初心者オヤジテント担いで、エッチラ、オッチラ北アルプス
(常念岳から蝶ヶ岳)
親父の山歩き報告(NO.58)

天候に恵まれ素晴らしいパノラマ展望を満喫
しかし最後にとんでもない事に


1時間で後ろの空が曇ってきているのが分かるはずです
ホンマニ山の天気となんとやら、常念岳山頂


2013年9月9日(月)〜11日(水)   洛西オヤジ単独

 コース:
 8日(日) 午後から名神、中央、長野道で穂高しゃくなげ荘横の登山者駐車場、
        車中泊、


 9日(月) タクシーでヒエ平常念登山口へ、一の沢経由常念小屋〔常念乗越し)
        テント泊

 10日(火) 常念小屋から常念山頂、尾根縦走、蝶槍から蝶ヶ岳ヒュッテ、
        テント泊

 11日(水) 蝶ヶ岳ヒュッテから三股登山口に下山、
        前日予約しておいたタクシーで登山者駐車場に戻り
        その後、温泉ゆうゆうほりでい、に寄って往路と同じコースで帰宅





 こんにちは洛西オヤジです。今回は珍しくテント担いで、北アルプス入門コースと呼ばれる常念から蝶ヶ岳への尾根縦走に挑戦して来ました。もう上では大分冷え込むので、装備もそれなりに準備が必要と思いあれこれ迷いましたが、まあ何とか15Kまでには抑えて歩きました。小屋での水をあてにして飲料も一時の事を思えばまだましで、ヨボヨボオヤジも助かります。

 毎度のコースですが、自宅から約5時間ぐらいでしょうか駐車上に到着、はい、お休みなさい。そうそう、あくる日のタクシーを予約するのを忘れそうになりましたが何とか予約取れました。

◆9月9日(月)
 結構混んでいると結うことでしたが、8時に約束したタクシーが時間どうりに来てくれました。ヒエ平まで30分ほどでしょうか、途中の道で出くわす猿の多い事、全然怖がらずにもう京都の比叡山状態。なんだかね〜 到着したヒエ平登山口には6人の年配のグループがおられました。先に出発していかれましたが、珍しくオヤジが途中で追い抜いて、まあお互いユックリ、ユックリ、エッチラです。

ヒエ平登山口
ここまでマイカーもこられます
一の沢の渓流ですが
此処しばらくの雨で水量は多いです

 最初は比較的に緩やかな登り、胸突き八丁前後からああしんどです。それにしても又ガスッてきて上のほうは全く見えません、ここしばらく前回の南アルプスといい、とにかくいじめられています。いじけるオヤジが何とか人並みにたどり着いた常念乗越、なんと見事にガスが吹っ飛んでくれていました。

此処までは比較的に緩やかな登りでしたが
此処からはしんど〜いやんかです
又ガスッてあ〜あどうなる事やら
到着したらガスは消え去りよかったー ほんまいつみても槍は槍!とゆう感じが
ええな〜(なんのこっちゃ)テン場から

 目の前の槍をはじめ穂高の山、山が出迎えてくれました。テン場の申し込みに行った時に小屋の人から、この尾根の特徴で安曇野の冷たい上昇気流でいつもガスが涌き、尾根でさえぎられて上高地側はガスがとんでいるとゆう事でした。後でその現象を如実に観る事ができ、納得。

 さて遅い昼食を小屋の前のベンチで食べます。ラーメン炊いて、御餅もいれて、食べ終わると早速テン場に向かいなれないテント設営、モタモタしながら、テグを石でゴンゴン、ア痛ー指なぐってしもたがな〜。まあ何とか設営する事ができました。

これ凄いでしょう
左側が安曇野
右が上高地これが小屋の人が
言っていた現象なんですね〜
前方が常念岳です

 まだ時間的に相当早いので、明日向かう常念とは反対の大天井岳に向かう稜線を1時間ほど歩きました。先ほどの小屋の人の話が本当だと実感させられる光景が目の前に、それにしても天気が良いとゆう事は幸せな事です。

なんかホームレスみたいやな〜 山にいるなーとゆう感じです

 テントに戻って夕食の支度、といってもアルフアー米の山菜おこわ、とインスタント味噌汁、おいしいな〜(なんかうそっぽい)そのうちに夕暮れが、ユックリした時間の流れがええな〜、テントもええな〜孤独を愛するオヤジにはピッタリやな〜(ケ!なにゆうてんね気持ち悪い)

◆9月10(火)
 さすがに夜中2〜3時ごろ寒さで目がさめました、結構準備をしてきたつもりですが、やはり相当冷え込みます。うつらうつらあ〜寒い、しかし4時頃起き出したオヤジを、感動の朝の光景がまってくれていました。

ギャオーブラボー(なにゆうてんねん)感動のあまり これやから早起きするねん(わかったわかった)
南アルプス方面、さすがに富士山までは 自然の前には人間は
ただただひれ伏すのみ(なんちゃって)

 ご来光も朝焼けも堪能、早起きは三文の得、寒さも忘れて見とれていました、よし今日もがんばって歩くぞー朝食です。又アルフアー米のお粥と野菜コーンもうちょっと献立考えろ!今日も5時間ぐらいの歩きなんでユックリテント撤収して出発です。

槍をバックに男前!違う写真無いのか ピーカンや!ゆくぞー常念岳に
(ほんま大層なやっちゃな〜)

 テン泊は時分のペースで行動できるのが嬉しいです。先ず常念岳にエッチラです、昨日の6人組みの年配のグループが前方はるか登っているのが見えます、相当早く発たれたのでしょう。岩場の歩き難い登りですが1時間ほどで山頂に到着、山頂は狭く若者3人のグループが休んでいました、シャッターを頼んで暫しお話します。

安曇野方面は相変わらず雲の下 蝶槍です
誰がつけたかうまいネーミングです

 しかしこのあとが、初心者入門コースとは裏腹な岩場の急下降になります、コリャ登るのは大変だーこの稜線歩きは常念から蝶ヶ岳が正解みたいです。次の目標は三角錐の蝶槍です。天気は心配しましたが、素晴らしいこのコースの売り、大パノラマを見せてくれています。

面白いケルンです、さすがに曇って来ました
本来は予報は朝からくもりでしが
歩きやすそうなオヤジ好みの尾根です
前方がもう蝶ヶ岳です

 なんとなく歩きにも力が入ります、アップダウンを2〜3回したでしょうか、蝶槍に向かう上りの手前で昼食です、又タマゴスープに御餅、カロリーメイト、ちょっと飽きてきたな〜さあ今日最後の登りでしょう、エッチラです。もうナナカマドが赤い実をつけています。

 蝶槍から先は比較的にフラットな歩きで蝶ヶ岳ヒュッテに到着。ヨタヨタのオヤジがユックリユックリ展望を楽しみながら来たものですから、相当時間は掛かりましたが満足、満足、テント設営も二日目となると少しは早くなりました、少し寒くなりましたので、着込んで山頂や小屋回りをウロウロして展望を楽しみます。小屋泊まりの人も同じくで、ウロウロしてカメラを構えています。

蝶ヶ岳山頂、自動シャッターのため歪んでいますが
男前は変りません(まだゆうかー)
蝶ヶ岳のテント場です、今日は少ないみたいです

 丁度夕日が例の安曇野側から吹き上がる雲に当って、久しぶりにブロッケンを体験しました。以前鹿島槍で体験して依頼です。唯肉眼ではボンヤリ見えたのですが、写真にはうまく写らなかったのが残念です。ちょっと曇っていたので光量が足りなかったみたいです。

西穂方面でしょうか 残念ブロッケン、姿が映っていません

 それと明日のタクシーの予約です、南と違ってauもつながります。三股までの林道が工事のため通行可能時間帯があり12時過ぎの予約となりました、しかしこれがあくる日のとんでもない出来事に関係するとは夢にも思わなかったです。

 はい又夕食の準備こんばんはとっておきドライカレーやー(おんなじもんやんけ)昨晩の事があるのでもう一枚着込んで寝ましたが、やはり寒さで目がさめました。

◆9月11日(水)  5時頃までウトウト、今日は3時間半ぐらいのコースを12時までに下りたらよいのでユックリです。先ずは朝飯の準備をしておいて御来光を観に山頂まで、それにしても寒いです完全に冬支度です。

穂高連峰朝一番 日の出前の静寂
出ましたーもちろんバンザイを叫びます
誰もいないからです、ほんまかいな
もう一枚アップで
反対側穂高の日の出直前 日の出直後の穂高、微妙な光の違いが

 今日も昨日と同じく朝の光景を満喫、しかし微妙に雰囲気が違うのが嬉しいとゆうか同じ状況にはならないのが自然の素晴らしいところでしょう。ご来光は今日のほうがハッキリみられ、又穂高の連峰も角度や光の具合で昨日とは全然違って見えます。

朝日を浴びる槍、これが人気があるのですねー ボチボチ今回最後の穂高連峰鑑賞

 さ〜今回のパノラマ鑑賞もボチボチ終わりです。又アルフアー米朝食を食べてテント撤収出発です。出発は8時前、三股に向けてヨタヨタとおります。こちらに下りるのはどうもオヤジ一人です、下りは相変わらず靭帯の無いオヤジは苦手です。

 朝一番からなかなか厳しい下りが続きますが、結構早いグループと出会います、8時から林道が工事で通行止めの為、おそらく前日の夜登山口まで車で入っていた人達です。それも平日と結うこともあり、4〜5組で最後に単独の女性が熊鈴ならして登ってこられました。それから1時間以上誰にも会いません。

 めずらしいな〜平日とはいえ北アルプスの有名コースが、やはり工事の関係で登山者が途切れているのやな〜、3時間ぐらい下りてきた地点で、オヤジは何か頭の上で気配を感じます。猿やなあ〜ざわざわとした感じはいままで何回か経験しているのですが、今回は見上げた頭の右上方、本当に登山道の直ぐ側の木に熊がいるのを発見。下ばかりを見てヨタヨタ歩いていたオヤジは、本当に木の側に来るまで気がつかなかったのです。

 うわあ〜本物や、結構デカイ、落語でゆうところの10尺(3,03m)はあろうかと思われる(あほかギネスにものってないわ)まあそんなのりで、よせばええのに「写真撮ったろ」とウエストポーチからカメラ取り出して見上げると、初めて気がついたのですが、子熊が親熊より上部に登っていたのです。

 うわ〜やばい子連れや〜、とその瞬間親熊と目が合いました。同時に「ウオッウオ」とかなんとか声だしてお尻から熊が下りてきて、丁度熊笹の高さ(1mぐらい)からズシンと落ちたのか飛んだのか、熊笹の中に姿が隠れると笹がこちらに向かって割れてきたので、それまで写真撮るのも忘れて呆然と見ていたオヤジ「うわー熊や!ギャーうわー、来るなーうわー、わ、わ」カメラもストックもほり出して、逃げた、走った。

 しかし今回に限ってテン泊のリュック、、とにかく恐怖心が先立つと15Kの米袋(リュック)かついでも走れるものですね〜、20mぐらい走ったでしょうか、あまりしんどいので後ろを見るとストックをほりだした、あたりの熊笹に入っていくお尻が見えて、同時に木の上から子熊が下りて熊笹に消えてゆくのが見えました。

 「うわー助かったー、怖かったー」と思った瞬間、リュックがメチャクチャ重く感じて、先ず下ろして息を調えるのに2〜3分掛かりました。それからいつでも逃げられる状態で、10分間ほど熊笹の動きを見ていたのですが変化がないので、とにかくカメラとストックを取りに戻り、後は一目散にリュックを担いで下りました。

 カメラは一部へこんでしまいましたが、幸い機能には問題が無いみたいで、一安心。まあ本当はカメラどころでは無いのですが、それから10分ほど下りて来たところで、男性3人のグループに出会いました。熊の件を伝えて、熊鈴を大きく鳴らしていってくださいと伝えました。3人で相談されていましたが、もう少しユックリして鈴をジャンジャン鳴らしていくとのことでした。

この辺りから全く人に出会わなくなりました
まめうち平、此処までが岩がゴロゴロ
急下降のコースです
何処にでもあるのですね〜、力水の水場
この水場から15分ぐらい上部の地点で
熊の親子にびびらされたのです

 まあハプニングで時間を食いましたが、11時半ごろにタクシーが来てくれる駐車場に到着。その駐車場でもタクシーを待っている間、又斜面の上部の木が騒がしいのでみると、今度は猿の群れが木に上って何かを食べています。まあ自然がいっぱいといえばそうなんでしょうが、先ほどの件があるので恐怖心がよみがえります、トラウマになりそうです。

三股登山口、マイカーは此処まではこられません
停まっている車は山の仕事の関係者の車でしょうか
マイカーはここまでです
タクシーも此処まで来てくれました

 時間どうりにタクシーが迎えに来てくれてやれやれ、熊の話を車内で話しながら、しゃくなげ荘横の駐車場に戻りました。まあ猿は良く聞くが、熊は珍しくやはり子連れは危険だと結う事です。

 それにしても、北アルプスの有名コースのしかも登山道の直ぐ側の木に熊が登っているとは、余りにもいろんな条件が重なり、そのタイミングにオヤジ一人がハマッたんでしょうねー。まあオヤジのズッコケをどうも皆さん期待しておられる節が、この前の懇親会で感じられたのですが。今回は極めつけでしょうね〜、もう熊は勘弁してください。それはともかく、本当に素晴らしい大パノラマの展望や朝夕の展望の素晴らしさを見せてくれた入門コース(?)に感謝、感謝。

                                    【洛西オヤジ記】

◆最後はお花シリーズではなくしつこく槍特集で締めさせて頂きます