大峰山

くつわ池から見た大峰山方向(荒木山)


  平成25年4月5日(金) 快晴             長岡山人

コース
宵待橋12:55−高尾13:20−荒木山14:30−大峰山15:15−NTT中継塔15:25−ね田バス停16:45





 六石山から歩いてきた続きである。 大峰山には宇治田原の郷の口・下町から舗装道を歩いていくのが普通である。その舗装道が嫌なのと、国土地理院の地図にある古道をたどってみたいという理由で、宵待橋をスタート地点にした。バスの便はない。 橋を渡ったところに石柱が立ち、「高尾弘法大師参詣道」と書かれている。田原川に沿って右岸を30mほど遡ると、左後方に切り返すように付けられた道が登っていく。

高尾旧登山口 切り返して登っていく

 岩がゴロゴロする道だが、石垣の擁壁が積まれ、かっての通行量の多さをうかがわせる。「古道好き」にはたまらない道だ。稜線のへりをジグザグに登っていく。大八車も通れたと思われる太さがある。通る人は少ないと思われ、崩れかかっているところもある。一定登ると、道は右上方をめざして斜めに進んでいく。

岩がゴロゴロする道 道幅は広い

 途中に5丁と6丁の町石があり、「山神 水神」と彫られた石碑があった。そこから先は道も手入れされ、村人の行き来がうかがえた。

六丁町石 高尾集落に出る手前

 道の上方が明るくなり、屋根が見えると、ポンと高尾(こうの)集落の舗装道に飛び出す。 そこには、弘法大師が掘ったと言われる井戸があり、立派な屋根が付いている。湧き水はコンコンと流れ出し、それを汲みに来る人が多い。

屋根付きの弘法大師の井戸 神明神社

 荒木山への登り口を求めて、井戸の右横から集落の中の細い道を上の方に上がっていった。左にそれたようで、神明神社に行き着いた。お参りをした後、右手に進んで舗装道に出た。地理院地図の登り口を求めて右に進むと、舗装された登り道があった。進むと墓地に出た。井戸からここまで、別の道があったかも知れない。

 墓地の最上段からの展望が見事だった。南山城が一望できる。春霞で、それ以上の遠望はできなかったが。いくら景色がよくても、こんなところに住むのは不便だろう。高尾集落の起源が、平家の落人とか、信長に追われた近江佐々木氏の末裔とか言われる由縁であろう。広い柿畑があるが、剪定されておらず、後継者の不在を感じた。

墓地への登り口 「らくなんトレイル」のテープ

 道は、墓の最上部から始まり、地理院地図のほぼ点線のとおりに登っていく。道になる一歩手前の踏み跡という感じのところが多いが。ただ、テープは多い。「らくなんトレイル」と書かれた黄色のビニールテープが所々に貼ってある。「らくなん山の会」が、宇治から加茂町まで、一筆書きで主要な山々を縦走するコースを設定し、名付けた。ところどころで、鷲峰山方面の展望がすばらしい。

ここはテープに従い登っていく 逆方向から見た林道への出口

 荒木山の少し手前でいったん下り、再び登っていく。すると広い林道に出合う。荒木山を時計回りに回り込んでいくと、右手にテープがあり、踏み跡が山に登っていく。荒木山である。ピストンする。展望はない。

荒木山の登り口 荒木山山頂

 さらに進んでいくと、右に「化岩」(ばけいわ)という大岩がある。その先で、舗装された林道に出合う。高尾集落から登ってきて、宇治田原の禅定寺・猿丸神社に降りる尾根通しの大峰山林道である 。

化岩ばけいわ 大峰山林道に出る

 その林道を左に進み、しばらく行くと、右に枝分かれして大峰山に登っていく舗装道がある。そこを登っていく。NTT中継塔への進入路を右に見て、反対側の北に登っていく。平坦地になったところが大峰山の山頂である。残念ながら展望はない。道路の右側に三角点がある。

右が大峰山への分岐 大峰山三角点

 道路のその先は、行き止まりになっているので、引き返す。NTT中継塔への分岐を塔の方に進む。道は中継塔で行き止まりになっている。山城の各所から見える塔だ。裏に回ると、すぐ下に造成した直後の作業道がある。そこに降り、作業道を下ると、先ほどの舗装された大峰山林道の続きに出合う。荒木方面に降りるときはこの作業道が近道である。

NTT中継塔 作業道から大峰山林道への出口

 舗装道を進むとY字型の分岐があり、右が荒木方面に下る林道である。地道になるが、滑らかな路面だ。向かいには鷲峰山がきれいに見え、町内一円と信楽方面の山々が望める。愛宕山が遠望される場所があり、驚く。

荒木に下るY字型分岐 プレバブの左が下り道

 林道は、地理院地図からさらに伸び、カーブを二つ描き、町が手入れした桜の植樹地「宮の上散策路」を通る。道はコンクリート舗装になる。その先に、砂防堰堤が工事中であった。そこまで進んで、進み過ぎたと気が付いた。プレハブの工事事務所の陰に、降り道の標識があった。プラスチックの急な階段を下りる。

 降りたところは天皇川谷で、堰堤を越えて下っていく。登山口周辺は、整備工事のため、山渓社のガイドブックの写真と変わっているので注意が必要だ。大宮神社との分岐を経て、荒木集落に入る。「かんじん橋」を渡ると、「ね田」のバス停はすぐそこであった。

堰堤の左を越える 大峰山登山口、大宮神社分岐


                           【 長岡山人 】