比良山系 釈迦岳(神爾谷から北比良峠)

北比良峠


2014年8月30日(土) 晴れのちくもり  森の旅人M

コース:
イン谷口〜神爾谷〜北比良峠〜八雲湿原〜釈迦岳分岐〜カラ岳〜釈迦岳〜釈迦岳ロープウェイ駅跡〜イン谷口





 この夏の7月〜8月は私用と天候不順で全く山行できずにいましたが,ようやく落ち着いた天気予報により出掛けることにしました。今回は,リトル比良ルートを北小松から釈迦岳まで到達して大津ワンゲル道をイン谷口に下っていたので,残りの釈迦岳から北比良峠までを逆コースで山行してきました。

 イン谷口に到着,駐車している車の数は若干少ないようで10数台です。早速準備を終えてスタートです。イン谷口の一番上の駐車場に停めてもいいのですが,坂道に慣れるため下から上り始めます。旧リフト乗場の脇を通り登山道へ入って行きます。アスファルト道から山道に変わって行きます。沢の水量は多く勢い良く流れています。谷に沿って小石の多い道を登って行くと上流部で左岸に移り,谷を離れて杉植林を行くと神爾谷と釈迦岳分岐に到着。今日は神爾谷から北比良峠に向かいます。神爾谷へ左道を取り進むと神爾滝分岐,バックを下ろして身軽にして滝を見に行きます。滝を流れ落ちる水量が多いので見ごたえはあります。分岐に戻ると後方から来た中年男女三人組みが先に行ってしまいました。

神爾谷−釈迦岳分岐 神爾滝

 神爾滝が神爾谷の入り口のようなもので,北比良峠まで荒れた山道を行くことになります。最初の砂防堰堤で,右岸に渡ります,多くの堰堤が狭い間隔で並んでおり八つ目の堰堤で今度は左岸へ渡河します。五つ目の堰堤上部では左からの土砂崩れもあり従来の道は無くなっている場所もあるので注意が必要。急坂を上り巻いて九つ目の堰堤上に降り立つ。大小の石が転がり埋まっている,この辺りからいっそうの荒れ道になる。更に次の堰堤をやり過ごすため左岸の崖道を行く。何故か上方に鳥居が2基立っているのが見える。ごろ岩のある谷に下る。

 荒れた谷では,遭難石碑が見えるが土石が迫り覆い隠れそうな状況になっている。空模様は雲が厚くなり暗くなってきた。少し谷を進んで右岸に取り付き崖道を上がる。この先で左岸に移るが,渡る細谷が崩壊して標識がロープで浮いている。慎重に谷を渡り終えた先に待っているのは,堰堤横の岩場,急斜面であるがロープと木の根があり問題なく登れる,堰堤上部に立つ。更に崖の上り下りを繰り返し,神爾谷とカラダケ谷分岐の谷二股に降り立つ。三角岩に左谷へマークがある。神爾谷の危険箇所を無事通過することが出来た。

八つ目の堰堤前で左岸へ 宙舞う標識
岩場を上る 谷二股

 谷分岐を左にとり,ここから谷から離れて急斜面の尾根道に取り付く。ロープが多く張られているので問題ない。急斜面を上りきるとようやく開けた場所に出る。神爾谷上流部には,奇岩が多く立っている。鎖場の溝道はやめて,左手の再生急坂を登る。ダケ道合流点を見て北比良峠に到着しました。先行の3人組と別に単独男性の4人が休息中でした。

神爾谷の奇岩 神爾谷上流部

 青空が広がり,武奈ヶ岳が遠くに見える。琵琶湖側は雲とガスにより,はっきり見通せない。吹き抜ける風も涼しく秋の気配を感じる。八雲湿原を見に下って行く,途中先行の三人のうちの一人が林から抜け出てくる。手にはビニール袋を持ち,何か入っている。聞いて見ると「ナメタケ」で,少し分けてあげようかと言われたが丁重にお断りした。この男性から湿原で「サギソウ」の情報をもらい,早速別れて湿原に向かう。三人組みは武奈へ向かうそうだ。見学用木道を歩いて行くと白い花が見えた,初めて目にする「サギソウ」が群生していた。続いて隣の小さい池に来るとここでは,赤トンボが多く群れていた。休憩場所にはいいのだが,昼食には早いので釈迦岳に向かう。池の周囲のススキも穂を出し始めている。旧スキー場跡を上り返す。

八雲湿原の木道 サギソウ

 釈迦岳分岐標識から下って行く。いくつか荒れた道もあるものの,やがて上り坂でランニング姿の老夫婦とすれ違う。最初のピークから下って平坦路の後,少し登って平坦路となりカラ岳無線中継所に着いた。ここから東に向けて行くが,尾根道は展望がない。

釈迦岳分岐 カラ岳無線中継所

 釈迦岳−釈迦岳ロープウェイ駅跡分岐を左に取り,平坦路と緩やかな坂を行くと釈迦岳山頂に出ました。樹林の中の山頂から展望もなく木陰の山頂です。誰も姿はなく,ハエの歓迎を受けました。昼食は山頂を少し離れて摂りました。

釈迦岳山頂 大岩の脇を抜ける

 下山は,神爾谷分岐点目指して釈迦岳ロープウェイ駅跡を経由して下って行きます。急坂の下りが続き,杉とコナラ,ブナなどの他雑木の中を下ります。釈迦岳−カラ岳分岐の近くで南方が開けているが,かなり下ってきたことが分かる。釈迦岳ロープウェイ駅跡の上から琵琶湖を見下ろす場所があるもののすっきりしない天気で見通しは良くない。駅跡脇を下ります。暗くなってきたと思ったら,小雨となってきた。途中で男性二人が休憩中で,ロープ駅跡までどれくらいかと聞かれる。駅跡からここまで20分間なので,倍の40分間で着けるのではと返事する。このあとの下り道が続き,神爾谷分岐点まで長く感じました。

カラ岳−釈迦岳分岐 釈迦岳ロープウェイ駅跡
ママコナ ボタンヅル

 神爾谷分岐からは,谷沿い道となりイン谷口までは時間が短く楽に感じました。不安定な天候でしたが,無事山行を終えることが出来ました。


                           【 記: 森の旅人M】