愛宕山〜地蔵山 (小てつ NO.46)


 
地蔵のごま塩モヒカン頭


平成25年12月23日(祝) 晴れ 小てつ単独

コース:
◆JR保津峡駅〜中尾根〜水尾別れから表参道〜三角点〜地蔵山〜大杉谷道〜スカイライン〜ツツジ尾根〜JR保津峡





 21日に降雪があり、北山も今年はじめの雪踏みができそうと、昨日頑張って家の仕事をして山行の許可をもらい、23日は山に行けるとなりました。ただ、夕方には娘二人の送迎をしなければならず、早く帰ってこれる近場の山と言うことで、鉄板の愛宕行きとなりました。せっかくなので、雪と言えばの地蔵山にも行ってみようと思いました。

 道路が凍結していることはないだろうけど、今日はJRのお世話になって、7時29分着の電車で保津峡駅に降り立った。小てつのほかには単独女性がお一人だけ降りられた。改札のあたりで「おはようございます。」とお声をかけ、「今日はどちらから?」とうかがうと、「ツツジ尾根か中尾根か迷っています。」とのことで、中尾根を御存知とは愛宕通とうれしくなる。「私は中尾根で登ります。」と言うと、「じゃ私も。」ということになり、連れ立ってアスファルト道を水尾方面に歩き出す。お話をしながらの歩きは、あっという間に着くもので、ここでスパッツやら準備のいる小てつを尻目に、単独女性はそのまま登りはじめられた。

今日はJRで 朝の愛宕

 中尾根の取り付きからしばらくは、シダの中に明確な踏み跡があるのだが、雑木の林の中までくると、イノシシのせいなのか、踏み跡が交錯するようになっている。でも中尾根というように、とにかく高いところに登れば稜線に出て、はっきりとした踏み跡を見ることができるので、とにかく登ることだ。

 稜線に出てすぐに、先行の女性に追いつく。先に行かせていただくが、しばらくはペースを落として、あれこれお話をしながら新しく張られた防獣ネットのところまで御一緒する。

 女性は山慣れした方で、今年は北海道遠征を予定していたのが、腰を痛めてしまって中止になってしまい、今はリハビリに愛宕くらいしか来れませんということだった。ネットが切れる手前で「ここで少し休憩していきます。」とのことでお別れし、そこからは小てつペースで登って行く。中尾根の到達点である水尾別れの手前標高650m付近から、急に雪景色となり、水尾別れの小屋のわずかに水尾よりのところで、表参道と合流する。

中尾根の直登道はネット西側を登る 水尾別れから極端に雪

 ここでスカイラインにと思っていたところ、単独男性が何やら佇んでいる。「どうしましたか?」と聞くと、「このあたりに、カメラを落とした。」ということだった。確かにこのあたりで最後に写したので、戻って探しにきたと言われる。

 小てつも今年「経ヶ岳」でカメラを落とし、探しに行ったことでもあるので、気持ちは良く良くわかるし、じゃ探してみましょうとなって、表参道を歩くことになる。去年は十三年ぶりに表参道の同じところを降ったし、よもや十四年ぶりに登ることになるとは・・・。

 表参道を少し登ったところで、さすがの猟犬小てつを発揮して、落ちていたカメラを見つけた。全く道の色と同化していて、先行者に見つけて拾われることも無かったようだ。

 カメラがあって一安心。こんどは単独男性とお話しながら歩くこととなる。お話をしていると、男性は去年高島トレイルを完歩されたと言われる。小てつも2年前に完歩できました。と言うが、何と男性は、単独はもちろん、公共交通機関を使っての完歩だとおっしゃる。一番難儀したのが、「大見影山」で、ビラテスト今津までタクシーを使って、そこから水坂峠まで一気に歩かれたそうだ。
(ちなみにJR今津からビラテスト今津までのタクシー代は¥5,000.―だったそうだ。)

 「車使用でも、同じところに戻ってこなくてはいけないので、大変だったでしょう」と、逆にねぎらっていただき、会話もはずんで、あっという間に神社前広場に近づく。

神社前広場 今日は比良まで良く見え

 「ブログか何かされているんですか?」と男性が聞かれるので、「ホームページに投稿はしています。」と言い、逆に「何かされているんですか?」と聞くと、「私は何もしていなくて、いつも'テクテク'をのぞくばかりです。」とおっしゃるので、「okaokaclubですか?」と聞くと、「そうです。」との事で、「実は・・。」 となり、自分が小てつだとお話する。お話では、やはり哲郎さんの絵地図が、大変わかりやすくて参考になるとのことでした。

 男性がトイレに行かれると言うことで、ここでお別れし、小てつはいつものように神社を素通りして三角点に向かう。ジープ道からは比良の山までスッキリと見え、北山の山々もいつもより近くに見えるほど・・。

 三角点手前の急坂に今日の踏み跡は無く、小てつが一番乗りのようだった。三角点で写真を撮り、ベンチでジェル飲料だけ飲む。三角点の鉄塔から、時折、着いた氷がキンコンカンコンと落ちてくる。この高さでこの感じなら、スカイツリーから落ちてきたら恐ろしいだろうなと思う。

愛宕三角点ピーク マムートの手袋

 ここまで薄手の手袋で登ってきたが、やわら寒さを感じてちゃんとした手袋をつけることにする。実は今年の誕生日に、手袋を贈ってもらったのだ。何とマムート!あまりにマムート、マムートと言っていたのか、「手袋くらいやったら今年はマムートにしたる。」とのお言葉をいただき、ついにマムート星人に至る第一歩ということになった。(端から責めるのだ・・。)

 武奈、堂満の厳冬期になると、実はモンベルのウールの手袋が一番あったかくていいのだけれど、京都北山の微妙な標高では暖かすぎでも無く、寒くも無いようなのがいい。贈ってもらったのは防水、防風の中厚ので、丁度いい感じ。ストック操作にも、カメラ操作にも支障無く使えた。

 三角点の降りでもアイゼン無しで歩けたので、この先もいらないだろうと思いながら「地蔵山」を目指す。ジープ道から旧スキー場の別れに進むと、明らかに今日の踏み跡と思われる靴跡が有り、何と行きと帰りのがある。こんな時間で既に往復された方がいらっしゃる。愛宕に来ると、いろんな方もいらっしゃるものだ。また、今日の踏み跡はともかく、前々日に降ったはずの雪に、トレースがしっかりと残っているので、昨日に団体さんでも歩いたのか?

竜のごま塩頭 満開の桜のよう

 「地蔵山」までの道では、雪の乗った木々が全て満開の桜のようであり、見事な景色となっている。風も無く、空気も澄んでいて、この三連休では絶好の日だ。しかしながらこんな日に、ここでは誰とも出会わず'貸切状態'。11時に地蔵ピークに着き、ラーメンタイムを終わっても、誰も到着無し。それはそれでいいもんで、静かな地蔵ピークを後にする。

ひと目千本の向こうに愛宕の鶏冠 地蔵ピーク

 愛宕への復路で、単独男性とすれ違い、「今なら貸切ですよ。」と声をかける。単独男性と別れてしばらくすると、今度は単独女性と出会った、道を譲り行き違う時にふと見れば、何とおばさん山歩き隊のTさんだった。Tさんとは先日の桟敷の折に、大谷林道でお会いしたばかり。Tさんは小てつと狙いが一緒で、雪なら地蔵と言うことだった。「今日は比良の山々まで良く見えますね〜」と話し、「新年の懇親会で、またお会いしましょう。」「良いお年を。」などと言い合い別れる。

北山の眺望

 ジープ道に戻り、帰りは大杉谷道からスカイラインを予定して、月輪寺道に降りていく。ここで12時10分。この時間でもたくさんの方が登ってこられる。登りの方に道を譲りながら、大杉谷の別れまで来ると、学生と思われる団体が登ってきて、「あとどれくらいですかね?」と聞いてくるので、「神社までなら30分くらいですかね。」と答える。先頭の男性が、岩用のヘルメットをかぶっているので、「その格好で愛宕のどこに行くの?」と聞くと、「最近買ったので、かぶってみたくて。」と言う訳で、それなら気持ちは良くわかる小てつであった。

 ベンチでは昔のお嬢さん三人連れが昼食中だった。何故かお声をかけることになり、しばし休憩がてらお話することになる。お嬢さん達は、大杉谷で登ってきたが、雪があるのでここから月輪寺道で降りますとのことだった。「三人でアイゼンがひとつしかないので、片方づつ付けて降ります。」とのことだったが、「余計に危なくないですか?」と言う。「今日の雪質なら、上までアイゼン無しで行けますよ。」と言うが、自信が無いとの事で、それは懸命な判断だと推奨する。「帰ったら、どこに行ってきたと言おう。月輪寺に行ってきたかな?」と言われるので、「立派に愛宕山でいいんじゃないですか?ここら全部愛宕山ですから。」と言い、今日の小てつのコースを聞いてこられるが、説明に困る。「愛宕は網の目ですから・・」と笑って別れ、小てつは大杉谷道へ降りていく。

だそうです 愛宕スカイライン

 スカイラインの取り付きが若干わかりにくくなっていることは、いいことなのかも知れない。分岐からしばらく崩れたところや、岩が露出したり、木が覆いかぶさって歩きにくいところもある。それでも表参道に近づくにつれ、道はしっかりとしてくる。途中で引き返しているひとつ踏み跡があった。

 表参道に出会い、ここで1時。まだまだ表参道を登ってくる方たちがいる。その中で、ひと組の若いカップルが目について、見れば女性は普通のブーツ。「ここから先は、雪が極端に多くなるよ。」と男性の方に注意する。本当なら、ここで1時なら、神社まであと1時間はかかるだろうし、それから降りてくると、もう暗くなるということも言いたかったが、そこまでは言えなかった。こういう変なのがいるので、表参道を歩くのが嫌な小てつ。だいたい本格装備でも、この時間に登ってくるということ自体、小てつには理解不能。この時期なら、もう降りる時間じゃ。

 そんなことで、早く表参道から離れたい小てつは、ツツジ尾根の取り付きまでを急ぐ。ツツジ尾根に入れば、流石に今の時間から登ってくる変なんはおらず、ここも貸切で、もくもくと降りていく。今日はそんなにベチャベチャでは無く、靴もそう汚れなかった。

 あと少しで保津峡駅と言うところで、今年も一本のミツバツツジの狂い咲きの株を見る。この株は、毎年今頃咲いているので、開花のスイッチが大きくずれた株なのかも知れない。

ミツバツツジが狂い咲き

 今日はタイミング良く、次の電車まで15分というところでJR保津峡駅に戻ってくる。駅前で帰り仕舞をして、ホームが日当たり良さそうなので、ホームで電車を待つことにする。日当たりの良いところまで進むと、単独女性がたくさんのユズが入った袋をさげている。別に行商では無く、水尾のお店でもらってきたのだと言われる。先日、山の納会が水尾で有り、その段にお土産を頂いたのが、ユズジャムやユズ湯でなくなってしまい、再度もらいに愛宕に登りついでに来たとおっしゃる。

 「山登りか、ユズか、どっちが本命かわからないですね。」と笑い、「水尾も小学校がなくなったんで、寂れる一方ですね。」と話し、「でも時間がゆったり流れているので、素敵なところです。」と言うことだった。そんなことを話しながら、2時20分発の電車に乗り込む。

 いつもは誰とも出会わない山行が多い小てつですが、今日はたくさんの方々との出会いがあり、また良くお話した一日でした。たまにはこんなのもいいもんですね。