鈴鹿山系 御池岳(コグルミ谷/奥の平)

ボタンブチと西ボタンブチ


2014年5月3日(土) 晴れのち曇り  森の旅人M

コース:
鞍掛トンネル西口〜鞍掛峠〜鞍掛トンネル東口〜コグルミ谷登山口〜タケ谷分岐〜五合目〜カタクリ峠(六合目)〜御池岳山頂〜奥の平〜ボタンブチ分岐〜ボタンブチ〜ボタンブチ分岐〜御池岳山頂〜真ノ谷分岐〜真ノ池〜日本庭園〜鈴北岳〜北尾根〜鞍掛峠〜鞍掛トンネル西口





 昨年秋に初めて登った御池岳ですが,鞍掛トンネル東口へは工事によるトンネル閉鎖で到着できなかった上に,濃いガスのためコグルミ谷からは諦め,山頂へは鞍掛トンネル西口からのピストン登山となりました。今回は,現地事情も把握した上でコグルミ谷からの登頂と楽しみにしていたテーブルランドと言われる高原を散策してきました。

 彦根ICで名神高速を下りてR306号線を鞍掛トンネル西口駐車場へ,さすがにゴールデンウィークのため既に10台余りの車が駐車していた。駐車確保した横に同じ京都ナンバーの車が停まった。京田辺から初めての御池岳とのことだった。

 天気は予報どおりの晴れ,気持ちよく出発しました。鞍掛峠まで杉植林地の急斜道が続き,ひと汗かいて鉄塔下を通過するとまもなく鞍掛峠です。服装の調整でジャケット脱いでバッグへ仕舞います。この後,鞍掛トンネル東口へ下って行きます。 下りの坂道は,小石が多くまた岩場有りと気を使う,ヒノキ林を抜けてようやく登山ポストのある平地に着きました。鋼鉄製の橋を渡り道路に飛び出ると鞍掛トンネル東口に出ました。工事用車両が並んでいます。駐車場からここまで約40分間,トンネルが使えるなら車で2分も掛からないのでかなりの時間ロスである。

鞍掛峠 鞍掛トンネル東口

 新緑の山並みを満喫しながら,一台も通らない国道を一人貸し切り状態で下っていく。コグルミ谷に約20分で到着。登山口は大きく荒れていて上流からの大量の岩と土砂で被われている。道路を越えて下流側では多数の倒木が見受けられる。標識が完全に埋もれている,何とか人の手で文字が読めるように一部だけ掘り起こしされて,ようやくここが登山口であることが分かる。

コグルミ谷登山口 荒れたコグルミ谷下流部

 右岸から取り付いたものの,すぐの堰堤では岩が多数あって進めず,道を左岸に移し進みます。ロープ場があり一段高い道に急斜面を上がり,左に谷筋を見ながらその後も坂道が続きます。しばらくするとまたロープが下がっています。当然上がるものだと登ったが,先には道らしいものが見えない。この急斜面を上がっていくのはおかしいと思い元に戻る。谷上流をよく見渡すと右岸に薄いが道が見える,一旦右岸を行くがすぐに道が消えてしまう。今度は左岸に道を見つけて,流れの無い谷を歩き左岸へ戻る。この後は左岸を最上流の五合目手前まで歩きました。タテ谷鈴北岳分岐の標識を確認,この辺りも結構崩れて標識も傾いている。

タテ谷分岐付近 大きくえぐられた谷

 一旦谷から離れて一段高い道を登っていくが滑りやすい。左の谷は大きくえぐられている。倒木を越えて右側から岩場の谷と出会う辺りで道は薄くなる,たまにあるテープ頼りに登って行く。滑りやすく危ない道が続く。谷最上流に来ると太い木の根っ子に吊るした御池岳の方向を示した看板を見て安堵する。途中タテ谷分岐以降,全く標識らしいものが無かったからだ。ここまでに長命水なる水場があるはずだが見当たらなかった。コグルミ谷から離れて大きく東へ方向を変えて登った先には,五合目の標識が立っていた。

谷上流部左岸を行く 御池岳へ
五合目 カタクリの花

 急斜面を登って行く,左手の谷上部は大きく崩壊している。そんな斜面にカタクリの花が咲いている。分散しているがカタクリの群生地のようだ。坂道を登りカタクリ峠と言われる六合目に到着。正に周辺ではカタクリの花が咲いている。ここで初めて人に出会う。休憩中の二人の男性であった。久しぶりに人に出会ってほっとする。コグルミ谷から上がってきた私を見て,国道は通れないはずで登って来れないのでは,と言われる。鞍掛トンネル西口から峠を越えて東口に出てコグルミ谷を上ってきたことを話すと理解してもらったようだ。二人は単独者二人で共に木和田尾からの登山者でした。

六合目(カタクリ峠) バケイソウの坂道を登る

 この後は,青空の下,しっかりした山道で特に難しいことも無く山頂を目指しました。七合目からはバケイソウが目に入り,谷筋に沿って山頂手前まで続きました。しかし,八合目以降のコケ蒸した岩場から山頂までの坂道は長く感じる。山頂付近のみ白い石灰岩となっており御池岳の特徴を現しているようです。 せっかくの山頂ですが,樹木が覆っており展望は余り良くありません。7〜8人の登山者が昼食と休憩中です。私もここで昼食を摂ることにしました。昼前で次々と登山者が山頂にやって来ます。

御池岳山頂 テーブルランド奥の平方面

 昼食後は,楽しみにしていたテーブルランドの散策です。山頂から東側の小ピークに道が付いておりそのまま道なりに進むと,樹木が切れた場所から目に入ったのは広大な台地でした。これがテーブルランドと呼ばれる広々した高原だ。今は新芽の草原ではなく茶色の大地だ。高原の前方にお盆状の小高い丘が見える,「奥の平」である。手前にあるボタンブチの分岐を通過して「奥の平」に立つ,360度の展望がある。良い眺めのはずが急に悪化してきた曇り空の下,遠くが見えない。風も出てきた。西の御池岳方面を眺め,南のボタンブチを見ると複数の人が見える。

奥の平から御池岳方面 奥の平からボタンブチ方面

 ボタンブチ分岐からボタンブチへ続く草原の道を下っていく。ボタンブチの西は断崖絶壁となって切れ落ちている。眼下に有名なT字尾根が大きく広がっている。真正面に見えるのが尖った姿の天狗堂。更に遠くまで深い山並みが続く。西のボタンブチにも寄ってみる。せっかくなのでボタンブチを東から見ようと戻り東の小高い丘からボタンブチを撮る。断崖絶壁の写真がカメラに収まった。

ボタンブチより西ボタンブチを望む T字尾根と尖った天狗堂

 もう一度,御池岳山頂に戻り真ノ谷へ下山に入る。ここからは,昨年来た道なのですんなり下って行ける。真ノ谷に着くと急にガスが出てきて周囲が見えなくなってきた,さらに日本庭園に入ると深いガスに,風が強く寒くなってきた。残念ながら今日の日本庭園はゆっくり眺めているどころでなくなってきた。ここでもコケは,まだ新緑なく茶色である。 こんな天気であるがこれから山頂目指す登山者二人に出会う。鈴北岳からの御池岳と日本庭園もガスで見栄えがしない。この山頂も良い眺めがいい場所だが,強風の西風に早々と退散である。

ガスで霞む日本庭園真ノ谷分岐 鈴北岳から日本庭園

 帽子が飛ばされないように北尾根を下っていく。途中,寒いのでジャケットを着る。関西電力と中部電力の境にある鉄塔下を通るとすぐに鞍掛峠に到着。このあと鞍掛トンネル西口へ杉林の中を下り西口駐車場に戻り周回を終えました。大荒れのため緊張したコグルミ谷,広々したテーブルランドとボタンブチにT字尾根と見所の多い御池岳山行でした。天気の良い日にまた登りたい山です。


                           【 記: 森の旅人M】