武奈ヶ岳(御殿山コース)

 
武奈ヶ岳山頂


2014年3月15日(土) くもり  森の旅人M

コース:
坊村〜明王院登山口〜御殿山コース〜御殿山〜ワサビ峠〜武奈ヶ岳〜御殿山〜坊村





 少し寒さも緩みタイミングを計って,初めて積雪期の武奈ヶ岳へ行ってきました。前日は冬型で積雪状況が心配でした,花折峠はさすがに薄っすら白くなっていましたが,道路の通行に支障なく坊村の駐車場に着きました。すでに10数台駐車しています。気になる天気は曇り,トイレを済ませ天気予報の回復を期待しての出発です。

 先に数人先行者がいたが,明王院の御殿山コース登山口までに追い抜いてしまう。早速,御殿山までの急坂の折り返し道が始まる。しばらくすると新雪が目に入る。

 急坂道をさらに行くとやがて道も新雪で白くなり,どこでアイゼンをつけるかの判断を決めなくては,と思っていると早くも下山の年配の男性に出会う。「もう行ってきたんですか?」と聞くと「御殿山まで行ってきたが,その先は雪が深くトレースも無く帰ってきた」,「その後何人か行っているのでこれからだと行けるのでは」と言って下山して行かれた。その後,後方から話し声がするので,振り向くと若い男性二人組が上ってきている。若いので早い,聞くと大阪から来たとのこと。追い抜いて行ってしまった。

御殿山コース登山口 雪も増えてアイゼン装着

 積雪も10Cm程度となり,完全に冬山状態。坂道でアイゼンを装着する。3年前にOkaokaclub隊で藤原岳に行ってから久々の使用である。装着後は,雪をしっかり捉えるので歩きやすくなる。標高846m付近にある小広場で先行の若い二人とスノーシュー持参の夫婦がいた。それぞれアイゼンとシューを装着中だった。

御殿山冬道手前の休憩地 冬道の急坂を上る

 ここから二組より先行となる。この先が冬道と言われる尾根道の急斜面が御殿山まで続く。前面の急斜面を直登して左の谷に沿って上っていく,踏み出すごとに雪が谷に転がっていく。一本の木で突き当たり更に上っていくが,滑りやすくこの辺りが危ない箇所である。

 上りきると小ピークとなり緩やかな道になる,休息をとっていると例の若い二人がやってきた。アイゼンを一人忘れたので片方ずつ履いての登山となったようだ。そして先に行ってしまった。再度の急坂辺りは真冬の光景で樹氷が伸びて,またせっぴも大きくなっている。踏跡をしっかり追いながらの登りが続く。見晴台では視界が広がる,この後の樹氷林を潜り抜けるとようやく御殿山に達した。ガスで残念ながら武奈は見えない。

 男女二人の姿があり話を聞くと,ここで戻るようだ。御殿山までの時間は予定時間を半時間オーバ。しばらくするとガスはあるものの時々,武奈が姿を表わしてくれる。例の若い二人が最初のピーク手前の急斜面を登っている姿が見て取れる。この先進むか,ここで撤退するか決めかねる。年配男性がワサビ峠から登って来る,おじさんからは「武奈まで1時間で行けるで」の一言。そのうちシューの夫婦が到着。この二人も武奈へ行くようだ。それならと行くことを決める。

見晴台からの展望 樹氷の道
御殿山山頂 御殿山から西南稜

 ワサビ峠への下りは深い雪でヒザ下まで埋まるが,先行者の足跡を読みながら一気に下り降りる。すぐにワサビ峠であるが標識の上まで雪に埋まっている。

 樹氷の樹林を抜けると先ほど見えていた第1ピークの急斜面の上りだ。疲れの見え始めた足に少し違和感発生,つりそうになる。ここはゆっくり上る。すると,直ぐ後にシューのご主人が迫ってきた。その後も足の故障は無く快調に歩くことができた。

雪で埋まったワサビ峠 トレースはしっかりある

 第1ピークを上りきると,武奈山頂は目前。すっかりガスは切れて武奈が姿を表わしている。せっぴが大きく琵琶湖側へ伸びている。足元の雪は少なく風で飛ばされているようだ。緩やかな斜面は第2ピークへ続き,最後の細い尾根部を上ることになる。八雲ヶ原との分岐を見てその先にようやく武奈山頂である。

せっぴが成長 もうすぐ山頂
第2ピーク 御殿山−八雲ヶ原分岐

 積雪期の登山であるが,次々と登山者がやってくる。ヤマガールのグループも到着し,15〜20人と大賑わいである。ここでは,見知らぬ人に写真を撮ってもらうのに遠慮は無用で,いつも登頂写真を撮らない私も近くに人に撮ってもらった。お返しにその人も写真撮影も頼まれて撮ってあげた。

武奈山頂へ コヤマノ岳

 昼食は,山頂標識近くの北山を見る位置で,雪のない座れる石を確保した。今日は,おにぎり弁当である。風はあるが強くないため寒さを感じない。ガスが晴れないため近くのコヤマノ岳は見えるが,北山方面の皆子山・峰床山などはハッキリ見えない。 昼食後,なごり惜しいが下ることに。天気は曇りであったが過ごしやすかった。雪山を堪能する感じで歩いているとワサビ峠まで直ぐだ。御殿山への深い積雪の急斜面が復路の一番しんどい箇所であるが登りきると,ひと安心でほっとする。

 御殿山から先行の男性がいて,同行する形で一緒に下る。よく歩いているようで,途中別れるとトレースのない方向へ行ってしまった。陽が差し込むので見上げると真っ青な空が北に広がっていました,多分今山頂にいる人たちは,青空の下で最高の景色を見ているのかと思うと羨ましくなりました。尾根を下った休憩箇所で一休み,更にアイゼン外しでもう一休み,明王院まで誰にも会いませんでした。登山口にある側溝の山水でアイゼンとスパッツを洗って帰りました。

御殿山 青空が見えてきた

 初めての武奈ヶ岳積雪期登山でした。山の上は別世界で,少し心配しましたが真っ白な雪面を歩き通しました。そして雪山風景にただただ感動です。


                           【 記: 森の旅人M】