足痛と付き合うの記

 
5月には2年ぶりに比良のロングコースに挑戦


                          by ikomochi    2014.7







 あの人もこの人も膝が痛くなって山の会を辞めはった という話をよく聞きます。 いつまでも山歩きを続けたいけど膝痛いしどうしようと悩んでいる方、そしてまだ足は痛くないから大丈夫という方にも、わたしの経験を役立てていただけると幸いです。

 外反母趾でさえ足が痛いのに、5年前変形性膝関節症と言われ山歩きなどとんでもないと脅されたり、これ注射したら楽になるよといきなりヒアルロン酸を注射する整形外科医たちの言葉をはねのけ、機能改善エクササイズの個人レッスン
http://www.fitness-guide.jp/program/
を始めて3年目。月2回のレッスンの目標は「ともかく山歩きを続けられること」。痛みの原因をさぐり固くなった筋肉をほぐし、正しい姿勢や歩き方を体感しつつ繰り返しの練習を続けています。子どもの時から運動会は苦手で、体育会系の練習にはとんと無縁だったので新鮮です。

 私の場合、筋力は年齢以上にあるけれど、お尻と腰の筋肉が固くなっているためクッション性に欠け、膝に負担がかかっているということが分かりました。筋肉の柔軟性を高めるトレーニングが中心です。体幹軸の通った立ち位置の感覚を自分で確認しながら、身体に耳を傾けます。プロのアスリートたちのドキュメントをみると、肩の筋肉のコア部品を動かしたりしているけれど、まさにあれです。背骨のひとつひとつ、筋肉のひとつひとつを感じるように言われます。もちろん私にはなかなかですけれど、プロたちはこんな鍛え方をしているのかと、目からうろこの体験をしています。

 経年劣化のうえ、無理な姿勢で歩いたり仕事をしていたので固くなった身体は元  に戻りにくいです。が、「人間50年60年が限度のところを使い続けているのだから傷んで当たり前、痛くなってあたりまえ。予防も大事だけど、使いっぱなしでケアをしないのが一番ダメです。いかにケアをするかで、使用期間が延びます」。いつもぶつぶつ言っていた足の痛みも膝の痛みも「若いときは体力でカバーできていたけれど、ケアしてこなかったから、痛くなって当たり前ですよ」とトレーナーから言われたひとことが、なんだか胸にすとんと落ちました。

 書籍やビデオで得た知識で自己流でストレッチをしても最終的には理解できない「感覚」やコツ、間違ったストレッチで逆効果だったことなどを教えてもらい、膝や腰の痛みも軽減するので面白くて時間をやりくりしながら通い続けて3年、半年ごとに撮るチェック写真も随分と体の傾きが少なくなりました。 5月には2年ぶりに比良のロングコースに挑戦、okaokaさんに連れていってもらいました。下りはきつかったけれど、なんとか牛の歩きで歩きとおせ、やれた!と自信ができました。okaokaさんご夫妻ありがとうございました。

 さて、痛みと付き合う方法ですが、予防法はテレビでも書籍でも巷にあふれているけれど、トレーナーに教えてもらい「そうだったのか!」と感動したのは、「ケアをきちんとする」ということでした。考えてみれば当たり前のことなんですけどね。

 見た人が必ずひどいなあという外反母趾(きっと遺伝体質?)の私は、20年くらい前から外反母趾対策は靴の中敷きをあつらえたり
http://www.footcreate.com/
、足指体操をしたりしていますが、それでも年々少しずつ症状が進み山から帰ってくると足指は真っ赤にはれ、爪が血豆になっていたりとひどいものでした。ケア方法を教えてもらいながら、体幹を整えた歩き方を練習するうちに、爪が血豆状態からは脱却しました。足指の痛みも、ケアするうちに軽減しました。水がたまってぷよぷよだった膝も、今はすっきりしています。

外反母趾の足です

そんなこんなで試行錯誤しつつ、痛みとつきあう方法をまとめてみました。

@ 使い続ければ足も身体も傷むのはあたりまえ。
  山登りなどという通常よりも過酷な負担を身体にかければ、痛みが出て当然と自覚
  し納得すること。

A 筋肉のこりをほぐし日々の疲労をとるストレッチで身体の柔軟性を高め、予防をする
  こと。

筋肉ほぐしに愛用のいぼいぼボール

B 帰宅後、徹底的にアイシングすること。
  下山後飛び込む銭湯では、水風呂でしっかり冷やします。そして寝る前テレビをみ
  ながら、膝や足先、ふくらはぎに肩等々痛みを感じるところは、保冷剤をあてて疼痛
  を感じる一歩手前まで冷やします。これで炎症がほとんど治まります。サロンパスの
  お世話になることがなくなりました。

保冷剤総動員

C 登山中も痛みが走ったら、速攻アイシングします。
  氷は持っていけないので愛用しているのは「冷えピタ」。長時間効果があり優れもの
  ですよ。コンビニで買った「ボディシート」というのも効きます。かつてはサロンパスと
  かエアーサロンパスを使っていましたが、これはあくまでも薬なので、まず炎症を治
  めてから使う方がよいそうです。マラソンや野球選手もよくアイシングしていますよ
  ね。あれです。

アイシング用品

D 登山中もストレッチをします。特に足指は靴下を脱いで足指体操をします。水場では
  アイシングも。時間はとりますが、体操があるのとないのでは大違い。元気に下山で
  きます。

E 登山靴も大事ですよね。
  サイズのあったものを、プロにちゃんと選んでもらうこと。ずっと履いていた革靴がど
  うも合わなくなり、ロッジの寡黙なお兄さんに相談に行ったら、「これがいい」とひとこ
  と、勧められたシリオを愛用しています。
  外反母趾対策に中敷きは誂えて、五本指ソックスと厚手のソックスと組み合わせ
  て、今のところ満足の一足です。
  ただ、どんなにサイズを合わせても、あつらえ靴を作ったとしても、痛みはでます。出
  て当たり前、痛くなったらケアと予防をしよう と割り切ることがとても大切に思えま
  す。

登山靴

F 登山靴のほかに舗装道路用の靴を持参します。
  底の固い靴で舗装道路を歩くのは苦痛です。疲れた下山時などは裸足で歩きたくな
  るほど。かさばらない靴を持っていきます。

G 自己流は怪我の元。プロに聞け。
  当初はじたばたと本を読んだり、痛み緩和というサプリや補助具を買いあさりました
  が、結局は「プロに教えを乞う」が正解でした。
  自転車競技を長年続け自称アマチュアアスリートの友が、最近膝が痛くなってドク
  ターストップがかかったそうです。かつては毎日ジム通いでしたが、今はスポーツ整
  形外科のリハビリに通うのが楽しいそう。いわく「自己流はあかんなと思うわ」です。
  わたしも同感です。


                        【 記: ikomochi 】