三郎ヶ岳(松尾神社から出雲峠へ)

保津川月読橋から見た三郎ヶ岳


平成25年2月26日(火) 晴             長岡山人

コース
JR八木8:24−旭バス停9:15−松尾神社上の鞍部9:35−パラグライダー発進場11:25−三郎ヶ岳11:45−東西下山路分岐12:15−峠の地蔵13:10−出雲大神宮14:10−JR千代川15:00





 JR山陰線に乗るたびに眺める、目立つ山であるが、1日を費やす山としては時間が短く、登っていなかった。ネットで南北に縦走するコースの記録があったのと、愛宕参詣道に興味があったので登ってきた。道を発見する面白さが追体験できた。

 八木駅から乗ったバスが、直後に接触事故を起こし、大幅な遅れが予想されたので下車し、バス停旭まで歩いた。バス停から東に延びる野道を進み、ため池の土手に上がり、松尾神社の前まで進む。獣害防止フェンスを開けて入るが、建て付けが悪く、閉めるのに苦労した。

旭バス停 松尾神社

 松尾神社の鳥居前から左奥に、参道に並行して進む作業道がある。(池沿いではない) 次の分岐を左に取り、登っていく。作業道が終わったら山道が続くので登っていくと、峠状の鞍部に着く。

松尾神社鳥居の左を奥に進む 作業道の終点からの山道

 峠から、右手の尾根に取り付く。道はないので、生え込みの少ない、歩きやすい所を選んで、じっくりと登っていく。倒木もある。踏み跡もおぼつかないが、なんとか進路は解るので、尾根に忠実に登っていく。約280m地点で主稜尾根に乗り、ここから道らしくなる。概して、右が自然林、左が檜の植林であり、その分かれ目を登る。約350mを過ぎると、倒木が多くなり道が不鮮明になる。しかし、掘れた道跡があるのでその方向に、歩きやすい所を選んで登っていく。

取り付きはここから 次第に道形がはっきりしてくる

 台地状に尾根が広くなったあと、谷状地形になり、谷の右上を進んでいく。谷をかなり詰め、約530m地点で、谷の左側に渡る。北側の尾根の斜面に道は続く。ここからこの日最大の急登になるがそう長くない。

谷の右を進む 写真以上の急登

 約30m登ると尾根筋に出、道は作業道となって明瞭になる。登っていくと、七谷川から登ってくる林道岩坪線に出会う。車が通れる道で、三郎ヶ岳直下のパラグライダー発進場まで続く。

尾根に出ると道ははっきりする 車の通る立派な林道

 発進場からは、亀岡南部が一望でき、深山から続く丹波の山々が峰をそろえる。思わず飛び発ちたくなるような迫力だ。

発進場の手前 亀岡一円の大展望

 発進場の手前に戻って山に取り付き、踏み跡を登ると、すぐに三郎ヶ岳の頂上である。刈り払われ、広場になっているが、展望はない。南方に降り口を見つける。踏み跡は不鮮明だが、赤テープが多く、迷うことはない。

頂上広場 下り道は自然林の中

 500m地点まで降りると、東西の峠道と交差する。南北の踏み跡がややずれた変形十字路であり、注意が必要。西は尾根をたどって千歳町上ン所に降り、東は七谷川林道に降りる道である。この東西道は、かっては愛宕参詣道としても使われていたとのこと。

 引き続き南下するが、約10分先に尾根が東方に張り出す地形があり、その地点で「くの字」型に道が屈曲するので注意が必要である。

右は千歳に降りていく道 「くの字」屈曲点

そのまた10分後に、再び尾根が東方に張り出す地点がある。ここも東に進まず、南に疎林の中を降りていかなければならない。テープや止め石があるので解ると思うが、本日の行程で最も間違いやすい場所である。下りの踏み跡は薄い。東に見える地蔵山が雄大である。

進入禁止の止め石。右に降りる 端正な地蔵山

 さらに進んでいくと、下りがきつくなり、峠状地形に降り立つ。ここから右手(西)に降りれば、出雲峠降り道へのバイパスとなる。しかし、「峠の地蔵」さんにお参りしたかったので、左(東)に降りていく。倒木の多い、歩きにくい道だが、間もなく出雲峠からの良い道に出会い、すぐにお地蔵さんがある。休憩に適する広場である。

峠に降りる 三叉路にある石室のお地蔵様

 ここは、丹波方面からの愛宕参詣道である出雲峠と北舎峠(きたやとうげ)を越えてきた道が出会う地点である。隣接する二本の参詣道はここで合流して、七谷川の一ノ橋に降り、再び愛宕下の原に登っていくのである。出雲峠は園部方面から、北舎峠は西亀岡、西丹波方面からの参詣客が使ったと言われる。

(金久氏は、『北山の峠』(第3巻)で、お地蔵さんのある場所を北舎峠とされている。若丹国境尾根の棚野坂でも同様の地形表現をされているが、やや無理があると思われる。「新ハイキング関西100号」08年5・6月号で、柴田昭彦氏がそのことを指摘されている。)

地蔵から北舎峠への道 地蔵から出雲峠への道

 再び道を遡り、出雲峠に着く。一つ南に接近して北舎峠があるのに、なぜに二つも立派な峠が作られたのか。それだけ参詣者が多く、各地からの最短距離を選んで峠が作られたのだろう。峠からは、緩やかで広い道を降りていく。

出雲峠 広い下り道

 落ち葉に石が隠れ、ゴロゴロして歩きにくい。下で二つに分かれるが、左に取り、降り着いたところが出雲大神宮である。丹波一の宮であるだけに立派な社殿である。名水を汲みに来る人も多い。時間があったので、ほぼ真西の道を、JR千代川まで約50分かけてゆっくり歩いた。千歳車塚古墳、馬路集落、南丹高校の横を通り、月読橋で三郎ヶ岳を振り返った。 カラフルなパラグライダーが六つ飛んでいた。コツコツと歩くしか能のない人間にとっては何と羨ましい飛翔であることか。

(注1)  全行程がマッタケ山になっており、期間中は入山できない。自然林が多く、晩秋の紅葉がきれいと思われる。

(注2) 今日辿ったところは、道がはっきりしないところが多く、前記説明だけではわかりにくい。2万5千の地図の点線路とも大きく異なる。先行者の記録から地図をリンクさせていただく。(松尾神社からの登り口と、北舎峠の表現だけは違うので注意を。)


http://morii3.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2010/11/24/101123t_saburodake_2.jpg

(注3) 出雲峠、北舎峠、お地蔵様の位置を地図で示しておく。

 出雲峠、北舎峠付近位置図


                                 【 長岡山人 】