初冬の釣瓶岳・武奈ヶ岳(栃生から細川へ)

武奈ヶ岳山頂


2014年11月23日(日) 曇りのち晴れ  森の旅人M

コース:
栃生〜地蔵峠分岐〜笹峠分岐〜P923〜イクワタ峠〜釣瓶岳〜細川越〜武奈ヶ岳〜細川分岐〜北西尾根(細川尾根)〜P706〜細川〜国道367号線〜栃生





 久しぶりの行き先は,天気予報が良ければ武奈ヶ岳へ,曇りなら北山へと2コースを用意していると,三連休は良い天気が続くと判り武奈ヶ岳に決定。2箇月休養にしては1000m級2山に挑戦,体力大丈夫かなと若干の心配事を持っての山行です。

 京都市街地のサクラ,イチョウなどの広葉樹も紅葉の時期を過ぎて落葉も終わりそうです。枯葉舞う中,国道367号線を大原から栃生に向かいます。坊村の駐車場を左に見ると結構な台数がみえます。市内は晴れていたものの,結局出発地の栃生は曇り空でした。

 準備を整え登山口に入ると,いつもと違い若い男性二人が立っていた。何事かとい聞くとトレイルランと言って山中を走り抜ける競技が実施されており,この栃生に下ってくる山道がコースになっているらしい。その係員だそうだ。参加者は600人。「まずいな,600人とすれ違ったら待機時間ばかり長くなり登ることが出来なくなるのでは・・・」。その後少しでも早く上へ上へと思いながら登っていっていると,なんと早くも第一走者が駆け下りてきた。登山口からわずか15分である。

釣瓶岳登山口 FAIRY TRAIL

 P449の休憩場所までの折り返し道で,しばらくは次の走者は来なかったが第二走者を見た後は間隔が短くなり次々と下ってくる。姿を見ては道を空ける。ランナーはこちらの姿を見て「こんにちは」,「ありがとうございます」と言って疾走して行く。4〜5人の団体もやってくる。ランナーと出会うたびに道を空ける間隔が短くなっていく。

駆け下りてくるトレイルランナー 雲に隠れた蛇谷ヶ峰

 高度を上げていくと,空行きがあやしい。だんだん雲が厚くなり,暗くなりP923手前の開けた場所で時雨れとなってきた。本来見えるはずの蛇谷ヶ峰が全く見えない。多くのランナーと行き違ってP923へ,ここには大会の係員がいてコース案内をしていたが,時雨の上,ガスが濃くなり視界が100m以下となってきた。ランナーはイクワタ峠のP923まで登り,ここから栃生へ下って来ていた。

イクワタ峠 P923に上がってくるランナー

 目の前に見えるはずの釣瓶岳どころか,ほんの先までしか見えない。周囲が見えないので一歩ずつ歩を進める。急坂の途中で今日初めて登山者と出会う。これから蛇谷ヶ峰まで向かうと言う。トレイルランのことを伝える。次は7人の団体,今日はその後も反対方向の登山者に多く出会った。釣瓶岳山頂のスギの木の下で小休止。

まったく見えない釣瓶岳 釣瓶岳山頂

 武奈ヶ岳に向かうため急坂を下り鞍部,登り返していく途中で違和感のあった右足のふくらはぎが,つってしまった。その場に座り込んで痛さに5分間我慢。そこへ対向者が現れたので立ち上がる。思ったより軽くて済んだようで以後に影響は出なかった。久しぶりの欲張りコースがあだとなったかもしれない。ガスが切れてきて,視界もよくなってきた。

雲に隠れた武奈 細川越

 細川越から武奈山頂へ向かう。急坂道で再び足を痛めないように短い歩幅で登る。樹木の切れた場所から振り返って釣瓶岳を一望。先ほどのガスで見えなかったのと違いはっきり見える。そして武奈山頂手前ピークの人の姿が見える。きついが,もうひと登りで山頂だ。細川分岐で丁度,男性が登ってきた。

細川分岐 にぎわう山頂

 昼前に武奈ヶ岳山頂到着。30〜40人の多くの老若男女で賑わっている。しかし,風が冷たく強風なので人は琵琶湖側に少し下った場所で昼食を摂っている。冬枯れの草原の彼方に北に釣瓶岳その奥に蛇谷ヶ峰,東にカラ岳,奥に釈迦岳,左にヤケオ山。南に蓬莱山。西に皆子山他の北山が広がる。私も琵琶湖側に少し下って昼食場所を確保する。

釣瓶岳と奥の蛇谷ヶ峰 カラ岳,釈迦岳左にヤケオ山

 昼食後,細川へ下るため北に一旦戻り小ケルンの先の分岐から西に下りて行く。以前下ったのは真夏だったが今回は冬枯れの森を下る。樹木は落葉して,明るい山道を下って行くが,気になったのが樹木に赤丸のスプレー。道は薄いが判別は出来る,短いと10m間隔くらいで吹きつけられている。スギの大木で進行方向変更,迷う場所であるがテープがある,北西に下る。細川尾根にはブナの大木があり通過ポイントにもなる。急坂にふかふかの枯葉道は足が滑りやすい。

スギ大木手前で下る わずかに残った紅葉

 やがて尾根は小広い場所に出る,道は落葉で不明確となるが北へ。大岩で小休憩を取る。西に傾いた陽射しが差し込み残り少ない紅葉が映える。そしてスギ林に入る。ここから急坂の長い九十九折り道が続く,薄暗いスギ林はどこを歩いても同じ風景で楽しみは無い上にヒザも痛み出す。ただ早く細川集落への思いだけである。

スギ林が続く 細川集落

 スギ林を抜けてようやく鉄塔が見える場所に出る。再びスギ林に入りT字路を右へ向かうと,ようやく細川集落に出た。天候は完全に回復し青空が見える。栃生へ戻るため国道を歩く,国道筋の分岐から集落へ向かう道脇に湧き水があり顔を洗いすっきりさせて,無事,栃生に戻ることができました。

 今日はトレイルランに出会い,時雨に出会いと予定外があったものの,初冬の武奈を訪れることが出来ました。いつ来ても多くの登山者で賑わう山です。

細川集落にて


                           【 記: 森の旅人M】