ヤケ山・ヤケオ山・釈迦岳

釈迦岳(左)と稜線のピーク


2014年5月24日(土) 晴れ  森の旅人M

コース:
R比良駅(7時11分発)〜JR北小松駅〜ヤケ山登山口〜楊梅の滝(雌滝)〜涼峠 〜寒風峠〜ヤケ山〜ヤケオ山〜釈迦岳〜大津ワンゲル道〜イン谷口〜〜JR比良駅





 前回,初めてリトル比良に行った帰りのJR北小松駅ホームから見た風景には,とんがり山のヤケ山が強く目に焼き付きました。あの山の山頂に立ちたいと思いました。今回は,下山後に近くの温泉「比良とぴあ」で汗を流して帰宅する計画のため,車とJRを利用しました。

 車でJR比良駅に着くとタイミング良く予定より1本早い電車に乗ることが出来ました。早朝のJR北小松駅では数人の登山者が下車されましたが,改札口ベンチで準備を済ませて駅前に出ると誰もいません。青空の下早速,比良げんき村方面の坂道を上っていきます。げんき村入口から急坂になります。途中,子犬を連れたおじいさんに会う,手放しの子犬が吼えて足元にやってきます,おじいさんの近くに寄り確保してもらいました。

JR北小松駅 ヤケ山登山口

 登山口から,橋を渡らず楊梅の滝(雌滝)前を通り本道に入って行きます。途中,タニウツギが彩りを寄せており,雌滝では水が二筋で勢い良く流れ落ちています。ここで右岸に渡渉して本道に上がって行きます。本道に入り少し登ると楊梅の滝(雄滝)の分岐になるが,今回は寄ることはなく先を急ぎます。早くも下山者の年配夫婦に出会います,聞くと八雲でテント泊の帰りと聞いて納得です。溝道を過ぎるとようやく涼峠です。ここでは中年の夫婦が休憩中でした。挨拶だけして,寒風峠に向かいます。リトル比良からの縦走経路がつながるように寒風峠が今日の本当の出発点になります。渡河場所で顔の汗を流して「オトシ」と呼ばれる湿地に入ります。一部不明確な箇所があるもののテープ頼りで通過します。そしてようやく寒風峠に着きました。

涼峠分岐 オトシの湿原

 ヤケ山には早速の急坂が待っていますが,ひと登りすると平坦路となり,また急坂道そして平坦路と繰り返します。はっきりした鞍部からヤケ山へ登っていきます。雑木林の中を進み荒れた急坂からロープ道もありようやくヤケ山に立ちました。山頂は狭く涼峠道,寒風峠道そして西に向かう稜線道が山頂で交差しています。樹木に被われて展望は今ひとつです。北側にはリトル比良の山々が見え,西側にはP705のピークが見えます。

寒風峠 ヤケ山山頂

 ヤケ山から西へ下る,いきなりの急坂道からすぐに平坦路に変わる。比較的歩きやすい稜線のなか,P705のピークから下り鞍部へ。ここからヤケオ山に取り付きます。雑木林の坂道でしんどいが,新緑のカーテンで陽は遮られている。急坂道の折り返しが続く。 展望の開けた場所に出ると初めて琵琶湖が一望できる。先ほどいたヤケ山が眼下にありその先はリトル比良の山並みが広がる。

ヤケオ山(左)と稜線ピーク ヤケ山とリトル比良の山並

 上方を見ると朝出会った老人と犬の姿があった,近づくとサラサドウダンとシロヤシオが隣あって咲いているのを老人がカメラを撮っているところだった。私も一緒になりカメラに花を収める。次は涼峠で出会った夫婦も追い抜かす。急坂のえぐれた道を避けて上り詰めてようやくヤケオ山頂に辿りついた。

サラサドウダン シロヤシオ
ヤケオ山山頂 ベニドウダン

 ヤケオ山頂も広くは無いが,1000m級で展望が良く先ほどのヤケ山より一段高いため,リトル比良の北には北琵琶湖があり,西から南へは釣瓶岳,蓬莱山,琵琶湖が一望できる。その西にはこれから向かう釈迦岳と手前の稜線にある二つの山頂がはっきりと目にすることが出来る。小休憩を取っていると,中年夫婦に犬を連れた老人も到着してにぎやかになる。山頂隅にベニドウダンが咲いておりまたまた全員でカメラに収めることとなった。

琵琶湖一望 蓬莱山

 先行して釈迦岳に向かう。稜線の一部が切れ落ちる場所が数箇所あり注意が必要だが問題なく通過できる。この稜線途中の琵琶湖が一望できる場所で昼食を摂った。中年夫婦が抜いて行く。稜線ではシロヤシオ,ベニドウダン,ヤマツツジが咲き誇り競演を見せてくれる。圧倒的なシロヤシオに感動する。

えぐれた稜線 ヤマツツジとシロヤシオの競演

 釈迦岳に到着,展望は無いが広場となっており3人グループと単独男性が昼食中だった。中年夫婦も到着,この夫婦はテント泊後,明日は蛇谷ヶ峰に向かって下山する予定であるため,ここでお別れとなりました。

釈迦岳山頂 大津ワンゲル道へ

 下山は,難路の大津ワンゲル道を下りました。旧比良リフト分岐からワンゲル道へ,イワカガミの群生を見て細尾根に入って行きます。ヒノキと雑木林の中,時期の送れたシャクナゲが咲いていますが,かなり落花しています。その先に現れたのが20m近い岩場の垂直下降です。ロープと木の根っ子を掴みながら慎重に下降します。ほっとする間も無く再び同様の20m近い垂直下降が続きました。足場を固めて,確認しながらの下りです。難路と言われる場所を通過して安堵しました。

ワンゲル道最初の激下り ワンゲル二箇所目の垂直下降

 若い男性3人組に出会う。その後も細尾根の歩きにくい道である。長い尾根下りが続き,尾根分岐では右に下って行く。分岐から下ったレスキューポイント「大津ワンゲル道1」から尾根を外れる。歩きやすい山道になるものの長く感じる。沢の音が聞こえだすと,ようやく右手に谷を見て下る。谷に下りてから渡渉,その先に丸太橋があり渡り終えるとようやく駐車場に飛び出しました。長い下り道だった。

ワンゲル道分岐 イン谷口の駐車場

 駐車場は多数の車で溢れています。イン谷口からは林道を下って,JR比良駅へ。湖西道路を潜り農道を歩きました。多くの春の野草があり,時間を掛けて見ることが出来ました。 農道から振り返り今日登った山並みを見ながら,比良駅の駐車場に到着しました。

マツバウンラン シロバナマンテマ
ニワゼキショウ セイヨウヒキヨモギ

 青空の下,三つの山頂を越えて琵琶湖を一望,また多数の花に会えたことをうれしく思いました。無事周回を終えてこの後,予定どおり「比良とぴあ」に寄り汗と疲れを流し,気持ちよく帰宅することができました。


                           【 記: 森の旅人M】