初めての山登りだったそうで、「またうまいこと言って、だまくらかして連れてきたんでしょう?」と笑う。全員が揃ったようなので、挨拶をして別れる。

 すぐに岩ヶ谷の分岐となり、ジープ道から右の谷へ降りていく。車も通れるほどだった道が、大きくえぐられてひどいことになっている。回り込んだ立派なお墓のところから谷道に降りていくが、谷の様相はあるものの、全く水が無く、以前と違う。前はここから既に水があった。きっと大雨のせいで水みちが変わってしまったんだろう。

目に付いたのはトチバニンジンの実 岩ヶ谷の沢水は無く

 いつも雪の時に、ここを登ってくるのだが、夏道のおまけに降りとなるので妙な感じだ。でも、記憶を思い返しながら、景色を楽しむ。標高700mくらいで沢水が流れ出し、もう降るだけなので登りよりも頻繁に涼をとりながらゆっくりと歩く。

 それでもやっぱり降りは早くて、1時間ほどで車道に降り立ち、また水尾までブラブラとアスファルト道を降る。去年は咲いていた生垣のユリの花はまだツボミ。ゆずもまだまだ青玉。

 デポ地に戻り、着替えをして水尾を後にする。保津峡までの旧道出会いのところで、御夫婦と思われる登山者を見つけ、乗りますか?と声をかけると、二つ返事で乗ると言われるので、お二人とも荷台にお乗せして駅まで送る。

ユリはツボミで ゆずは青玉

 駅に着き、荷台から降りしなに、こんなに(距離が)あるとは思いませんでした。とおっしゃり、ありがたがってもらう。そう、小てつが愛想がいいのは、何も山ガールにだけでは無いのだ・・・。

 toshiさんから教わった本日のルート、冬はともかく、夏道なら崩れた瓦の上を歩かされる猪ヶ谷が登りになるこのコース取りが正解だと思います。ただ、久多の久良谷同様、ガレた場所も相当有り、足元はしっかりとしたものでお願いします。また、ほとんど歩く人も無い谷なので、出かけられるなら複数人か、単独なら小てつのように、どこが猪ヶ谷で、岩ヶ谷なのかわかってもらえる人に連絡をして、もしもの時には探してもらえるようにして入ってください。