三重ヶ嶽(河内川林道状況調査) (小てつ NO.43)


 
湖畔道路の崩落箇所


平成25年10月27日(日) 曇り〜小雨〜晴れ〜曇り 小てつ単独

コース:
◆石田川ダム広場駐車場〜ワサ谷道〜三重ヶ嶽〜ノトマタコース〜石田川ダム





 2週前に小てつ近所のHさんから、「石田川ダム湖畔道路が土砂崩れで、また通行出来ない。」との報告を受けていました。ダム管理棟からすぐのところで崩れていて、四輪駆動のジープなら土砂を乗り越して入っていけるけれど、普通車では無理で、歩いて入ってみると数カ所の土砂崩れがあり、現に落合の東屋のところに土砂崩れの調査か2台のジープが止まっていたとのことでした。

 気にはなっていたのですがここ最近の週末は雨続き、いくらオールウェザーOKの小てつでも、土砂崩れしているところに雨天に突っ込んで行くような無謀はできないので、やっと雨もあがったこの日曜日に行ってきました。

 雨はあがったとはいえ、昨日まで台風の影響の雨が降り続いていた事から、ワサ谷から取り付くのだけれどもダム広場の駐車場に稲妻号をデポする。ワサ谷の登山口近くの路肩にスペースがあって、数台は駐車できるのだけれど、歩いて戻ってきたら、路肩ごと崩れていて稲妻号がダム湖に浮いていたらショックなので、安全策をとった訳だ。雨があがってからも72時間は危ないそうだ。駐車場には既に1台の先客があった。

ダムから見える蛇谷や武奈 ダム湖に貯水は無く

 登山靴に履き替え準備をしていると、中型のバスが湖畔道路から戻ってきた。7時30分と朝も早いし、まさか高島トレイルのツアーバスではないだろう・・・、どこまでバスで入れるか、下調べにきたのでは?などと考えてみるが、それにしてもどこでUターンしてきたのか???

 不思議ではあるがとにかく出発する。看板にはまだ「この先通行止め」の張り紙も有るので、どこか通れないところもあるのだろう。Hさんの言っていたダム管理棟からすぐのところの土砂は、片付けられた形跡があり、ここは通れるようだ。10分も歩けばワサ谷の登山口となり、ここまでの湖畔道路は通行できるが、先の湖畔道路や林道の状況は帰りに見ることにして、まずは山登り。

まだ咲き残り 少し色付きはじめ

 ワサ谷の登山道は大雨の影響が無かったようで、倒木も崩れたところもあまり見受けられない。このコースの特徴である、適当なギザを切ったあまりしんどくならない登山道を、まわりが植林でなく雑木であったら言う事ないのになぁと思いつつ登っていく。

 途中でサルトリイバラの赤い実を見つけ、今年はちゃんと結実したんだと思う。一時間弱登った稜線までもう少しというところで、20名ほどのグループに追いついた。ダムの駐車場で見たバスでやってきたグループと思われた。結局同じコースを登ってきていたんだ。バスはワサ谷の登山口までしか入っていなかったんだ。

 このグループはとてもちゃんとしたグループで、小てつが追いついたことを知ると、すぐさま前方に声をかけ先行させてくださったし、何よりもこんな大勢の人数が歩いたと思えないくらい、登山道に足跡も残っていなかった。朝の時間も早いことも合わせ、きっと山なれしたグループなんだと思った。最前列まで抜かせていただいて、先頭の方に本日のコースなど聞くと、ワサ谷から取り付いて湖北武奈から水坂峠まで歩き、バスでピックアップしてもらうとのことだった。高島トレイルを愛発越えからたどってきたが、河内川林道がバスで入れないため、大見影〜三重を中断したのだと言われる。小てつはその林道の状態を見てくるために三重の方へ向かいますと言い、先に行かせていただいた。

サルトリイバラ 三重ヶ嶽の変木

 今日も登山口から1時間少しで稜線の高島トレイル道に出会った。稜線に出ると北からの風が強く、それに小雨も混じってきたのでカッパの上着だけ羽織る。青空に映えるブナの黄葉も期待していたのだが、あいにくの天気で、オヤジ殿のように台風一過の好天とはいかないのが小てつの日頃の行いのせい?

 P674の手前で、単独登山者に追いつかれる。ほとんど走っているような感じだったのだが、しばらく歩調を合わして話す。コースは?と聞かれるので、石田川ダムからワサ谷を登って、三重ヶ嶽からノトマタで林道に降りますと言うと、取り付きは一緒やなと言われ、自分は大見影からビラテスト今津まで行かねばならないと言われる。単独なようなので、車は?と聞くと、そやからビラテストまでタクシーを呼ぶからそこまで行かなければならないと言われる。行きも石田川ダムまでタクシーで来たと言われ、どこから乗られたのかわからないが、かなり高額登山になる話しやなぁと思う。ビラテストまで行けるかなぁ?とおっしゃるので、ピストンじゃないし行けるでしょうと簡単に自分の踏破時間を思い出して答える。それではと挨拶し、単独男性は駆けて行かれた。

 完全にトレランという感じでは無く、靴も登山靴だったので、ただ元気な方のようだった。少し前の小てつなら、そんなギンギン登山もやってたけれど、今は探索登山の方が楽しいと思うようになってきた。

 一旦降りきって登り返すあたりで、休憩中だったまた別の単独男性に追いついた。一声だけかけて先行させていただいた。池のところまで来て、カッパを着たままだと暑くなって、衣服調整と飲水のためザックを下ろし休憩、単独男性に先行していただく。池から三重ヶ嶽ピークまでは30分ほど、景色を楽しみながら最後の登りをゆっくり登る。

三重ピーク 陽が出るとそれなり

 三重ヶ嶽ピークに10時30分。先行された単独男性もピークで休憩されていた。小てつもピークでザックをおろし、まだお昼には早いので、ジェルとお魚ソーセージだけ食す。風が強くゆっくりもしていられないので、単独男性よりもお先にピークを後にして降りにかかることにする。

 何もなければ長尾で落合に降りれば良いけれど、今日は河内谷林道の様子を見たいので、ノトマタコースをとる。この時間になって、ようやく晴れ間が出るようになり、陽が当たればそれなりにきれいなブナの黄葉を写真におさめる。

 林道が通れないからか歩く人がおらず、ノトマタコースは踏み跡に落ち葉が乗り、また倒木も多く歩きにくい。でも元からこのコースは高島トレイルのバスツアーでもあまり使われていないように思う。バスツアーでは、本谷から入っているようだ。途中のシャクナゲ群生地で、狂い咲きの株を見る。来年はたくさん咲くだろうか?

ツルリンドウ ツボミがほどけ

 丁度12時に林道に降り立つ。砕石の積んである広場で、倒木をベンチにしてラーメンタイムとする。ラーメンを食べていると、10台ほどのオフロードバイクが次々と降りてきた。ノトマタ登山口すぐのところも土砂崩れで林道に土砂が乗っているところがあったが、どんどん乗り越していく。バイクならでは。彼らにはこれくらいの方が、スリルがあっていいのかも?

 ラーメンも食べ終わり、長い林道歩きに出発する。とはいえここの林道歩きは苦にならない。最初に訪れた時の屏風絵巻のような紅葉の景色が思い出され、また花も幾種もあり、退屈しないからだ。今日は紅葉には早いけれど、一番の時を見ているから、そうでない時でも印象がいい。

林道の崩れ 林道の崩れ2

 結局、林道の土砂崩れはゲートまでに2ヶ所で、ゲートから東屋までに3ヶ所有り、東屋からすぐのところで崩れているので、河内川林道にはほとんど入れない。東屋からダム管理棟までの湖畔道路については、すでに崩れた土砂は掃除されていて通れるが、1ヶ所道路が半分崩落しているところが有り、乗用車がギリギリ通れるくらいだ。

林道の崩れ3 ノブドウ

 湖畔道路で、久しぶりにノブドウの不思議な実を見つける。昔は御室八十八ヵ所の池のところにも立派なのがあったんだけど。ムラサキシキブや、キクタニギクも楽しみながら、2時間かけてダム広場まで戻ってきた。三重ピークでお分かれした単独男性も降りてこられていた。

キクタニギク

 東屋の分岐からの河内川林道は、しばらくはそのままだろうから、三重ヶ嶽へのアプローチは、ダム管理棟からすぐの登山口かワサ谷登山口、落合登山口からとなるでしょう。