皆子山 (北尾根・東尾根から支流谷へ) 

北尾根の細尾根を行く


2014年6月21日(土) くもり  森の旅人M

コース:
足尾谷橋〜林道終点〜ツボクリ谷出合〜北尾根取付〜北尾根〜皆子山〜東尾根〜足尾谷支流谷下降点〜足尾谷支流谷〜足尾谷出合〜林道終点〜足尾谷橋





 梅雨に入り,今日は下り坂の予報の中,天気と相談しながらの山行となりました。行き先は皆子山の北尾根,初めての探索です。通常ルートでないので少し緊張しながら取り付きました。

 足尾谷橋に到着,下り坂の天気の日に登山に来る人はいないためか駐車している車は見当たりません。準備を整えて出発です。天気は曇り空,中腹以上にはガスがかかっている。前日の降雨のためかしっとりしている。林道の状況は昨年秋と変わらず,陥没箇所や崩壊場所の復旧は全く処置が取られていない。2箇所の林道崩壊箇所では,谷に下りて上流を目指すが大きな岩を避けて歩くので時間が掛かる。発電所に到着するとすぐ気になるのが魚道の水量,梅雨時期なのに水が流れておらず一安心。

発電所の魚道に水は無い 林道崩壊現場は変わりなし

 林道終点から右岸へ渡渉する橋も流出し,今は上流から流れ着いた「くの字橋」が河原に横たわり転がっている。今日の足元は,長クツでスタートです。ツボクリ谷出合まで渡渉を繰り返すため長クツで進みます。渡渉箇所の水位を気にせずに渡渉できるので,時間が短縮できるのです。ただし,大きな荷物を背負って山行になるので負担だ。

 最初の足尾谷支流谷出合の先が,流出した「くの字橋」の掛けてあった位置で,垂れ下がったロープだけが,名残を残している。今日は水位が無いので,少し下流の浅瀬を行けばシューズでも渡渉可能だ。そのまま行くと杉植林地に入り細谷に出会う,すぐに本流の谷沿いの方に駆け上がる。曇り空と木陰のため薄暗い道を「二の谷」分岐を過ぎて谷に下りると,ツボクリ谷出合への渡渉場所である。水量が多いと渡渉が難しいが,長クツなので気にせず右岸へ渡渉してツボクリ出合に到着。

林道終点の河原には
「くの字橋」が流れ着いている
ツボクリ出合

 この場所も土砂崩れがあったが,自然の力はすごく既に違和感が無い。北尾根への取り付きを探す。近くに急斜面を駆け上がった跡を見つけ取り付き点とした。一本道のように障害物も無く上に伸びている,しかし急斜面の上,少し濡れた足元は滑りやすい。小さく折り返して登って行くと鹿の声が聞こえた,フンも確認する。なお,急斜面は続き上方の目印の木を目指して適当によじ登って行く。途中で太い枝が折れた大木の傍を通る。このあたりの傾斜は緩くなっている,しかし,その先には次の急斜面が控える。見通しの良い中腹にかかると予想外に日が差し込んできた。明るい陽に照らされた木立を見て休息を取る。急斜面に大岩,目印になりそうだ。右脇を通り抜けて登って行く。急斜面の上方に大木が見えて目印にする。大きく折り返しながら目印の大木に近づく。大木に着くとようやく北尾根の稜線に乗ったことが分かる,両側が谷に落ちている。更に急斜面は続く。白やブルーのテープで巻かれた杉植林地に入る。

北尾根取り付き 急斜面は続く
北尾根の目印とした大木 杉植林地に入る

 杉植林の尾根を登って行くと緩やかな斜面に変わる。良く見ると本当に薄いながら作業道跡らしき道を見つける。やがて杉植林地を通り抜けると標高800m辺りから細尾根になる。アセビの群生で覆われて歩きにくい箇所を通過しながら細尾根は続く。しかし道はしっかりしている。鹿の姿を見るがすばやく逃げていってしまった。やがて右手からの尾根合流部となり,続いて広い尾根になる。ここは2箇所目の尾根合流部である,ツボクリ分岐から以前に登ってきたことのある見覚えのある合流部だ。

薄い作業道跡 広くなっているツボクリ谷分岐からの
支尾根合流部

 北尾根はP866からの尾根と合流部に差し掛かる。山頂までもうすぐだ。白い花を一杯つけたヤマボウシを見る。我が家のヤマボウシは既に花は散ってしまったが,ここは今が満開らしいすごい数の花を咲かせている。続く坂道を上ると皆子山山頂に到着だ。

ヤマボウシ 皆子山山頂

 当然,山頂は無人です。曇り空で視界も悪く武奈ヶ岳が一望できるのだが良く見えない。早速身の回りの確認をする,今の皆子山はヒルがいるのだ。両手両足には異常なし,良かったと思い首に巻いていたタオルと取ると何と血が付いている。「やられた!」首の後なので確認の手立てがない。叩いて背中に廻りこまれるのが最悪だ。これ以上被害が増えないことを望もう。山頂にはエゴノキとヤマボウシが咲いている。11時前の早い昼食を摂る。

エゴノキ サワフタギ

 一時差していた薄日も無くなり,ゆっくり天気は下り坂のようだ。長居は無用と昼食後はすぐに下山へ,今日の下山ルートは東尾根の途中から支流谷へ下るルート。途中にサワフタギの花を見る。東尾根がメインコースとなった今はシダの群生地で隠れていた道が幅広くなっている。支流谷へは急斜面を下る危険コースなのでお勧めは出来ない。案の定,石の上で滑って右腕を打ってしまった。急斜面のあとはアセビの細尾根を下るのに一苦労,更に最後の谷に下るところが斜面で滑落しそうで気が抜けない。何度も歩いているがいつも冷や冷やだ。

東尾根より支流谷下降点 アセビが行き手を阻む

 昨年の大雨で荒れた支流谷になってしまい歩き難い。しかし谷三叉からは薄いが作業道があり,また渡渉が少ないのが特色だ。土砂崩れ箇所では,崩れた中腹を慎重に進み,獣道らしき細道を歩いて行くと石垣のある場所に着く。 この後も荒れ気味の谷を下り,両側が大岩の門構えのとなっている場所を通過してようやく,足尾谷出合に出ました。

谷三叉も荒れている 両側に大岩のある場所を通過

 林道終点で顔の汗を洗いすっきりとして,足尾谷橋に戻りました。心配した雨に会わず,初めての北尾根を無事探索することができました。北尾根の急斜面には少し手間取りましたが,途中の薄い作業道跡を見つけてからは歩きやすいコースでした。


                           【 記: 森の旅人M】