愛宕山系(自力帰宅) (小てつ NO.41) |
![]() |
竜ピークから地蔵ピーク |
![]() |
![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成25年8月14日(水) 快晴(猛暑) 小てつ単独
コース: ◆JR保津峡〜旧道〜水尾〜神社裏道〜愛宕三角点〜竜ヶ岳〜竜の小屋〜松尾峠〜朝日峰〜峯山〜高山寺〜福ヶ谷林道〜高鼻町BS〜周山街道〜自宅 ![]() ![]() ![]() 今年の正月3日の三山めぐりの折り、竜の東尾根道でお会いした親子三人連れの方、その後okaokaさんを通じてメールを下さりFさんと判明。Fさん、しばらく御無沙汰だったのだが、つい先だってまたメールを下さり、相変わらずお元気に愛宕を徘徊しておられると言うことだった。そのメールの中で、今年5月の連休に何と愛宕山系6山めぐりをされたというのだ。 そのコース取りが、表参道から愛宕に登って、わざわざ芦見谷源流道を竜の取り付きまで降りてから竜に登り(なんでやねん???)、滝谷で地蔵に登り返して、芦見峠に降り、三頭山にピストンして、芦見谷林道で竜の小屋まで帰り、林道を歩いて朝日峰、峯山と登って西明寺に降りたと言われる。洛西オヤジ殿得意の言い回し、「マニアックなコース取りですな〜」を通り越して、もはや愛宕中毒患者の域である。 もちろん小てつも愛宕に通いつめていた時期もあり、相当マニアックコースは歩いているつもりだが、こう言うコース取りは思いつかないし、まずやろうとは思わない。ところが、最近ずっとお手軽登山ばかりで、珍しくお盆休みが取れたことも有り、いっちょ久々にロングの歩きをしてみよかいなと思いました。以前に自宅から歩いて愛宕山をやっているので、それなら今度は愛宕から歩いて帰ってこようと思いつきました。猛暑の中、どうなりますやら?? ロングとは言え特別に早起きをしていくと、寝不足のハンデの方が気になって、起きたところ勝負で目を覚ますが、大体いつもの山行予定の時間に目が覚め、普段通りの準備をして自宅を出る。JRの駅に向かう途中のコンビニで食料と飲料水を仕入れていく。JRの電車は思っていたのより一本早い保津峡駅6時42分着のに乗れた。保津峡駅に着き、ホームから覗くと川の水量は少なく、保津川下りはできるんかいな?と思うくらいだ。 同じ電車に単独男性の登山者がおられたが、赤橋を渡ると右に行かれるので、どうやらツツジ尾根で登られるようだ。朝のツツジ尾根は、朝日を背中に受けて、暑いんじゃないかな?と思う小てつは左へ進み、面白くはないけれど、旧道のアスファルト道を水尾へと登る。
約40分で水尾の村落に到着、お盆だと言うのにここらではまだニイニイゼミが鳴いている。そのまま水尾からの参道に入る。参道を10分も歩けば神社裏道の分岐、「農林道行き止まり」の標識がある。ここまで歩いてきて、飲水休憩をとる。今日はラーメンセットを下ろしてきていて、その代わりに水を2リットルと、いつもはラーメン用のお湯を入れてくるサーモスに、冷たいお茶を仕込んである。水分は計2.5リットル。 神社裏道は、ずっと日陰にはなるが風の通りは悪い。しかし、手持ちの温度計では20度そこそこなので、それほどシンドいことはない。それに今日は湿気が少なくて助かる。 この神社裏道であるが、農林道行き止まりのくせに、ちゃんとベンチがしつらえてあり、計三ヶ所のベンチがある。大杉谷のベンチと全く同じ作りで、同じ筆跡のベンチ名が書いてあるから、作者は同一人物だろう。小てつはベンチのお世話になることもなく、日陰のうちにとガンバって登る。
1時間少しで参道まで登ってこれた。丁度40/40丁の看板のところだ。神社前広場はまだ閑散としており、例によって小てつは神社の石段を素通りして三角点に向かう。と、神社の石段を過ぎたベンチのところに、さっき見た装束の男性が座っているではないか。電車で一緒だったツツジ尾根に向かわれた単独男性だ。 お話をすると、10分ほど前に到着され、ツツジ尾根は木陰であり、風も通るので、案外涼しいということだった。ただ、ツツジ尾根でも中尾根でも、結局は水尾分かれからは表参道を歩いてこなければならないので、10分の違いなら、小てつは神社裏道を選ぶなぁと思うのだった。 男性と別れ、とりあえず三角点に向かい、本日1山目のピークを踏む。ベンチまで降りて、ジェル飲料を一個補給。すぐに竜ヶ岳へと向かう。ジープ道から竜の尾根道に入るのだが、何年ぶりだろう。いつもお正月は滝谷で竜なので、尾根道での竜は超久々となる。
地蔵への尾根道とは、やはり若干違った趣きのある竜への尾根道を楽しみながら進む。このあたりで、大体のタイムスケジュールを組む。愛宕に9時前に着けたので、竜に10時、朝日峰に大体11時、高雄に2時に着けなければ、それぞれエスケーププランを始動することにする。どこの山でもそうなのかも知れないが、こと愛宕に関しては、様々な道が有り、交通手段が有り、それらを頭に入れて、来てからでも修正が効くので、小てつは好きな山である。 竜には予定よりかなり早く9時30分に到着。地蔵の方向の木が伐採されて、地蔵のピークが良く見えるようになっていたが、この方向から見る地蔵は、大したピークには見えない。やはり地蔵は亀岡から見る雄大な山容が好きだ。 先日再会した樟葉マダムのお話では、地蔵山に1000回登頂のご夫婦は、その後竜ヶ岳にも1000回登頂されたのだそうだ。地蔵山の時には新聞に載ってたけど、竜ヶ岳の時にはニュースにならんかったのか?それにしても恐ろしく元気なご夫婦だ。ちなみにokaoakさん達ご夫婦は、夫婦で山に通っている事が話題になり、ラジオに出演されたことがあるそうだ。 さて今日も竜ヶ岳東尾根を降りて行く。丁度、正月に親子三人組に出会ったとこらあたりで、今度は「昔の山ガール4人組」に出会う。この時期、わかっていてここを登って来るのは、相当な根性の人たちであるので、もちろん声をかけると、「お盆にこんなところを登って行くのは、前世によっぽど因果のあるもの達やねん。」と豪快に笑いながら、パワフルに登って行かれました。 芦見谷に降り立ち、手と顔を洗う。降りでも相当汗をかかされた。竜の小屋は無人で、その先の「首なし峠」への分岐は林道をそのまま進む。途中、「素晴らしい雑木林」のP812からの尾根道の林道が合流し、突き当たった林道T字路を左に進む。林道を大きく右に左にカーブをすると、「ダルマ峠の水場」。以前は2ヶ所から湧き出ていた水が1ヶ所からしか出ていない。非常用に、空いた500mlのペットボトルに湧水を詰めていく。
この登山道中の水場であるが、このダルマ峠の湧水のように、山腹から直接湧き出ているものならいざ知らず、川であるとか、湧き出てしばらくたった「表面流水」のものを口にするのは、絶対に避けないといけない。問題は「菌」である。地下をろ過されてきた水は、しばらくの間空気と遮断され、好気系の細菌は死滅している。ところが表面流水には、十分に空気が入っているため細菌の混入繁殖が疑われる。上流で動物の糞、死骸などが浸かった水かも知れない。 以前、三国岳から天狗峠方面に歩いたと言う登山者が、岩屋谷の分岐まで帰ってきて、あまりの喉の渇きに、川の水を数リットルもガブガブ飲んだと言うレポを読んだことがある。これは自殺行為であり、本人は理解していないだろうが、その家族にも危険極まりない行動だと言えるだろう。何もなかったのは、ただ運が良かっただけと思う。 細菌の怖いのは、その量であり、人間の内蔵(特に腸)内で、消化されるか、増殖するか、その量で決まる。消化できる量を超え増殖すれば、様々な弊害が起こる訳で、また本人にだけ起これば良いけれど、それが元で下痢をして、自宅トイレで自身の家族の子どもに感染など、ありえる話なのだ。とにかく、山に入る時(夏場は特に)十分な水を持って入るのが、当たり前の山人の心得であると思う。 このダルマ峠には、自転車のBMXの連中がよくたむろしているのだが、まだ時間が早いからか、一台もいない。林道をまた降り、分岐に着く。左の方が鮮明な林道であるが、朝日峰に向かうのは右側の古ぼけた方。進んで行くと、途中で、そこがカヤノキ峠の目印であるU字型の進入禁止枠があったりする。 松尾峠のお地蔵さん分岐のところで、古ぼけて何が書いてあったのかわからなくなった板標識に松尾峠とあるが、松尾峠はもう少し先の古道との合流点である。古道の方に進むと、ほんの少しの区間だけ、昔を思わせる木馬道のようなのが残っていたなぁと思い出す。
林道を少し進むと、左手の藪の中に向かう見落としそうな分岐が有り、それが朝日峰に至る山道で、10分ほどで朝日峰ピークに行けるのだが、ずっと林道を歩いてきた足は、この少しの登りで弱音を吐き出す。ストレッチをしながら、ゆっくりとおおよそ30mほどを登って、今日3番目のピークを踏む。鷹ノ巣山と同じで、何故かピークに石が散乱している。「パワーストーン」???
林道に戻り、先へと進む。しばらく歩いたところで降り坂、1台のBMXがすごい勢いで追い抜いていく。すぐ近くにくるまで、全く音も無かったので驚く。 まだかまだかと思いながら歩いて、ようやく林道終点に着き、ここからは山道となり、ホッとする。このあたりは、これぞ京都北山と言う道で、まだ松の残る雑木と植林の入り混じった、ふかふかの道を踏む。すぐに峯山のピークに向かう分岐で、峯山には30mほど登ることになる。やはりここの登りもキツイ。
ここまでの道は、それほど去年の豪雨の影響を感じなかったが、峯山から高山寺に至る道が相当荒れていた。大きな倒木が幾本も登山道の上にかぶさり、特に標高260m付近では、土砂崩れが起こったのだろう、谷が倒木で埋まり、トラバース道がつくられていた。 それでも、無事に高山寺の御廟の裏に降り立つ。境内を降りていくと、通過するだけでも料金がいったはずだが、シーズンでなかったのか、小屋は閉まっており、無人。それなら仕方ないと、石段を降り、周山街道に降り立つ。
通行量の多い周山街道を怖々歩き、京都一週トレイルコースである福ヶ谷林道の取り付き手前にあった自販機のベンチを陣取り、まだ手をつけていなかったオニギリをパクつく。ここで1時。十分想定の時間はクリアしているので、エスケープの理由も無く、とにかく福ヶ谷林道に入っていくのだが、進むにつれてどうにも足がおかしくなってくる。 痛いとかじゃなくて、思うように動かないと言った方がいいかも知れないが、とにかく不調。座って休むと次にもっと変調があるかも知れない不安がよぎり、ゆっくりと調子を見ながら進み、度々手を膝について、立ったままの休憩を取る。 水分は十分とっていて、腕を舐めてもまだ塩っ辛いので、体液に変調は無い。どうもカチカチの林道歩きがこたえたようだ。竜の小屋から峯山の手前までは地道、またこの福ヶ谷林道などはアスファルトの林道ときている。 福ヶ谷林道の峠が標高300m、沢池への分岐まできて、当初あわよくば沢山もクリアして、そこから桃山まで縦走すれば、愛宕山系4山に加え沢山、菩提山、桃山3山で、7山縦走となり、Fさんの6山を超えられるかと思ったが、どうにも足が不調であり、初志貫徹で登ったにしても、あまりいい思いは無いだろうと、ここはあっさり福ヶ谷林道を降って、高鼻町へ進むことにする。 福ヶ谷林道は、去年の豪雨か最近のことか、かなり荒れているところが有り、去年の暮れに訪れた後から、重機が入った跡がある。峠から少し降った標高280m辺りで、京都では珍しくミンミンゼミの声を聞くが、20mも降ればアブラゼミに変わるので、昆虫達の住み分けバンドは、相当タイトなものなのだろう。 林道を降る途中で、どうにも足が痛くなってきて、それまでザックに収納していたストックを伸ばす。今日はロングなので体力温存と、竜の東尾根以外はとザックに収納していたのだ。ストックを使うと、幾分足痛はマシになり、辛抱せずにいつも通り、ストックを使えば良かったと悔やむ。 林道の終点、澄江寺の手前まで来て、Tシャツからズボンから着替える。澄江寺では、お盆というのに、何やら工事が進んでいた。ズボンを履き替える時に、足がつりそうになったことから、きっと沢山アタックを試みていれば、えらいことになっていただろうと、回避して良かったと一人納得する。
さっぱりとして、高鼻町のバス停にたどり着き、バス時間を見ると、JRバスがすぐ来るようだ。しかし、この時間のJRバスならほぼ満員だろうと、覚悟を決めて歩き出す。まだ3時前、一番暑い時間帯にアスファルトを歩くことになるが、ここからなら自宅まで1時間はかかるまい。途中、自販機もあるし、行き倒れたら誰か救急車を呼んでくれるだろうし、一番近い嵯峨野病院なら知ってる看護師さんもいる。 周山街道を走る車を見て、誰か知ってる奴は通らんかいなと恨めしく思うが、もうここまできたら歩き通したらんかい!仁和寺の前まで来ると、ここからなら、いつも来ている88ヵ所の帰りと同じやんかと、元気を振り絞って自宅まで帰るのでした。帰ったら発泡酒よりも、水風呂ザブンや!。 愛宕山系6山めぐりのFさんは超えられませんでしたが、とにもかくにも愛宕三角点から歩いて自宅に帰って来れました。家族に話すと、口をそろえて「アホちゃうか」とのことでしたが、久しぶりに出し切った感じの歩きができました。Fさんきっかけをありがとうございました。 ![]() ![]() ![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |