赤坂山(小てつ NO.49)


 
赤坂ピーク


平成26年1月13日(祝) 雪  JOEさん、小てつ

コース:
◆マキノスキー場駐車場〜ブナの木平〜粟柄越〜赤坂山  ピストン





 今年の年始、近郊の山ではどこも雪の少ない状況で、そらならこの連休に北部まで足を伸ばしましょうか?と、JOEさん、okaoka御夫妻にお声かけをしていたのですが、土曜日も山行された哲郎さんの体調がすぐれないとのことで、JOEさんと二人でマキノの山に行くことになりました。

 この連休はこの冬一番の寒波の影響で、今日もかなり冷え込むとのことでしたが、土日ほどの冷え込みはなく、問題無く山科の集合場所で合流し、161バイパスを北上する。やはり比良のあたりでは道路に雪は無く、高島町に入ってやっと屋根雪を見るようになる。マキノ付近になると道路の融雪装置が働き、道路は普通に走れて前回の冬と同じく、1時間少しでマキノスキー場の駐車場に到着する。へたなところに行くよりかは、逆にマキノあたりの方が、融雪装置があったり、朝早くから除雪がしてあるので、あてにできる。

 ただ、前回と違うのは、スキー場に雪があるためか、入口に簡易料金所ができていて、駐車料¥1,000円也をとられることになる。しかし、誘導員も出ていて奥からつめて駐車できたので、いつもの駐車場所よりは、奥まで入れることになる。スキー場もカキイレどきなのだ。

朝のマキノスキー場 取り付きの看板

 駐車場で用意をして8時30分に出発出来た。芝生の広場も道路と境目がわからないほど新雪が降ったようで、広場の中だろうところを取り付きに向かって、一直線に歩いていく。

 赤坂山への取り付きは、広場の右手最奥に見える建物(トイレと貸スキー小屋)が目印で、トイレで用をたしたあと、もうここからスノーシューをはいて行くことにする。

 雪のないときには嫌な木道の階段道も、雪が全て覆っていて歩きやすい。しかし、トラップのように、ボコッとはまる場所があったりして気は抜けない。雪の下に水が流れている場所があるのだろうか?

 雪が降り続くが、鉄塔が見えるくらいだから、ここらあたりを歩いている時には大したことは無かった。途中で衣服調節や飲水しながら急坂を登り、調子が出た頃にブナの木平の東屋に着く。東屋は埋まっていなくて、すんなりと中に入って小休憩する。

鉄塔が見えるくらいの状態 ブナの木平の東屋

 ブナの木平から先では、急に雪も深くなる。しかし、昨日まで多くの登山者がいたのだろう、新雪の下はしまっているようで、登山道を外さない限りは15cmほどの沈み込みですむ。ただ一歩外したと思うと、ヒザ下ほどははまり込むので、外さないよう歩く。

 ずっとJOEさんにトップをきっていただいているが、普通の場合にはトップを交代しながら登るのが冬山の常識。ところが、JOEさんの場合、交代などもってのほかで、逆に「人の楽しみを奪わないで・・・」と言う感じなので、後背を眺めながら、小てつは小てつでJOEさんの踏み残しの部分を踏んで、トレース固めに専念する。

 何でも人のトレース目当てで、わざと出発時間を遅らせる人もいるようで、中には急坂の手前で、先行する人をわざわざ待っている人がいると言う。まぁ人それぞれ。JOEさんはともかく、小てつは正月太りを何とかしなくてはいけないので、逆にトップを歩いてエネルギーを発散させなくてはいけないくらいなのだが・・。

ブナの木平を超えると雪は増える 寒風への稜線

 稜線までつめると風も強く、寒風山への稜線は雪庇なのか、バカっと割れたようになっていて、迫力満点。いつもは低木の林の中を歩くところを、木の上だろう雪で埋まった何もないところを歩いて粟柄越の峠を目指して歩いて行く。

 どうやら粟柄越とおぼしきところまで来ても、標識は埋まっていたので、ここらは1m以上の積雪があったと思う。西風がとても強くて雪が降っているというより、一旦降った雪が風でまくり上げられて飛んでいるといったほうがいいくらい、氷の粒がビシビシ顔に当たって痛い。小てつはバラクラバをつけていたので顔を隠すが、それでも痛いくらい。帽子だけのJOEさんは、そうとうほほが痛いだろう。

 粟柄越からは、どこを歩いても同じような感じなので二人並んで登り出す。しかし、風裏は雪がたまりシュー履きでもヒザほど埋まる状態で、顔は痛いが風表の西側に出て、雪が薄くてやや凍っているところを選んでピークを目指して登る。ホワイトアウトでも無く、以前の吹雪の武奈を思い出すが、あの時よりかは体感温度も高いようなので、何とか頑張って登る。もしHさんがいれば、おおはしゃぎ間違いなしのところだ。

愛宕より尻尾が長い

 ピークには、11時20分着。同じ雪道でも去年より30分かかっていることになる。ピークはただただ風が強く、すぐさま降りにかかる。JOEさんは手が痛いと、手袋を厚手のに取り替えられる。やはり、温度が急激に下がると血流が指先までまわらなくなるのだろう。いつも冬に小てつも指が痛くなるのは、手袋を濡らしてしまった訳では無く、指まで血流が回らなくなっていたのだと思う。小てつもウールの厚手の手袋に替えて粟柄越まで降りてくると、風当たりは弱くなり、一息つける。

 晴れていたらもちろん寒風までの稜線歩きを楽しむのだが、天候回復の見込みも無く、こう風が強いと楽しくもないだろうと、ピストンで降りることとし、どこか風の当たらないところで、ラーメンタイムにしましょうと、東の鉄塔の裏手まで降りる。シューを踏んで雪を固めて場所をつくり、木の板で雪を掘ってバーナー場所を作ってラーメンを作り出す。今日はJOEさんの差し入れのワンタンを、追加投入させていただく。寒い時のワンタンは、熱いのがツルンと入って、以外にいけます。

明王の禿方向 タムシバの花芽

 シューをはいたままワチャワチャしていたのがいけなくて、これまたJOEさん差し入れのノンアルコールビールをシューの爪で踏んでしまった。まだプルトップも開けていなかった缶は見事に穴が開き、ブシューと勢い良く吹き出し、誠にもったいないことになってしまった。シューの爪の威力は恐ろしい・・。手でも踏んづけたら、えらいことになる。

 悪天の最中のラーメンタイムを終えても、誰も登ってこないので、今日も赤坂山貸切ですねと話しながら出立する。ほんの1時間程度前の登りのトレースが、もう雪で埋まって無くなっているところがあり、驚いてしまう。そんなに降っている感じではないので、風のせいだろう。

 もうすぐブナの木平の東屋というところで、三人の登山者が登ってくる。もう午後1時前である。えらく遅立ちだったのだなぁと思うが、ピークの様子など伝え別れる。と、東屋に何と20名を越える学生と思われる男女の登山者がたむろしていて、こちら二人は東屋にも近寄れない状態。

 少し様子をうかがっていたが、ここまでだけシュー歩きを楽しみにきたんじゃないですかとJOEさんと話していると、中の数人が登りのコースに進んでいくではないか。まさか全員登るのか?この時間から?人数が多いから、ペースも遅いだろうし、何しろあの風である。降りてこられる時間には、もう真っ暗なんじゃないだろうか?それに、降ってきた人を見れば、リーダーが先の様子を聞きに来ても不思議ではないと思うが、そんな様子は全く無かった。

 ああいう団体は苦手ですねと、お互いの学生時代を思い出すが、JOEさんは最高5人、小てつは3人と遊ぶのが精一杯と、集団行動の苦手な二人となる。

砂防ダムあたり

 ブナの木平の先は、大人数に踏まれた雪がカチカチで、シューもいらないくらいになっていた。それでもガマンをして歩くが、調子滝の分岐まで来て、こちらから降りましょうとなる。こちらのルートには、今日つけられたと思われる一人の先行者の踏み跡だけが残り、また正確にルート取りがされていたことから、このコースを熟知した方が歩かれたと思われた。

 セラピーロードと名づけられるほど、この道は趣あり、のんびりと快適に降りていく。朝取り付いた貸スキー小屋に降りてくると、広場には多くの家族連れが雪遊びを楽しんでいる。雪ダルマはもちろん、カマクラもたくさん作られていて、「車1台分¥1,000円で家族遊べたら、安上がりですもんね」と話す。

セラピーロードを快適に降る

 我々はスキー場に1時30分に降りてきました。ブナの木平であった3人組や団体の学生は、朝の我々の時間よりも2時間30分遅くブナの木平を出立していますから、ラーメンタイムの休憩と、彼らのペースを相殺すれば、赤坂ピークまで踏むと、帰りはスキー場に5時になってしまいます。もう真っ暗ですね。

 去年のお正月の愛宕山の家族連れ4人の遭難騒ぎも、秋にあった皆子山の遭難騒ぎも、結局は出発時間が遅かったため起こったようなものです。(愛宕山は午後から、皆子山は11時から登ったそうです)この時期の山は、出来るだけ早い時間から、余裕のある行程でアタックしてもらいたいものですね。