鷹ノ巣山 (小てつ NO.45)


 
栗尾峠から周山


平成25年12月15日(日) 稜線は小雪  小てつ単独

コース:
◆笠トンネル細野側道の駅稲妻号デポ〜愛宕道〜水道施設横〜鷹ノ巣〜P635〜笠峠〜デポ地





 夕方に来客の予定が有り、その前に買い物にも連れてってとの事で、近場の山をと考えていると、この21日に栗尾トンネルが開通することを思い出した。開通すれば、当然旧道となる峠道は閉鎖となり、周山街道と言えば・・だった栗尾峠からの眺望もおいそれと拝めなくなるので、これは最後にとそちら方面の山行とする。そちら方面と言っても、桟敷は先日訪れたばかりだし、しばらく訪れていない「鷹ノ巣山」に行くことにしました。

 この「鷹ノ巣山」、誠に素晴らしいネーミングと思われるが、このあたりは昔「鳥葬」が行われていたと聞くから、地元ではそれなりに思い深い山だと想像している。

 5時15分頃、近所の高校の火災警報が鳴り響き、何ごとかいな?と起こされてしまった。多分警報の誤作動と思われたが、けたたましく近所中に鳴り響くので、全く迷惑な話だ。でもって、そこから寝直すこともままならず、生あくびで朝刊に目を通しながら、朝の準備をする。空が白むのを待って、6時40分の出発。

小野郷はうっすら雪景色 細野側はほぼ出来上がり

 天気予報とは違い空はどんよりとしていて、道路も濡れているから夜半に雨が降ったようだ。凍結はしていないが、若干スピードを下げて周山街道を北上する。高雄ではそうでもなかったが、小野郷の町の屋根にはうっすらと白いものが乗り、山も白くなっている。

栗尾峠からの展望

 細野のBS愛宕道を通り越して、栗尾峠に向かう。雲海を期待したのだが、今日はダメだった。曇っていて眺望も何とかというところで今ひとつだが、いいときを何度も見ているので、峠から今一度眺められたと言うことで納得し、一旦周山側まで降りて、登り返す。細野のみちの駅の駐車場まで戻って、稲妻号をデポし、準備をして8時の出発となる。

周山側はもう少し 栗尾峠
道の駅にデポ 野辺にユリのドライフラワー

 「いのししラーメン」側には歩道がないので一度反対側に渡り、愛宕道のBSで渡り返して愛宕道の林道に向かう。周山街道名物の「いのししラーメン」は、チャーシュー肉が猪肉になるというもので、スープは醤油味、もちろん普通の豚肉チャーシューのラーメンもあって、いのしし肉チャーシューのラーメンでなくても十分普通に美味しい。

 愛宕道に入る田んぼのあぜにはユリのドライフラワーが残り、水辺にはオタカラコウのドライフラワーが残る。静かな林道をもくもくと進む。ペンションも非常灯の電気はついているものの、人の気配はない。

水辺にオタカラコウのドライフラワー 鷹ノ巣の取り付きは左へ

 建設中の水道施設の向こう側林道分岐が「鷹ノ巣山」への取り付きであって、水道施設がとてもはっきりとした目印となる。左手のゲート脇から進入する。林道はいきなり崩壊していて、皆子山の足尾谷ほどではないにしろ、数カ所で現形をとどめないほど崩れている。

林道崩壊1 林道崩壊2
林道崩壊3 伐採地

 ネットで囲われた伐採地のところが林道終点に見えて、okaokaさん達はいつも右手の伐採地のネット際を登っておられるが、実は林道は左手にまだあって、ススキをかき分け左手に進む。草が枯れている今の時期なら見つけやすいが、ここはススキの中にイバラが混じっているので気をつけていただきたい場所だ。このあたりのイバラは、ところによりジャケツイバラであることがあるので、特に気をつけていただきたい。

 少し進むと明確に林道もしくは作業道とわかるようになり、稜線が見える。どこを登ってもすぐ稜線に出られるが、一旦は左手の鞍部に向かっていく。稜線に登りつめると右手に折れるが、すぐにヤカンが木に引っ掛けられているのを見る。

ヤカン

 まばらにテープもあるが、それよりもはっきりとした踏み跡がわかるので、稜線上の踏み跡に従い、正面のやや急な斜面を登れば、「鷹ノ巣山」とP635をつなぐ稜線に立つ。ここを右手に進むとすぐネットに行き当たり、okaokaさん達のルートと合流となる。

 稜線まで登ってくると、落葉の上に雪が乗り滑りやすいのと、今日はまだ夏用スパッツで来ていたので、スパッツの土踏まず部のゴムが、2本のゴムひものやつだから、それに雪がくっついてすぐ高下駄状態になって歩きにくい。もう冬用にしなければ・・。

 ひとつピークを乗り越した二つ目のピークが鷹ノ巣山ピークとなる。このピークには三角点があり、まわりを石で囲まれている。まだ枯れていない松の木が数本あり、昔はこの松の枝によく鷹が巣を作っていたのだろうか?

鷹ノ巣山三角点 鷹ノ巣山

 北向きに少し眺望もあるのだが、今日はダメ。田尻峠にはここから西向きに急坂を降りていくのだが、もときた道に折り返す。稜線を今度はP635に向かって行く。ところどころで細尾根となるが、間違いようのない尾根道で、林道に降り立つ、林道を少し進むと広場になっていて、ここがP635ピークとなる。

P635の広場 ピークハンターさんの標識

 小野郷小学校があった時には、小学生登山も行われていたのだろう、以前はここに切り株のベンチなど作ってあったのだが、今は無くなっていた。ここからは城丹国境尾根の山々がよく見えるのだが、今日はダメで、沢山連峰のP515がやっと確認できるくらい。探せば裏手の藪の中に、ピークハンターさんの標高標識もある。

 P635を後にし、林道を戻る。途中でヤドリギの黄葉を見るが、ここらが最南端じゃないかな?

ヤドリギ最南端? サルトリイバラ

 ヤカンのところまで戻り、さっき登ってきた作業道とは反対側の右手の踏み跡をたどり、笠峠に向かう。ここもわりとわかりやすい踏み跡が残るので、迷うことはないだろう。ただ、昔の山道は新たな植林によりなくなっていて、新しい林道に降り立つことになる。

 赤土がむき出しの林道は、今朝の霜柱が緩みグチャグチャになっていて、決して気持ちの良い道では無い。分岐を右手に進むと道なりで、お地蔵さんの小屋がある「笠峠」に降り立つ。笠峠のお地蔵さんなので、「笠地蔵」なのであるが、昔話のように6体はない。

笠峠蔵 笠峠

 笠峠はもう荒れ放題といった感じで、昔はここにバスが通っていたなんて想像も出来ない。廃道になるとこんなになるんだ・・。細野方向に降りて行く、一旦は余野方向に入ったところのゲートに降り立ち、道の駅まで戻る。まだ11時前。お昼には自宅に帰れるだろう。

 全くのプチ山歩きでしたが、周山街道の二つの名のある峠の今昔、たどってみることができました。栗尾峠が笠峠のようになるのかどうかはわかりませんが、数年も経てば、「よくあんなところを走っていたなぁ」と回顧することになるのでしょう。