桟敷ヶ岳+城丹国境尾根(飯森山まで) (小てつ NO.44)


 
鉄塔広場より飯盛


平成25年12月1日(日)晴れ 小てつ単独

コース:
◆大森キャンプ場奥、石碑のある広場にデポ〜薬師峠〜桟敷ヶ岳〜城丹国境尾根〜大谷峠〜飯森山〜大谷峠〜大谷林道〜デポ地





 しばらくぶりの投稿となります。と言いますか、しばらくぶりに歩きに出かけました。

 今年の紅葉は大したことないのに、やけに京都の紅葉をアピールするなあと思っていると、やはり台風で被害の出た嵐山を盛り上げようとしているのだろう。社寺もライトアップがいたるところであって、観光客も時間の幅が出来ていいことだろう。それにライトアップすると大したことない紅葉でも綺麗に見えるものだ。上ばっかり見るしねぇ。

 下界じゃ盛りの紅葉も、山じゃ既に落葉となって、またフカフカの落葉踏みが出来るのではと、行き先を雲取山にしようか桟敷ヶ岳にしようか迷って、まだ貴船の渋滞に巻き込まれそうな花背方面は敬遠して、混めば杉坂に迂回出来る桟敷ヶ岳にしようと、いつもの「地図もイランで周回コース」とする。

 7時丁度に出発できたのだが、通りに出たところで、近所のYさんが犬の散歩をさせているのにバッティングしてしまう。相変わらず好きやな〜と思われているだろうなぁ。

 周山街道杉の里トンネルのところの路面温度表示はマイナス1℃と出ていて、いよいよ冬到来だ。小野郷から大森に別れるところにある岩戸落葉神社の境内は銀杏の落葉の絨毯になっていて見事だ。でもまだ朝早くて明るくないので、写真は帰りに撮ろうと先へ急ぐ。大森の田んぼには霜が降りたようで、かすかに白くなっている。

 今日は大森キャンプ場の駐車場にお世話にならず、もう少し奥の石碑のある空き地に稲妻号をデポする。駐車代をケチった訳ではなく、この時期はディキャンプ目的のお客さんがいっぱい来て、駐車だけの客は迷惑かな?と気を使ったのだ。

朝の大森 石碑のところに

 登山靴に履き替えて準備をし、7時40分に出発できた。一度キャンプ場まで取って返して赤い橋を渡り、林道に取り付く。少し登った林道ゲートに今日はひもで通せんぼがしてあり、「立ち入り禁止」の札がかかっている。ここで立ち入り禁止と言われても困ったもので、何かあれば小野郷のKさんの名前を出せばいいやと入らせてもらう。Kさんは小野郷の消防団に入っておられて、大森と小野郷の消防団はよく一緒に活動されているらしく、ここら辺で何かあれば、いつでも名前を出していいですよと言ってもらっている。小てつの場合、「小野郷」、「中川」、「真弓」、「黒田」とこの辺にそれぞれ知り合いがいて、何かの時には役立つのだ。ここらの事情もよくわかるし。

 okaokaさん達がいつも降りてこられるこの林道、薬師峠までを出来るだけゆっくり登るのが後々の快適を生むのだが、今日は寒くて自然と早足になってしまって汗をかき、結局いつもの通りの小伐採地の林道の地面がコンクリートになっているところで衣服調節となる。これからの冬に向かって、汗をかかずに歩く練習をしなければいけない。ということで、今日のテーマを「汗をかかない程度にゆっくり歩く」とする。

 静かな静かな薬師峠に着く。今日は風も無く、木の実も無くなったせいかまた鳥の声すらしない。朝の光が横から差し込む、穏やかな谷の景色を眺めながら桟敷ヶ岳へと向かう。林道はいくらか大雨の跡が残っていたが、桟敷の山道は以前と変わらない様子。

ドライフラワー 静かな薬師峠

 岩茸の分岐を今日もトラバース道へと向かい、また合流。植林地からやっと雑木の広い谷に来ると、既に葉っぱを落とした落葉樹の木立の間に真っ青な空が目に飛び込んでくる。下界からじゃ水蒸気の層があって、この青空の色は望めないし、また山の上でもこの季節にならないと拝めない。うれしい季節になってきた。

 どんどん明るくなってきたような雰囲気の都眺めの岩で休憩、アミノサプリのジェル飲料を飲む。市内向きは水蒸気で眺望が無いので、すぐに出立。鉄塔広場に近づくと、今日は電線がジジジと鳴っている。広場の手前の地面は、霜柱で持ち上がっていて、ザクザク音がする。今朝はかなり冷え込んだのだろう。

桟敷の尾根は冬枯れ 冬枯れにヤドリギが目立つ

 桟敷ピークのすぐ手前で、一頭の鹿がまだ寝ていたのか、小てつが近づくのに気付き、慌てて逃げていく。こんな高いところで寝ているなんて珍しい鹿だ。ピークには当然誰もおられず。ただ、石積みのケルンが何故か二つ増えていた。 ここでも長居はせず、すぐに国境尾根の方に向かう。

坪庭のササ ケルンの増えた桟敷ピーク

 ナベクロ峠までは、日差しもあって気温の割には暖かく感じたのだが(5℃ほど)、それより先は風が出てきて急に寒く感じる。やはり、前回雪の季節に感じた通り、このあたりで山城と丹波の気候の違いがはっきり別れるんだ。

 129鉄塔まできた時に、銃声のような音が連続して4回聞こえた。犬の声はしないので、追い込みの猟ではなさそうだが、今日は猟師が入っているのか?それで大森の林道のところに立ち入り禁止の札がかかっていたなら納得出来る。11月15日からは猟が解禁となるので、気をつけなくてはいけない。これが、ナカマタに近い場所なら、射撃場の音だと思うのだけど、音は祖父谷方向から聞こえたので、猟に間違いないだろう。ここら辺は、犬を使わない罠を使った猟をするんだと聞いている。

 ここら辺で猟を行っているのは、実は地元の人ではないようで、市内の羽振りの良かった方たちが、趣味が高じて続けておられると聞いている。羽振りの良かった人たちが極端に少なくなったので、今ではあまり盛んではないそうだ。少しくらい景気が上向いたところで、昔の旦那衆の道楽が復活することは、なかなか無いだろうから、鹿も猪もしばらくは好き放題できる。

本日はカプサイシン

 ゆっくり歩けば、国境尾根のややこしいところも道を失わずに歩けて、ラーメンピークにたどり着く。まだ早いけど、ラーメンタイムとする。今日は寒いだろうと予想して、カプサイシンたっぷりの辛いラーメンを用意した。以前、比良の釣瓶に行った時に、韓国製の「辛ラーメン」にしたところ、あまりの辛さに完食するのに苦労した。今日のは日本製で、普通に食せる辛さであることは、地上で実験済みなので安心。

武奈と シラクラ

 ラーメンを食しながら山座同定に励むのだが、京都北山はどこも同じような標高と山容で、同定が難しい。一方比良の方面は、一番高い武奈があるのや、のこぎりの目のようなシラクラがはっきりしていて、同定しやすい。

 ラーメンも食べ終わり、出立。自転車ピークに向かって一旦の降りと登り返し。自転車ピークの自転車は、もう木に引っかかっておらず、地面に横倒しになっていた。ちなみにメーカーはブリヂストンだったんや。さてここからが、小てつのお気に入りの広い尾根となり、落葉もいい具合にフカフカに敷き詰められていて、上等の絨毯のような感触を楽しむ。

自転車ピークの自転車 城丹国境尾根スキップ街道は落葉でフカフカ

 そんな絨毯も大谷峠手前の急坂でおしまいとなり、大谷峠に降り立つ。そのまま林道に降りようかとも思ったが、あまりに早いので、飯森山のピークを踏みに行くことにする。

 大谷峠から飯森ピークまでは、最初の登りだけ急だけど、すぐに緩やかになり、下から見たときのとんがりの具合とはイメージが違う感じで、ピークに到着してもまるで登山道の途中のような感じがする。下から見ると、もっとはっきりピークとわかるような感じがするのに・・。木の葉が無くて今日はとなりの対面反射板のピークが良く見える。

 その時、何も考えないで元来たルートを大谷峠まで引き返してしまった。後になって、前にokaokaさんがたどられた地形図の破線の道のことを、今度来た時にたどってみようと思っていた事を思い出したのだ。しまった後悔。

 と、そんなことで林道に向かって植林地を降りていると、単独女性に追いつかれた。「お一人ですか?」とお声をかけると「ええ。」とだけお答えになって先に行かれた。一瞬だったのでお顔を確認することもできず、女性お一人なので、あまり近寄ると警戒されるだろうと思い、いくらか距離をおいて後に続いていた。こんな場所を単独で歩かれるなんて、ただ者ではないので、もしやとは思っていたのだが、女性が林道に降り立たれたところで、一眼レフカメラで写真を撮っておられる姿を見て確信した。今度は「今日はどんなルートで?」と再びお声をかけると、振り向かれ、「あっ」と驚かれる。女性はやはり、おばさん山歩き隊のTさんだった。

Tさんとは、以前、小野村割岳ピークでお会いして、またナッチョの帰りだったところを野村別れのバス停でお会いして、今日で三回目の遭遇となった。同一方向に歩いているから、もし小てつが飯森山に寄り道していなかったら追いつかれることもなかっただろうし、破線の道まで足を伸ばしていたら逆に追いつくことがなかっただろう。すごい偶然だと思う。

 今日は周山街道愛宕道から、滝又の滝、伏見坂から茶呑峠を越えてこられたと言うことで、天童山から飯森山手前の例のokaokaさんがたどられた破線の道で降りてこられたと言われる。急いでおられたのは、大谷林道から薬師峠を越えて岩屋橋からのバスに乗れるかもしれないとお考えだったようだ。だめなら小野郷まで歩かれるつもりだったそうだ。

 稲妻号で送りますからと、ペースを落としていただき、最近の情報や、とりとめもなく山の話題を話しながら林道を歩き、石碑のところのデポ地に向かう。

 稲妻号に乗り込んで、大森キャンプ場を見れば、なんと朝と変わらぬ駐車状況で、それなら少額の駐車代でも協力させていただけば良かったと思うばかり、またつもりをしていた神社に着くと、町内あげての掃除中で落葉はきれいに片付けられていた。残念!

 周山街道も全く混んでおらず、高山寺のところの駐車場も半分空いている状態。すんなり地下鉄天神川駅までたどり着き、Tさんをお送りする。

 今日は意外なことが多い一日でしたが、久しぶりの真っ青な空を見て、清々しい一日となりました。いよいよ冬の山ですね。